第18代名人位決定戦 by 北村 諒
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今年もやって来た。二年に一度の珠算界の祭典。果たして、今年栄光を手にするのはいったい…
7月17日 十八代珠算名人位決定戦を翌日に控え、選手達からも緊迫感が伝わってくる。近年、福岡や岐阜といい宮城からは遠出になっていた名人戦であったが、今年は茨城県で開催される。そのため選手達は朝9時に教室に集まり練習をしていた。3時間の練習後、急いで荷物をまとめ出発の準備!もちろん、はやしの移動手段はバスである。選手と職員の先生方を含め、20名近くを乗せたバスは決戦の地、茨城を目指して出発した。
5時間が過ぎた頃、私たちは無事に茨城についた。 夕食はガストであっただろうか…記憶は定かではないがファミレスであったことは確かである(笑)四人用のテーブルであったので土屋、紗知ちゃん、カッツ(勝又美貴)と相席させていただいた。この中にいて一人だけ浮いていると思うのは皆さんも承知であろう…(笑)『北村〜面白い話して〜』とカッツ。『北村〜謎掛けやって〜』と土屋。実は、はやしの中で自分はいわゆる『いじられキャラ』というやつである(学校とかではいじる側なんだが…) まぁ…楽しいからいっか。 夕食を食べたあとはホテルに戻り練習。自分は苦手な割り算と伝票を中心に最後の調整を行った。10時には布団の中へ…やるべきことは全てやった!あとは神様オネガイシマス… 7月18日…大会当日! いよいよ決戦の朝…選手達は皆スイッチが入っている!
朝食を取ったあとはバスで会場へ…心拍数がどんどん早くなってくる。それだけこの大会の緊張感はすごいものなのだ! 会場に着くとそこには全国でも名の知られている選手達が群がっていた。これが名人戦なのか…やはりさすがである。数分後、座席抽選会が始まった。名人戦は席が決まっていない。それぞれがクジをひき、その番号の座席に着くのだ。『ど、どうか1番前だけは!』そんな心境でクジをひく。幸い、1番前は免れた… あとは席に着き、個々の練習に入る。今大会の自分の目標は一回戦突破。何がなんでも残ってやる! 選手が揃い、開会式が始まった…この時の心拍数は一分間に200回くらいであっただろう。心臓が破裂しそうであった。
いよいよ一回戦。自分はこの日のために二年間頑張ってきたと言っても過言ではない。とりあえずベストを尽くして上位32名に食い込んでやる!
第一回戦…
一種目ごとの交換採点である。ここがこの大会の嫌らしいところなのだ。特に私のように精神的にもろい選手にとっては尚更だ。 しかし、今回に関しては自信があった。絶対に残れるという自信が。 すべての種目が終わり、700点から順に挙手をしていく。今大会の満点者は6人であった。その中には見慣れた顔が…そう、紗知ちゃんとカッツである。観客席の先生方がガッツポーズをしていた。本人達も嬉しいが、先生方も本人と同様に嬉しいのである。引き続き点数が聞かれていく。ちなみに私は675点であった…普段の名人戦なら予選ボーダーより上の点数であるが、なんせ今回はレベルが高い。果たして… 680点の時点で予選通過者は20名。この時、私は確信した…『け、決勝に残れる!』そして次の瞬間、私は意気揚々と手を挙げたのであった… こうして一回戦が終了。はやしからは私の他、紗知ちゃん、カッツ、もーりー(森拓磨)、学、そして土屋の6名が二回戦へ無事駒を進めたのであった。(ちなみに前回名人の土屋は一回戦は免除である。) 二回戦は昼食を挟んでから行われる。抽選の結果、私の対戦相手は木下卓巳選手に決定した。木下選手は、珠算会でも名の知られた選手だ。『北村』と『木下』と名字も似ている??こともあって妙な親近感を感じる… 他と組み合わせは土屋VS北村瑠菜選手、もーりーVS弥谷拓哉選手、学VS大関一誠選手、カッツVS高倉佑一朗選手、紗知ちゃんVS河野翔太選手といった組み合わせだ。 今回は6人中、5人がAブロックに固まってしまった。しかし、これも時の運。こうなったら勝ち進むまでだ! しかし、この名人戦で『北村』が二人も決勝に進出するなんて…あっぱれ。 いよいよ決勝が始まる。自分はAブロックなので他人の試合は見ていない。読者の皆さん!ここからは私の戦いをお楽しみください… 第一種目 ÷暗算
