・昨日の続き。あのあとマニアックな内容であっても「知的反応」が起こせるクイズ問題も作れるんだぜ、とか何とか言いながら、ちんたらちんたら進んでいく予定だったのだが、まあいろいろあって少し結論めいたことを先に書いてしまう。
・基本的に、私の中にある問題提起は、「クイズの問題は、誰を相手にして出題しているのか」ということである。
・例えば、クイズ番組の問題がターゲットにしているのは「本当の解答者(=参加している人。アタック25なら4名)」だけではない。当然「視聴者(=疑似体験をしている人)」もターゲットにしている。
・「ターゲットにしている」というのは、「クイズ問題を使って面白がらせようとする、知的な反応をもたらそうとする」という意味である。
・アタック25のような番組で「SRC構造」の問題が出題されにくいとすれば、それは「本当の解答者」がその知識を持っていないから、ではない。たとえ赤の人が建築士で、緑の人が不動産関係の人で、白の人が家を新築したばっかりの人で、青の人がインテリアコーディネーターだとしても、この形では出題されないと思う。
・問題を出題するかどうかの選定基準になるのは、難易度(というものが定義できるとして)ではない。面白いかどうか、その一点である。ここからは感覚的な話なのだが、「鉄骨鉄筋コンクリート」が正解です、と言われても、一般的には「鉄骨鉄筋コンクリート」がどんなものか分からないかぎり、この問題を面白いと思うことは難しいのではないか。
・ならどうするか。例えば問題文に「鉄骨コンクリート」と「鉄筋コンクリート」の長所を併せ持った、云々、と入れてあげるというのは一つの方法である。そうすれば、知らない人でも「そのままやないかい」的な反応をさせることができるから。
・要は、クイズ問題は、クイズとしての面白みを何らかの形で付与する必要がある。だれにとっての面白みか、というと、それは「解答者」であったり、「視聴者」であったり、「読者」であったり、「解答者の後ろで手を叩いて見ている大阪の年配の女性」であったり、様々である。それら「そのクイズに関わる人」すべてを相手にできるとすれば、それが「面白い問題」ということになるのではないか。
・まとめておく。一般に、クイズ問題の出題妥当性を決めているのは、難易度でも解答者側の事情でもない。そのクイズに関わるほとんどの人にとって、面白い(=知的に反応できる)情報が盛り込まれているかどうか、だと思う。
・だから、
我が師の言葉「良いクイズゲームを支えるのは、すばらしい「誤答(=間違いの選択肢)」」というのも、非常に重要なファクターとなる。クイズ問題の長さの制約上、どうしても情報を盛り込めないのがクイズゲーム機である。面白い情報を入れられなくても、誤答で問題を面白くしてあげることができるのである。
・あとは、どういう知的反応を起こしたいかによっても問題は選ばれる。「何でこんな難しいこと知ってるの?」と視聴者に強調してみせることも、「クイズ王なのにこんなことも知らねーのか」と視聴者に印象づけることも、知的反応の想定の一つである。
・本項で掲載したような状況を踏まえて、問題を作り分けられるような人が、本当の「クイズ問題作成のプロ」ということになろうか。
・長くなっているが、もう一つだけ付け加える。SRC構造の問題は、クイズ王になりたい人たちが正解してくれることを期待しにくい問題である。この辺は「対策の立てづらい問題」という話に絡んでいくので、別項に譲る。「難易度(=一般人正解率、とでもしておく)」が高い問題であり、かつクイズ王も答えられない問題であれば、クイズ王決定戦でも出題しにくい。そういう意味でも、やっぱりテレビでは出にくいかな。
・とか言ってSRC構造なんかベタだよ、ってことになってるかもね。
・相変わらず上から目線で偉そうに書いてしまった。ごめんなさい。2問目以降はまた次回。