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武田邦彦

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武田邦彦『東北人の誠意を見せて下さい:一関市長と議会に謝罪を求める』

科学者が真実を語ったことを非難した行政、議会は、謝罪するのが当然だと思います。当時、朝日の記事にもなっていたので、武田先生でなかったら、完全に社会的に抹殺されていたでしょう。
以下、武田先生のブログより。
 
 
東北人の誠意を見せて下さい:一関市長と議会に謝罪を求める


 


 
現代の日本人の悩みの一つは「ケジメ」をつける誠意と勇気を失ったことでしょう。少し前にはJR西日本が大きな事故を起こしたのに社長が辞任せず、もがいて事故隠しという不祥事を招きました。近くは原子力安全委員会が判断ミスをして福島原発が爆発したのに、相変わらず1600万円の年俸をもらいながら、委員を辞任しません。
 
かつて日本の小学校では「間違ったら謝ること、潔いこと、誠実であること、それを実行する勇気を持つこと」を教育したものです。
 
私は昨年の秋、事故から半年ほど経ったところでテレビ放送で「東北の一関は汚染されたので注意した方が良い」という旨の発言をしましたら、東北から一斉にバッシングを受けました。特に一関市長からは201197日に公開非難を受け、議会からも謝罪を求められました。
 
これによって、私は学者としての信用を一部、失墜し、東北のマスコミは私が敵のように報道し、郡山市は私のアドバイス職をキャンセルしました。個人としての被害は甚大でした。でも、岩手県でも一関市などが汚染されたことがほぼわかっていました。学問的な情報を提供するのは学者の仕事でもあります。しかも半年後です。
 
・・・・・・・・・
 
一関の人は次の事実をどのように感じているのでしょうか? 私への批判は間違っていて、個人を追い詰めたことについて、誠意と勇気は無いのでしょうか?
 
1)私の発言の直後、201199日、1キロ583ベクレルのウシ2頭を出し、出荷停止をした、 その後も汚染食材を多く生産した(個別のことは一関市の人が知っておられる)、
2)
農家が東京電力を相手取って、汚染による被害を補償するために約4000万円の訴訟を起こした、
3)
国の「汚染状況重点調査地域」の指定を受けた一関市が、国の承認を待たずに除染に着手する方針を明らかにしたことについて、岩手県知事は「国が先頭に立って、東電が早めに手を打つのが基本。強く県からも促したい」と除染を国に働きかける姿勢を示した(一関市は岩手県知事に「一関が汚染されていることを認めたのはけしからん!」と抗議文を送っていない)、
4)
一関市は5月22日独自の判断に基づき市内の学校施設で本格的な除染作業を開始した。子どもの安全を優先する観点から国の手続き遅れに堪忍袋の緒を切らした。
 
・・・・・・・・・
日本人には誠意が求められます。私の手元には市長と議員からの抗議文がありますが、いったい、このまま一関市は「武田は個人だから、無視しても良い」という態度を続けるのでしょうか?
 
日本の再建には、誠実さと誤りを認める勇気がいります。一関市自体、東電の不誠実、政府の不誠実に反撃をしていますが、いったい、自分自身の不誠実なら黙っているのなら誠実とは言えません。私は早く一関市の汚染を指摘したのだから、学者として批判されることはないと考えます。
 
一関市長と議会の誠意と勇気、東北人の魂に期待します。そして今後「正しいこと」を発言した人が被害に遭わないためにも、大切な一つの儀式と思います。
 
 
 (平成24528日)

武田邦彦


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武田邦彦『専門家は誠実に・・・99.9%除去というのは意味が無い』

島田市から 先日の武田先生の指摘(速報)北九州報告・・島田市と併せてが「間違っている」との回答があったようですが、本当に市民のことを考えての発言なのでしょうか。 
以下、武田先生のブログより。
 
 
専門家は誠実に・・・99.9%除去というのは意味が無い

 
島田市の瓦礫焼却について、私のブログの記事について島田市が「間違っている」と言い、その一つの理由に、「安全性の目安となる値(排ガス:セシウム13420ベクレル/m3、セシウム13730ベクレル/m3、焼却灰は8,000ベクレル/kg)を大きく下回っており、安全性の面で全く問題ありません。また、排ガスのばいじん濃度も定量下限(0.0040.005g/m3N)未満であり、バグフィルターのばいじん除去性能が正常に働いていることが確認されています。」とあります。
 