書くだけの勝負。しかし、割り算に苦手意識のある私にはちょっときつい。しかし今はそんなこと言ってる場合ではない!気を引きしめて…よ〜い、はじめ!!『ハイ!!』先に終わったのは木下選手。第一種目は木下選手の勝ち。 第二種目 見取り算
キタ━━━(゜∀゜)━━━!!そうです!!私は見取りが大好きなんです!!見取りのスピードなら自信がある!この種目はいただいたぜ!『ハイ!』私の方が速かった。これで一対一の同て…『4対0、木下選手の勝ち…』…あれ?0って…計算ミスったか?いや、さすがに0はないだろう。そうなると…字。まさか数字で罰されたんじゃ…とりあえず綺麗に書くことを意識しなきゃ… 第三種目 見取り暗算
願ってもない、二種目続けての見取り競技。さっきのことは忘れて今はこの競技に集中…ハイ!またスピードは勝った。今度こそ私の勝…『4対4引き分け。』これは痛いミスだ。自信のある見取り競技を二つ落とすなんて… ともあれ、もうあとがない。どうする〜俺?? 第四種目 ×算
あとがない。よ〜い、はじめ!…ハイ!私の方が速かった。どうだ…『4対3、き…』終わった。もう負けは決定的。はぁ…一種目も勝てないで終わってしまった。でも、楽しかったなぁ…二年後も頑張ろ…『4対3、北村選手の勝ち!』…んん?勝った…勝ったぞ!そういえば私も『きたむら』だったな。さっきから『きのした』しか言われないから名字の最初が『き』なのをすっかり忘れていた(笑)紙一重で繋がったぞ!流れにのっていくぜ! 第五種目 ÷算
苦手種目。とりあえずここは当てることに専念だな…『6対5、北村選手の勝ち!』よしよしよしよし!!のってきたぜ〜! 第六種目 ×暗算
スピードが鍵の種目。綺麗に丁寧に…『ハイ!』木下選手が先に終わった。ここは当てることに専念… 『4対2、北村選手の勝ち!』×暗で4対2って…苦笑しながらも勝ちは勝ち。これでついに逆転した!!『イケる!イケるぞ!』そして勝負は最終種目伝票へ… 第七種目 伝票算
この種目も私はあまり得意でない。しかし、大会前に死ねほど練習を重ねた!絶対に勝ってやる!よ〜い、始め!………… 『6対2、木下選手の勝ち!よって3勝3敗1引き分けで得点差により木下選手の勝ち!』 今度こそ私の名人戦は終わった。悔いがないと言ったら嘘になるかもしれない。しかし、決勝という『夢の舞台』で戦うことができたのは本当に嬉しかった。幸い、私はまだ高校2年生である。2年後、更なる飛躍を目指して日々の練習に精進していきたい。 Aブロックの試合が全て終了し、はやしからは土屋、もーりー、カッツが三回戦へと駒を進めた。ここからは私も観覧席から選手達の活躍を見ていこうと思う。 第三回戦 さて、Bブロックの紗知ちゃんも二回戦はストレートで勝利し、はやしからは四人が三回戦へ駒を進めたのであった… <土屋名人VSもーりー> いつの名人戦でも必ずあるはやしの同門対決!もーりーは予選を695点で通過し二回戦も弥谷選手にストレート勝ち。ここは頑張ってほしいが相手が悪かったか。4対0で土屋の勝ち! カッツと紗知ちゃんも順調に勝利し、はやしからは三人がベスト8に!さぁここからが大詰め!頑張れ!はやしの三羽烏!! 準々決勝
