3、発達障害児童に対する注意事項
近年、「発達障害」と言う言葉を聞く機会が増えたが、元学校支援員によれば普通学級にいる割合は、約6%で、クラスに2〜3人は居る状態であり、これが各学年3クラスある小学校では36~54人と、学校内に1クラス以上分の発達障害児が居る計算になり、疎開に際しても、無視が出来ない問題である。
以下、配慮事項。
◆なるべくコミュニティを分断させない
子どもたちにとっては、心を開いている友人・先生が傍にいるというだけでもメンタル面に与える安心感は大きい。
特に発達に気がかりなところがある子ども(発達障害を持っている子)は1人1人それぞれ特性が違うので、把握している教師の引率が望ましい。
■ 上記が適わない場合は、引継ぎをサポートブック等で行う
http://support-book.jp/
本来発達障害を持つ子どもには、1人1人の特性に合わせた 「個別指導計画書」が作られているがそれが失われている場合が殆どと想定してWeb上で無料で公開されているサポートブックなどを使って配慮した方いい点等の引継ぎを行う。
◆プライバシー重視
障害を持った子は、環境の変化にナイーブで、共同生活が苦手な子どもが多い。(今現在も、上記の理由から避難所では生活せず、自宅や車での生活を余儀なくされている人が殆ど)
生活の場は、障害を持った子たちで、別枠に設けてあげた方がいい。
■ 環境の変化は最小限にとどめる
発達障害をもつ子どもは環境の変化に対してナイーブな子どもが多い。
転居、転入により環境が一度に変わってしまうと、気持ちが不安定になり、不適応を起こすリスクも考えられる。
できるだけ精神的に安定できるよう、これまでの担任、療育機関の担当支援者など慣れた人が引き続きそばにいることが望ましい。それが叶わない場合は、これまで趣味でやっていたお稽古事、好きなゲームなどを継続させ、本人の生活スタイルをできるだけ変えないよう周囲が配慮することが必要である。
■ 余暇活動の保障
前述したとおり、変化に順応することが難しい発達障害の子どもについては、生活スタイルをできるだけ変えない工夫が必要である。
しかし、非常時にはどうしても余暇活動が後回しにされてしまい、本人のストレス発散の場がなくなってしまい、不安が強まったり、パニックを起こしやすくなったり、二次的な障害につながるリスクも高くなる。
疎開してくる親は「贅沢だから…」「無理は言えない」と遠慮する可能性もあるが、発達障害の子どもにとって余暇活動は、不安を軽減し、二次障害を予防するために重要である。
■ 保護者に対する情報提供
疎開先の情報がないまま、障害をもつ子の家族が新しい生活をスタートさせることは非常にに困難であることが予想される。疎開を考える保護者に対しては、療育機関、医療機関、学校の状況などについて、事前の情報提供が必須。 また、各機関につなぐコーディネーターも必要。
◆保護者の生活保障
障害を持った子は特に、保護者の支援が必須。
分離して考えることは出来ないので、一緒に疎開する保護者の生活の保障が大事。
■ 保護者の生活支援
転居直後は、家の片付け、各種手続きなどがあり、保護者にも大きな負担がかかることが想像できる。保護者が多忙をきわめると、ただでさえも通常よりも丁寧さが求められる発達障害の子育ては、より困難となる。ホームヘルプ等により、保護者の負担を軽減し、生活にゆとりをもたす支援が必要。
■ 感覚過敏への対応
発達障害をもつ子の中には、聴覚、嗅覚などが過敏だったり、化学物質が苦手だったり、さまざまな感覚の課題を抱える子どもがいる。たとえば田舎から急に都会に転居した場合、騒音、公害などに対して過剰に反応し、不適応を起こす子どもがいる場合も考えられる。
また、保護者に十分な知識がなかった場合、不適切な転居先を選んでしまったり、本人が感覚的な課題によって不適応を起こしていることに気づかないケースがあるかもしれない。感覚的な課題を視野に入れて、疎開のサポートを行うことも重要である。
■・スクールカウンセラー、特別支援教育支援員など学校内だけでなく必要があれば医療機関や福祉機関と連携してサポートにあたる
■ NPO団体等の活用
行政より、NPO団体や親の会、ピアサポート(同じような立場の人によるサポート)の会 などの方が、動きも早いし人脈もあるし、支援の必要性も痛感しているので行政を通さず、直接これらの団体に疎開先等の働きかけをする。
本項は、カウンセラー・元特別支援教育支援員よりの提言を転載した。政治、行政面では実施面で非常に難しい面ではあると思うが、参考には十分値する意見として掲載した。