私自身は批判ぐらいはかまいませんし、島田市が瓦礫焼却をするのが適切かどうかは、島田市の人や周辺の人がご判断されることで、島田市や私はその判断に役立つために、正しい情報を提供することが役割です。島田市も市民の健康を犠牲にして瓦礫を引きうけようとしているのではないとおもいます。
 
その意味では、市民に示した上の文章は訂正してもらいたいと希望します。放射性物質が他の物質と違って「目に見えないほどの量が危険」という特徴があります。たとえば、島田市は「バグフィルターの除去率が99.9%であり、煤塵濃度は0.0040.005g/m3N以下だから大丈夫」としていますが、セシウム1371グラムあたり3兆ベクレルですから、仮に0.003gでも1立方メートルあたり1000億ベクレルになり、同じ文章の安全性の目安とされる30ベクレルの実に30億倍になります。
 
つまり、「排ガスのばいじん濃度も定量下限(0.0040.005g/m3N)未満であり、バグフィルターのばいじん除去性能が正常に働いていることが確認されています」という内容は専門的に言うと、「だから危険なのだ。とうてい焼却できない」ということになり、この時の除去率が99.9%とすると、現実は99.9999999・・・%でなければならないということなのです。
 
つまり、重量で示した「ばいじん除去性能」というのは「放射性物質がどのぐらい漏れるか」という点では何の意味も無い数値ということを示しています。専門家にとってはあまりに簡単なことを説明を聞く人が「グラムとベクレルの換算が出来ない」として説明するのは誠実みがありません。
 
排ガスに含まれるセシウムについては、フィルター性能から計算したものではなく、投入量と捕捉量からマスバランス計算でだしたもので、それは島田市も充分にしっています(私以外にも計算値を市に示している方がおられます)ので、回答自体が正確ではありません。なぜ事実と異なることを公共機関が回答するのかはまた検討が必要です。
 
多くの自治体が「ばいじん除去性能」を瓦礫処理に際して市民に示していますが、一般の煤塵と放射性物質では健康に及ぼすレベルが全く異なります。どんな数値も誠実でごまかしのない数値を使ってもらいたいと思います。私は瓦礫の処理に反対ですが、自分に不利な数値もそのまま使います。それが国民に対する専門家の誠意と義務です。
 
また最近、自治体の公務員の人で国の方針や市長の命令だからというので市民に事実ではない言動が見られますが、自治体はその自治体を構成する市民のためにサービスをしているので、職務の命令よりもともとの職務の義務が優先します。これについては慣例でも判例でも示されていますので、公務員の倫理をもう一度、思い出してください。
 

 

 
(平成24526日)
 

武田邦彦

                                ・・・以上・・・

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武田邦彦『(速報)北九州報告・・島田市と併せて』

現在行なわれている北九州市と島田市の瓦礫焼却に関する科学的整理を、以下、武田先生のブログより。
 
 
(速報)北九州報告・・島田市と併せて


 


 
(思想を含まず、科学的に整理しました)
 
北九州市で瓦礫が焼却されました。前後の線量率変化を整理してみます。まず観測点1では、次のようになったようです。
 
焼却開始前の線量率 北九州市民家  最低0.05―平均0.06―最高0.09μS/h
2012年5月23日から24日   日明焼却場で瓦礫焼却
同年   5月24日から25日   新門司焼却場で瓦礫焼却
焼却後線量率    北九州同一箇所  最高0.14μS/h
 
・・・・・・・・・
北九州市はやや自然放射線が高いところですが、福島原発事故前は0.04μS/hだったと推定されます。従って、事故後、いろいろなものが運搬されて約1.5倍になっていると思われます。それに今回、瓦礫を焼却したので、データからはさらに少し上がっています。推定では2倍程度になったと考えられます。
 
すぐ逃げなければならないということはありませんが、瓦礫の焼却は中止した方が良いでしょう。
 
・・・・・・・・・
一方、他地区に先行して瓦礫焼却を行った島田市ではセシウムの漏洩が見られています。
 

Bandicam_20120525_095802915
 
この表は実測を元に島田市の方が計算したもので、瓦礫の中に含まれるセシウム13734.3万ベクレル、そのうち、最終的に無管理状態で空気中に飛散したのが11.2万ベクレルで、捕捉率は32.7%で、瓦礫の中に含まれていたセシウムの約3分の1が島田市の大気に出ています。
 
