ラインの話が出たので、もう少し突っ込んだ話をしてみよう。
最近、バスのトップウォーターの世界でもPEラインにリーダーを組むのが流行っているようだ。
しかし、これにはかなりの疑問を持っている。
そもそもラインシステムとは何のために存在するのだろうか?
あんな難しい結び方をする必要がなぜあるのだろうか?
ラインスステムはライトゲームという概念からスタートしている。
糸は結ぶと、その結び目は弱くなる。
今度発売するエアロフロートで結び目の強度(結束強度)は70%前後である。
では、他のラインも同じような結束強であると仮定して考えてみよう。
メインラインに20lbのナイロンラインを使ったとき、ルアーとラインの結び目は、14lbほどしか出ない。
これは損した気分だ。せっかく20lbのラインを使っているのにマックスまでその力をつかえていない。
では、100%の力がでる結び方を考えると良いのだが、残念ながらそのような結び方は開発されていない。
いい線までいっている結び方もあるのだが、使っていくうちに結び目は劣化し、弱くなっていく。
これはしようがないことなのである。
であれば、先端(ルアーとの結束部分)だけ強い糸があればいい。
投げ釣りの"力糸”がこれに相当する。
先端に向かってテーパーで太くなっていく(強度が上がっていく)このラインであれば、
結び目の強度がメインライン部分の強度を超えることは可能だ。
トローリングのように根擦れを想定しなくてよい釣りであれば、メインラインの強度にリールのドラグを
設定すれば、理論上、どんな大物がかかろうと、ラインはリールから引き出され、ラインは切れることがない。
"力糸”がなかったころは、力糸の代わりにビニミツイストや三つ編みといったノットを使って、
ラインを太くし(強度上げ)さらにリーダーと結び先端を強くする方法をとっていた。
(と言うより、力糸は途中でラインを切ると、残りは死糸となるため、ルアーの世界では普及していない。
今でも、ビニミツイスト、三つ編みが主流である。)
つまり、ラインシステムの本来の目的は、メインラインの強度を逃がさないためのシステムであり、
根擦れ対策云々は後付でしかない。
と、ここまで文章で書いたが、わかりにくいので画像で説明すると。
リールには30lbナイロンラインを巻いている(今時こんなことはないと思うが…)
(まぁ、一世代前のトレバリーのキャスティングはこんなシステムだった、ということで…)
ビニミツイストによりラインをダブルにする→つまりダブルライン部分は60lbとなる。
ビニミツイストは結んでいるのではなく、摩擦で止めているのでここでの強度低下はない。
つまりビニミツイストを挟んでラインの強度は30lbから60lbに上がっている。
このままルアーにダブルライン部分で結んでもいいのだが、ダブルラインよりも単線の方が作業効率も良く
何かと便利なので、フィッシャーマンズノットでリーダーと結ぶ。
リーダーは130lb、ダブルラインは60lb、糸は結ぶものの太さに差があると強度がでにくい。
仮に結束強度が60%としても、フッシャーマンズノット部分の強度は36lb。まだメインラインより強い。
さらにリーダーとルアーの結束が60%としても、結束部分は78lb。
メインラインよりも余裕で強い。
となれば、リールのドラグテンションをメインラインの40%(12lb)でセットしても、
理論上、ラインは切れない。ちなみにこれは、原チャリに引っ張られるくらいのテンションだろう(冗談だ)
これがラインシステムの真意である。
リーダーをメインラインの2倍から3倍の強度のものを使うことにより、
結束による強度低下のロスをなくすのである。
なんともスマートな考え方ではないか。これを考え付いた人は素晴らしいと、毎回感心してしまう。
では、PEラインの場合はどうだろうか。
PEライン自体、ナイロンラインに比べ、引っ張り強度が非常に強いため、問題を少しややこしくしている。
しかし、ラインシステムの意味を良く考えてみると、答えはシンプルだ。
上記画像と同じような強度となるよう、ラインシステムを組んでみると、
PEラインは30lb。リーダーはナイロン130lb。結合にはFGノットを使った。
FGノットは摩擦系のノットの中では最高の部類に入り、ほぼ100%の結束強度がでる。
(ただし、締め込みに失敗がないことが前提となる!)
PEラインの30lbとなれば、太さ的には2.5号くらい。
ナイロンライン30lbが8号くらいなので、格段にラインを細くできた。しかも強度は同じである。
ただし、PEラインは伸びが2〜3%しかないので、ドラグテンションはやや余裕を持たせた方が良いとされている。
そのためドラグテンションはメインラインの20%程度、30lbなら6lbくらいがいいとされるが、
それではテンションが弱いので、ライン自体を太くし、もう少し強度を上げることが多い。
つまり、この仕様であればPEラインを5号(60lb相当)にしても良いだろう。
それでもナイロンライン30lbの時よりもライン自体は細いので、ルアーは良く飛び、感度も良い。
さてさて、話が遠回りしたが、バスのトップウォーターでラインシステムを組んでいる人の
パターンを見てみた。
メインラインにPEライン40lbまたは50lb、
FGノットによりナイロンライン20lbのリーダーというパターンが多いようだ。
よく考えてみよう…。
PEラインの結束強度はナイロンラインより劣るが、ナイロンライン20lbをリーダーとした方が、
PEライン直結よりも結束強度は落ちている。
ナイロンラインが透明のため、クリアーウォーターではリーダーを取った方が、バイトチャンスが多い。
ナイロンラインは表面が滑らかなため、PEラインのような水切り音がでずに、バイトチャンスが多い。
この2点がリーダーを使う理由のようだが、
もう一度よく考えてみよう。
ラインの太さ的には、
PEラインは3号〜5号と言ったところか、リーダーのナイロンラインは4号〜5号といったところだろう。
太さ的にも、ほぼ変わりがない。
根擦れに対しては、太さはほぼ同じなので、ほぼ変わりがない。
では、こんなややこしいシステムを組まずに、ナイロンライン20lbをリールに巻き、
直接ルアーに結んだ方が良くないだろうか?
リーダーにナイロンラインの40lbを使う。
あるいは、メインのPEラインを20lb程度まで落とす。
こうすれば、ラインシステムを組む優位性が出てくる。
現状のシステム(PEライン40lb〜50lb + ナイロンリーダー20lb)であれば、
PEラインをメインラインとする利点はPEラインが劣化しにくい(長持ちする)という部分以外、
思いつかないのだが、いかがだろうか?
レッド・ツェッペリンのベース/キーボードだったジョン・ポール・ジョーンズのソロアルバムからの1曲。
ツェッペリンではジミー・ペイジが曲作りをしていたというイメージが強いが、
こいった曲を聞くと、ジョン・ポール・ジョーンズの方が、ツェッペリンらしく思える。
物事の本質って意外にこんなものなのかもね。