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主宰は稲畑汀子(日本伝統俳句協会会長「ホトトギス」主宰)
ゲストは ねじめ正一(詩人・小説家)
司会は塚原愛アナウンサー
<選評は飽くまでも私の聞き書きメモで漏れやニュアンスが違う場合もあると思われますが、ご容赦ください。>
兼題「冬日和」
冬晴の一日仕事に籠らねば 稲畑 汀子主宰
3点句。折角の冬晴れの日、ちょっと寂しさのある句。/「小春日」でなく、「冬晴れ」でピーンとした感じが出た。/稲畑主宰の多忙な生活から生まれた句。
カーテンの襞から子ども冬日和
3点句(稲畑主宰、ねじめ選)。少年時代の身体も弱く繊細だった自分を思い出す。カーテンと心の襞が結びついた繊細な句だと思う(ねじめ)。/カーテンから出てきた悪戯っ子(稲畑主宰)。/子供の遊びのかくれんぼです(作者)。
縁側に母はゐなくて冬日和
3点句(稲畑主宰選)。出掛けていない母。寂しいが冬日和で温かみも感じる。/涙。身につまされる人もいらっしゃるのでは(ねじめ)。/母は亡くなっているが今もいるような感じがして(作者)。
真白なる富士の親しき冬日和
2点句。威厳のある富士だが、冬日和でいつもより親しさを感じた富士。/大変素晴らしい句。でも私なら「親しき」までとは言わず「富士の山なり」と突き放す第三者的ないい方にする(稲畑主宰)。
冬うららおちょぼ口したワニがいる ねじめ 正一
1点句。一読して面白い句。/普通は口の大きいワニの口をおちょぼ口と言った詩人の眼(稲畑主宰)。/最初はワニでなくカバとしたのだが、カバで有名な坪内稔典さんを思いワニにした(ねじめ)。
釘五本打つちゃう?打っちゃえ冬日和
1点句(ねじめ選)。苦労して作っている実験句。釘で打っちゃうは当たり前。何か他の言葉にした方がいい(ねじめ)。/ちょと言い過ぎ。俳句的じゃない俳句にトライした句(稲畑主宰)。
琴の音の弾む一日や冬日和
1点句。非常に冬日和らしい事柄。「冬うらら」では即き過ぎ(稲畑主宰)。
○稲畑汀子主宰特選三句
草虱払ひ切れずにバスに乗る
放られて独楽は木の実にもどりけり
光浴び妻は花野の風となる
○自由題
深々と伏し猟犬となりにけり
満点6点句(稲畑主宰、ねじめ選)。飼主の命令で猟の体制に入った、いかにも猟犬らしい猟犬の姿が見えた。/他の犬に対して柴犬のような普通の犬が見せた、本能的な猟犬じみた所作(ねじめ)。/猟犬ですが普通っぽい雑種犬が一瞬に仕事モードに入った様子を詠んだ(作者)。
茶の花や今も住み継ぐ武家屋敷
4点句(稲畑主宰選)。静かな目立たない茶の花。武家屋敷を守っている人も代々ひっそりと守っている。/今も住み継ぐで暮らしの匂いも出て来ると思うのだが、さすが武家屋敷、凛として茶の花が咲いている。茶の花の低い垣根がある武家屋敷が見えて来る(稲畑主宰)。
子午線を蹴とばしちゃった冬日和
2点句(ねじめ選)。景気のいい句。自然を敬うのもいいが、たまにはちょっと丸めたり蹴っ飛ばしたりしてもいいのでは(ねじめ)。/面白い句だがよく分かりません。/口語体で面白い句だが、子午線のある明石でスポーツでもしていらっしゃるのかな(稲畑主宰)。
渋滞を避け渋滞冬山路 稲畑 汀子主宰
1点句。一風変わった言葉の冬山路。都会で無くてよかった。/二回出て来る渋滞、もうすこしうごきのある方がいい(ねじめ)。/自分で運転する主宰の実体験の句。籠ったり渋滞したり大変な稲畑主宰です。
河口まで鮭を迎えに舟ゆけり
1点句。河口に集まっている鮭を迎えに行くという、いかにも北国らしい景。土地に親しい人の句。/鮭を迎えにのフレーズがいい。
店裏の戸口すれすれ花八手 ねじめ 正一
八手の花らしい感じの句。でも全部述べちゃった感がある(稲畑主宰)。/普段は折れてもしょうがないと気を使わないのだが花八手なので少し優しい気持ちになった(ねじめ)。
爽やかや海より晴るる安房の国
武家屋敷の句とどっちをとるか迷った句(稲畑主宰)。
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