一般ゴミの場合の固形物の捕捉率は99.9%ですから、セシウムが捕捉しにくいことがわかります。セシウム134はこれより少し少なく、ストロンチウム、プルトニウムは測定されていません。
 
また、島田市の瓦礫焼却による島田市の空気中の放射線量については、京都大学の方が測定を行っており、次のグラフが公開されています。
 

Bandicam_20120525_095735051
 
これによりますと、島田市の松葉に付着した放射性セシウム量は焼却によって平均1キログラムあたり3ベクレルほど上昇しています。牧之原市、静岡市については変化が少なく、ハッキリはわかりません。
 
以上のことから、島田市においても瓦礫の焼却を続けると汚染の拡大が心配されます。特にセシウムの他にストロンチウムやプルトニウムを含むものが東北の海岸線などからもたらされた場合の影響はまったく不明です。
 
・・・・・・・・・
 
瓦礫の中には放射性物質が含まれており、受け入れ瓦礫ばかりで無く処理プラント(放射性物質を取り扱う許可を得ていないプラント)内で1キロ100ベクレルを超えることは法律的に認められていません。従って、北九州市も島田市も法律違反であることは間違いありません。
 
文科省が公開している1キロ100ベクレル(正式には110μS/h)を超えるものを扱った場合の罰則を文科省の図をそのまま示しておきます。
 

Bdcam_20110429_093218382
 
このように「福島原発以前」なら、北九州市長も島田市長も懲役か罰金になる可能性のある行為ということになります。今朝、テレビを見ていましたら、「瓦礫の搬出に反対する人は論理的ではない」との発言がありましたが、その理由は「測定しているから」ということですが、測定値を見ると「法律違反」ですから、「お上が測定しているから、庶民は文句を言うな」というのでは封建主義のようなものです。
 
瓦礫を引きうけるとその土地が汚染されるのは当然で、「東北の人の恩に報いるために、自分たちの子どもを被曝させる」ということですから、まさに「国のために死んでくれ」を連発した戦争前に戻ったようです。
 
なお、福島のお母さんは「自分たちの苦しみを他県のお母さんに経験させたくない」と瓦礫の搬出に反対しています。誰のために、何のためにやっているのか、市長の腹の中が見えるようです。
 

 

 
(平成24525日)
 

武田邦彦

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武田邦彦『原発再開の最低条件(5) 国民の合意』

武田先生のご病気、心配していましたが、また、ブログを再開して下さったようで何よりです。
以下、武田先生のブログより。
 
 

原発再開の最低条件(5) 国民の合意


 


 
体調管理に失敗し、皆様にご心配をおかけしました。まだ本格的ではありませんが、今日から助走に入りたいと思っています。ところで、臥している間に北九州で瓦礫の焼却がはじまりました。日本人にとってこの事件は深い傷になるでしょう。
 
事故の前、少し乱暴な言い方ですが、「安全な原発を目指そう」という人はほとんど見られず、「どうしても原発を運転する」という人たちと、「どうしても原発を阻止する」という人たちのいがみ合いでした。事故の後も同じような感じです。
 
私は「原発は安全でなければダメになってしまうから、推進派も反対派も同じはずだ」という立場でしたが、事故前も少数派、今でも少数派です。
 
なぜ、同じ日本列島に住んでいるのですから、他人の意見を尊重して話し合いのテーブルに着かないのでしょうか? かつての推進派の考えは「どうせ、反対派と話しても意味が無い。なんでも反対だし、もともと科学のことなどわからないのだから。原発が安全だということがわからないし、日本の国際競争力がどんなものかもわかっていない」ということで、政府要人、東大教授、原発関係者などがこのような考えでした。
 
でも、この考えの中で、1)原発が安全だ、ということと、2)もともと国際的には日本の電力は高いので考え直さなければならない、という点について、今回の事件で主張出来なくなったのです。ですから、推進派の人は「反対派は科学がわからない」という考えを少し後退させて話し合いのテーブルに着く必要があるでしょう。
 
一方、反対派の中で「原発が安全かどうか考える必要は無い。もともと核エネルギーを人類が利用する自体が誤りだ」というということを強く言う人がいますが、それは少し後退できないでしょうか? 
 
