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平成万葉歌仙(十一)「尾花散りゆく」の巻(その十六)

平成万葉歌仙(十一)「尾花散りゆく」の巻(その十六)

起首 二〇〇八年十月二十六 日
満尾 二〇〇八年 月    日

草枕 旅の憂へを 慰もる こともありやと
筑波嶺に 登りて見れば 尾花散る 
信筑(しつく)の田居に 雁がねも 寒く来鳴きぬ 
新治の 鳥羽の淡海も 秋風に 白波立ちぬ 
筑波嶺の よけくを見れば 長き日に 
思ひ積み来し 憂へはやみぬ (高橋虫麻呂)

発句 白波に尾花散りゆく旅愁かな   宣長 秋
脇   稲妻光りジャイアンツ勝つ   不遜 秋
第三 月の虎トンビに油揚げ浚われて  宣  秋月
四   「ひふみよいむ」と蹴鞠の稽古 不  雑
五  誰が罪か暴落株の体たらく     宣   雑
六   山椒魚はオロオロしたり     不  夏  

一  ネオン揺れ心も揺れる原爆忌   宣   夏
二   唐紅の落語一席        不   雑
三  ハイッ石投じたはずが宙に舞う  宣  雑
四   虫麻呂さんは駆落ちしたか    不  雑
五  しがらみの真間を捨てゆく永久の恋 宣 恋
六   葛飾・市川・赤いハンケチ    不 恋
七  巡礼の衣装調ひ春隣        宣 冬
八   鳴け寒苦鳥月は頭上ぞ      不 冬月
九  旦那様帰巣本能ふと狂ひ      宣 雑
十   帰る日もある歌って耐えよう    不 雑
十一 爪弾くやかはたれ時の花吹雪    宣 春花
十二  からこんからこんのどかなる音  不 春
ナオ
一  不二の峯の卯月の雪の輝けり    不 春
二   盛り沢山で顰蹙を買う      宣 雑
三  目につくや悪人顔のビラばかり   不 雑
四    終着駅は旅の始まり       宣 旅
五  夢はるか知らない海の北の果て   不 旅
六    ピリカ笑えど君を抱きしむ    宣 旅恋
七  晴れやかな若狭小浜の恋模様     不 旅恋
八   夏の夜の夢アモーレアモーレ    宣 夏恋
九  俗信のいもりの黒焼きふりかけよ  不 夏恋
十   ご存じの謡起承転結       宣 雑
十一 新米を炊く夜の月の輝きを     不 秋月
十二  猪鹿田を守る番小屋の夢     宣 秋
ナウ
一  万葉のひねひねの語のそぞろ寒   不 秋
二   命あるものみんな兄弟      宣 雑
三  鶏が鳴く東への旅近づきぬ     宣 雑
四   勇者ライディーン胡沙来る    不 春
五 宣 春花
六 不 春


(讃岐通信)

ナウ
一  万葉のひねひねの語のそぞろ寒   不 秋
二   命あるものみんな兄弟      宣 雑
三  鶏が鳴く東への旅近づきぬ     宣 雑


 秋が深まるにつれて、冷気の感触も涼しさから次第に寒さに変わっていく。
「そぞろ寒」 うそうそと寒く、覚えず心に受けとめられるような寒さ。気温十七・八度以下。「冷 やか」よりもやや強く身に覚える寒さ。「秋寒」とほぼ同義。仲秋から晩秋の季語。すずろ寒とも。    
  そぞろ寒鶏の骨打つ台所      寺田 寅彦
  捨て猫になさけをかけてそぞろ寒  小野久美子


  鶏が鳴く東の国に古へにありけることと今までに絶えず言ひける…(巻9ー1807)

  息の緒に我が思ふ君は鶏が鳴く東の坂を今日か越ゆらむ (巻12ー3194)

  鶏が鳴く東をさしてふさへしに行かむと思へどよしもさねなし (巻18ー4131)

(下野通信)

二   命あるものみんな兄弟      宣 雑
三  鶏が鳴く東への旅近づきぬ     宣 雑
四   勇者ライディーン胡沙来る    不 春


http://www.asahi-net.or.jp/~SG2H-ymst/yamatouta/sennin/musi_ta.html

四年壬申、藤原宇合卿の西海道節度使に遣はさるる時、高橋連虫麻呂の作る歌一首 并せて短歌

白雲の 龍田の山の 露霜に 色づく時に 打ち越えて 旅行く君は 五百重(いほへ)山 い行きさくみ 賊(あた)守る 筑紫に至り 山の極(そき) 野の極見よと 伴の部(べ)を 班(あが)ち遣はし 山彦の 答へむ極み 蟾蜍(たにぐく)の さ渡る極み 国形を 見(め)したまひて 冬こもり 春さりゆかば 飛ぶ鳥の 早く来まさね 龍田道の 岡辺の道に 紅躑躅(につつじ)の にほはむ時の 桜花 咲きなむ時に 山たづの 迎へ参(ま)ゐ出む 君が来まさば(6-971)

【通釈】白雲の立つ龍田山の木々が露霜によって色づく頃、その山を越えて遠い旅を行くあなたは、幾重も重なる山を踏み分けて進み、国防のかなめ筑紫に至り、山の果て、野の果てまで視察せよと、配下の者達を各地に派遣し、山彦の応じる声が届く限り、蟾蜍(ひきがえる)が這い回る限り、国のありさまを御覧になって、春になったら、空飛ぶ鳥のように早く帰っていらっしゃい。龍田道の岡辺の道に、紅の躑躅が映える時、桜の花が咲く時に、私はお迎えに参りましょう。あなたが帰って来られるならば。

【語釈】◇四年壬申 天平四年(732)。この年八月、藤原宇合は西海道節度使に任命された。◇白雲の 「立つ」から「龍田」にかかる枕詞。◇龍田の山 奈良県生駒郡三郷町の龍田大社背後の山。大和から河内・摂津方面へ向かうには、生駒越えと共に龍田越えがよく利用された。◇五百重山 い行きさくみ 幾重にも重なる山を踏み越え。◇賊守る 外敵を見張る。「筑紫」の枕詞のように用いられる。◇伴の部 配下の者達。◇蟾蜍のさ渡る極み ひきがえるの這い回る限り。一郡程度の範囲を指すかという。◇冬こもり 「春」の枕詞。


三室山と大和川 奈良県生駒郡三郷町。「龍田山」はこの辺りの山を指すと思われる。

反歌

千万(ちよろづ)の軍(いくさ)なりとも言挙げせず取りて来(き)ぬべき男(をとこ)とぞ思ふ(6-0972)

【通釈】たとえ相手が千万の兵であろうとも、あなたはとやかく言わずに討ち取って来るに違いない、そんな勇猛な男子であると思いますよ。

(勇者ライディーン)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%87%E8%80%85%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3

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ナウ 一  万葉のひねひねの語のそぞろ寒   不 秋 二   命あるものみんな兄弟      宣 雑 三  鶏が鳴く東への旅近づきぬ     宣 雑 四   勇者ライディーン胡沙来る    不 春 五  今ライブここを先途と花吹雪    宣 春花 (讃岐

2008/11/10(月) 午後 6:42 [ 瀬戸内の地域文学 ]

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