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海鳴りのはるけき芒折りにけり 木下夕爾(きのした・ゆうじ)
(うみなりの はるけきすすき おりにけり)
木下夕爾は詩人であるが、俳句にも非凡な才能を発揮した。
春昼のすぐに鳴りやむオルゴール
(しゅんちゅうの すぐになりやむ オルゴール)
水ぐるまひかりやまずよ蕗の薹
(みずぐるま ひかりやまずよ ふきのとう)
家々や菜の花いろの燈をともし
(いえいえや なのはないろの ひをともし)
などがある。
大正三年広島の生まれ。
『定本木下夕爾詩集』で読売文学賞を受賞。
俳句は久保田万太郎(くぼた・まんたろう)の「春燈」に投句。
句集に『遠雷』がある。
昭和四〇年没。
「はるけき」とは遥かなという意味。
この句には、作者の思いやメッセージなどは込められていない。
しかし、海鳴りの中に佇む作者の「心持」のようなものが感じられる。
海鳴りと呼応するかのような穏やかで、澄んだ、「はるけき」思いだ。
遠くから聞こえてくる海鳴りの中、芒がたおやかに揺れている。
その芒を戯れに折ってみたのである。
手に持つ芒も辺りの芒も変わらず揺れ続けている。
そして海鳴りの深い静けさも変わらぬままである。
心に満ち溢れるような海の奏でる音に身を任せているのである。
このような感性は、やはり詩人らしい、瑞々しさであろう。
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木下夕爾もそうですが、三好達治や室生犀星などの詩人の俳句も好きです。
2007/5/11(金) 午後 9:49
詩人や文人俳句は微妙に俳人の作とは違う味わいがありますね。
2007/5/11(金) 午後 10:18
芒折にけり・・・の措辞にかすかな心の動きを感じます。
2007/5/12(土) 午前 9:04
SAKIさん 名鑑賞です。
2007/5/12(土) 午後 9:51