人間は原始人から見ると「やってはいけない」ことを次々とやってきました。空を飛ぶヒコーキ、人間が箱の中で歌うテレビ、どこでも人の声が聞こえる携帯電話、人間の体に若干の影響を及ぼす電子レンジ、自然の水ではなく塩素を入れて殺菌する水道、食料の6割を輸入してそのうちの半分を捨てる日本人・・・一つ一つを採ってみると「そんなことしないほうが良いのに」と思うものでも、全体として必要なものとして受け入れてきました。
 
もちろん、これらのものは人間の文明を破壊する可能性もありますが、大きくは日本人が合意して日常生活に取り入れているものです。反対もありますが、民主主義ですから全体で合意して、部分的には手当をするという感じです。
 
ところが原発については、「最初に結論ありき」で対立するものですから、有意義な対話ができません。でも、民主主義というのは、お互いの「違い」について「同意する」のではなく「違いがあることを認める」ことから始めて、「どこが違うのか」を確認し、「それが克服できるものか」を議論し、「克服できなければ多数派の意見を取り入れるが、少数派にも配慮する」というプロセスを守ることです。
 
2010年だったと思いますが、私は原子力委員会の研究開発部会で「原子力関係者は原発が安全だと思っているが、国民の多くが危険だと思っているのだから、「危険だ」という立場で研究費を出したらどうか」と発言したことがあります。この発言は採用されませんでした。
 
日本にはまだ「自分と違う考えがある」ということ自体を認める習慣がないように思います。原子力委員会は原発推進(原子力利用)の立場ですが、原発が危険であれば推進できず、国民の不安を取り除くことが大切だからです。
 
私の提案に対して、委員長が「広報活動をやります」とお答えになったので、私は「広報活動ではありません。私たちが原発は危険だという前提に立つのです」と説明しましたが、理解されることはありませんでした。「原発は危険だ」というのは「科学」ではなく「思想」の問題とされたのです。
 
・・・・・・・・・
いろいろな反論があると思いますが、今回の原発事故は私たち大人が「我を張っている」間に原発が爆発し、その被曝は子ども達が受けています。今回の北九州における瓦礫(低レベル廃棄物)の焼却は、その狂気が続いていることを示しています。
 
素直に考えれば、放射性物質で汚染されている瓦礫を東北から遙か九州に運び、そこで焼却するなどということは考えられません。私の知っている東北の人は震災の被害でも他の地域や国から多くの援助をいただいたことに感謝しています。原発も自分たちが受け入れたことは間違いないので、それについての判断に責任を持とうとされています。
 
決して、東北の人が他の地域に被害を与えようとしているのではないと私は思うのです。この際、東北の人から「他の地域の人がいやがっているのだから、自分たちで処理する」と言ってください。
 
九州に瓦礫を運んだ第一の理由は、政府のメンツ、第二の理由は九州にお金が行ったということと思います。この二つははたして日本の将来を明るくするものなのでしょうか? 私は瓦礫を運搬するのに携わった「瓦礫運搬派」の人にもう一度、考えてもらい、九州にも汚染を心配している人がいて、その人達は「考えが足りない人たちではない」と思ってもらいたいと願います。
 

 

 
(平成24524日)
 

武田邦彦

                           ・・・以上・・・
 
「自由・平等・博愛」といった民主主義社会の原則が成り立つためには、他者の中に自分を見ようとする意識が必要で、そのことによって寛容な精神が生まれ、個人個人の多様性を認める社会が実現できる、とフランス在住の方から最近教えて頂きました。
 
日本では、偏狭な経済(利権)優先の考え方が、危険な原発社会を生みだし、深刻な事故を引き起こしてしまいましたが、これから、脱原発社会に転換していくためには、日本を公正な議論が可能な、多様性を肯定する社会に変革していく必要があるのでは、と思います。
 

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武田先生のご病気は腎臓結石とのこと。

武田先生は昨日の講演を中止されたようで、心配しておりましたが、岩上さんの情報で、腎臓結石とのことです。
順調な回復をお祈りします。
 
今、武田邦彦さんと携帯で直接、連絡がつきました。ご本人、お元気そうな声でしたが、これは痛み止めが効いているからで、タイミングが異なると電話に出られなかっただろう、とのこと。腎臓結石だそうです。発作が出ると、痛みを伴うので、今日の講演は中止のやむなきに至ったと。
東京での講演でしたが、中止の判断を下して、発作が収まっている間に名古屋のご自宅にお帰りになり、現在は、静養中。石が出るかどうかが勝負だが、なかなか出なかったり、腎臓が腫れてきたりした場合は、手術になる可能性もあるそうです。一週間くらいは静養が続くと思われる、とのことです。

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