さてさてここからは制限時間も短縮されてごまかしはきかない…って言ってもここまで残ってる選手にはそんなこと関係ないか…(笑) <土屋名人VS大関一誠選手> 大関選手は名字だけでなく珠算の腕もまさに『大関』!…しかし、ここは土屋のストレート勝ち。まさに『横綱』の貫禄といったところか。 <カッツVS金子優希選手>
名門、早稲田大学の金子選手。二年前には市場、学、宏行を破り、《はやしキラー》の異名を持っている。(はやしのある選手が勝手につけたのだが…) ともかく、ここは名勝負になりそう。 一種目取られたら、取り返す!壮絶なシーソーゲームが繰り広げられた… 5種目めの見取り暗算が終わった時点で2勝3敗、カッツはあとが無くなった!6種目めはカッツの得意な÷算!スピードなら土屋名人すら上回るかもしれない。よ〜い、始め!…ハイ!!スピードではカッツの勝ち。はたして点数は…会場中が見守る中、点数が発表された… 『5対4、金子選手の勝ち!よって、4勝2敗で金子選手の勝ち…』 勝負とは時に残酷なものである。しかし、ここまで残ったカッツは私や全国の選手達の憧れであるだろう。本当にお疲れ様でした。 <紗知ちゃんVS小山素佳選手> 小山選手は二年前に唯一あの土屋名人から二種目を奪取した天才女子中学生。ここで勝てば土屋名人以来の『学生名人』が見えてくる…しかし、紗知ちゃんはこれを許さない!終わってみれば、4勝1引き分けで紗知ちゃんの勝ち。元祖『天才少女』準決勝進出です! これでベスト4が出揃った。はやしの二人に加え、早稲田大学の金子選手、堀内選手の4人である。『県』という観点から見ても宮城県VS千葉県といったところか…はたして勝負の行方はいかに… 準決勝
<土屋名人VS金子優希選手> 二年前と同じ組み合わせとなった。一種目めの×暗算では金子選手がスピードで上回るも点数で土屋の勝ち。その後も勝利を重ね、土屋の圧勝。あとは決勝戦を残すのみとなった。 <紗知ちゃんVS堀内祥加選手>
この組み合わせも四年前と全く同じである。勝利の女神はどちらに微笑むのか…6種目終わって3勝2敗1引き分け。紗知ちゃんのリードである。 最終種目は見取り算。よ〜い、始め!……ハイ!!ここは紗知ちゃんがスピードで上回った。 みんなが見守る中、採点結果が出る。『6対4、堀内選手の勝ち…よって3勝3敗1引き分け、得点差により堀内選手の勝ち…』 あと一歩であった。しかし、結果としては堀内選手の勝ち。紗知ちゃんは惜しくもここで敗退となった。しかし、この二人による試合は名人戦の歴史の中でも唯一無二の試合であった。紗知ちゃん、本当にお疲れ様でした。 決勝<土屋名人VS堀内祥加選手>
四年前と同じ組み合わせとなったこの決勝戦。しかし実力は二人とも格段にレベルアップしていることだろう…まさに意地とプライドのぶつかり合い!勝負の行方はいかに… 伝票で土屋が勝ったがその後の×暗ではわずか0.05差で堀内選手の勝利。勝負はまだわからない。しかし、そこから土屋の快進撃が始まった!終わってみれば4対1で土屋の勝利…この瞬間、土屋の史上初の名人戦6連覇が決定した。試合後見せた名人の涙は多くの人の目に焼き付いたことだろう。仕事で忙しい中、僅かな時間を惜しんで練習をする彼の姿を私たちは間近で見てきた。その結果がこのように繋がる。『努力にまさる天才なし』まさにこの言葉を証明するかのような戦いであった。 とにかく6期連続名人おめでとう!! 人生とは辛いものである。しかし、頑張り続ければ必ず大きな幸せがやってくる。それを証明した今回の名人戦であった。
長い文章を読んでくださった皆様、本当にこれまでありがとうございました! また機会がありましたらお会いしましょう! Thank you very much! See you next time! |

