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トマス・H・クック「緋色の記憶」

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この人は、もっと読まなくてはと思いながら、今現在で読んだのは本書一冊きりである。

老弁護士が回想する70年前の事件。

ニューイングランドの小さな町にやってきた美しい女教師が巻き起こした波紋「チャタム校事件」。

幼き日々を振り返り、やがて到達する恐ろしい真相。

ステレオタイプの話なのだが、ぐいぐい引き込まれる。

読後しばし余韻にひたる馥郁たる香りがあった。鴻巣友季子さんの仕事は賞賛に値する。名訳だ。

原文の詩情に直接ふれる事はできないが、クックの文章を少しは理解した気がした。

過去の出来事を振り返るというのは、その出来事が衝撃的であればあるほど封印を解くという忌まわし

い作業が伴うので、真相に近づくにつれ鼓動がはやくなってくる。

だが、クックは抑えた筆勢で静かにそして丹念に物語を綴ってゆく。

ラストでも、よくあるように同時進行のカットバックを使ったりせず、真正面から事の真相に近づいてゆ

く。ああ、こういう書き方もあるんだな、と思った。

小説の醍醐味を味わった。文庫で、こんなに素晴らしい作品を読めるとは幸せなことである。

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この時期、結構まとめて出版されましたよね。追うのが大変で、なかなか追いつかなかった記憶があります。どれもかなりの佳作揃いでした。文庫で読める、というのが特に嬉しかったですね。

2005/12/22(木) 午前 0:37 古本蒐集者

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あっ、iizukaさんはクックの作品結構読まれてるんですね。いやあ、そうなんですよ。最初は女シリーズみたいなタイトルばかりであまり気にしてなかったんですが、この記憶シリーズになってから俄然興味がわいてきたんですが、刊行ペースがはやくて並走する気力が萎えてしまいました(笑)。

2005/12/22(木) 午前 1:01 ベック

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絶賛ですね^^
お仲間さんにこの作家さんの本を数冊お譲りいただける事になったので、頑張って読み続けます^^女シリーズは全然食指が動きませんよね^^;

2010/5/3(月) 午前 0:30 ゆきあや

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そうなんですか、ゆきあやさん^^。でもね最初期の作品で「熱い街で死んだ少女」ってのは結構評判良かったですよ。ぼくも読まなきゃいけませんね^^。でも、なかなか読めないんだなぁ。

2010/5/3(月) 午前 10:45 ベック

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緋色の記憶/The Chatham School Affair  (ねこ3.5匹)

トマス・H・クック著。文春文庫。 ある夏、コッド岬の小さな村のバス停に、緋色のブラウスを着たひとりの女性が降り立った―そこから悲劇は始まった。美しい新任教師が同僚を愛してしまったことからやがて起こる“チャタム校事件”。老弁護士が幼き日々への懐旧をこめて回想する恐ろしい冬の真相とは?精緻な美しさで語られる1997年度MWA最優秀長編賞受賞作。(裏表紙引用) 初めてのトマス・H・クック。自分としてはかなりの挑戦だと思うのだが。 実は先日、ゆきあやをよく知るお仲間さんに「ゆきあ

2010/5/3(月) 午前 0:28 [ すべてが猫になる ]

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