大正ローマンス
妹か恋人か
忠 四便
愛する妹の美枝ちゃんへ
先日は御懇切なる、御慰めの御手紙下され、誠にうれしく拝見致しました。種々細々と御通信下され、極楽へでも遊ぶ様な気持ちで、読みおわるのを惜しみながら、幾度も繰りかへし読みました。着き次第、直ぐ御手紙を出す様にとの御話でしたが、私の性分として、気が向かなければ何日経っても筆を採りません。そのかわり、書き出すと乱筆ながら何枚も続けます。
昨日は、非常に元気よく当地へ帰りました、皆驚いておりました。私は、精神作用の偉大なのに驚きました、もう大丈夫です。私の気、死んで居る心はよみがへりました。永い間曇って居る空が、久しぶりで晴れて、太陽が西の空に、最後の光を放ちはじめた時、私の心は、幸福な未来を見出した様に晴々して来ました。何といふなつかしい太陽の光だろう、本当になつかしい。若しも明日からほんとうに晴れた
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