林誠司 俳句オデッセイ

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原石鼎について

秋風や模様の違ふ皿二つ    原 石鼎(はら・せきてい)

(あきかぜや もようのちがう さらふたつ)


以前、取り上げた石鼎の名句である。

http://blogs.yahoo.co.jp/seijihaiku/21048558.html

先日、原和子先生とお会いした時、この句についていろいろお話させていただいた。

和子先生は「鹿火屋」主宰で、原石鼎より数えて四代目の主宰に当たる。
原石鼎の息子である原裕氏の奥様であり、裕氏没後、「鹿火屋」主宰を務めておられる。

前のブログで、私は、この句はある女性との駆け落ち後の暮らしであるらしいと書いた。

そのことを訪ねてみると、和子先生は「そうですよ」とお答えになった。

石鼎には、この駆け落ち事件にも他にも何人かの女性との浮名があったらしい。
そして、この駆け落ちは人妻、お寺の奥さんとの駆け落ちであったようだ。

石鼎は大変な美男子だったらしい。
とにかく女性にモテて、どちらかというと、女性の方が石鼎に熱を上げることが多かったという。

私は以前から、この句には何かが欠けていると思っていた。
それは駆け落ちしたにしては、恋愛の情熱らしきものが全く見られないことであった。

どこかに倦怠感というか、この暮らしを続けてゆくことへの絶望が見え隠れするのである。

そう考えると、この駆け落ちに石鼎は積極的ではなく、むしろ女性にせがまれて仕方なくしたような感じがしますね。

と私が言うと、原先生は先日、広瀬直人さんが、この句について、

模様の違う皿は、石鼎と女性との心模様というよりは、石鼎自身の心の葛藤ではないか

と述べられ、それがとてもしっくりきました、と話しをされた。


この句は写生に徹することにより、自分の心模様を描いた一句と言えるのであろう。
長い間の疑問が晴れたような思いがした。

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この句の人間模様など全く知らなくて、好きな句でした・・・そしてこれを拝読して、ますます「秋風や」が効いてるなと・・・。

秋風や模様の違ふ皿二つ 原 石鼎 削除

2008/6/29(日) 午前 9:33 [ ]

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皿の模様に、心情が託されていると?なるほど、そう考えるとよく理解できそうです。それにしても、浮名の一つや二つ流してみたいものですね。

2008/6/29(日) 午前 10:26 [ ]

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名句というのは沢山の鑑賞者の胸にすっと入りますが、それが深まるためには名鑑賞・名解説が必要ということがよく解ります。
ありがとうございました。

2008/6/29(日) 午前 11:16 y_m**ato*11

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この句は、なるほど心に沁みてくる句ではありますが。
訳が分らないというか、意味不明というか、情緒なしというか。
ものが語りえる限界の感情が、ひとのこころを打つのでしょうね。
この句ひとつに込められた苦悩を思わざるを得ません。
勉強になりますね。ありがとうございました。

2008/6/29(日) 午後 9:22 大介

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背景がわからないまま、物理的情景でなんとなくひかれる句でした。模様の違う皿と、秋風の取り合わせを好ましく感じていました。
こんな、事実を知るとより、句が深く感じられます。

2008/6/29(日) 午後 11:16 金目鯛

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この句の内包しているものがよく分かりました。
どんなお皿か想像するのも楽しいですね。
わたしなら富本憲吉の絵皿でしょうか。

良き解説を有難うございました。

2008/6/30(月) 午前 8:41 Deko

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