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愛国心のあり方福澤諭吉「学問のすすめ」第三編・”愛国心のあり方”抜粋
「わが日本でも、今日の状態では、西洋諸国の豊かさ強さにはおよばないところもあるけれども、一国の権理ということでは、少しも違いはない。道理に背いた非道なことをされた場合には世界中を敵に回しても恐れることはない。「日本中のみなが命を投げ出しても国の威厳を保つ」というのはこの場合のことだ。」
「道理がある相手とは交際し、道理がない相手はこれを打ち払うまでのこと。一身独立して一国独立する、とはこのことを言うのだ。」
「いったん外国との戦争となった場合、その不都合なことを考えてみたらよい。知恵も力もない国民が、自国を裏切ることはまあないにしても「われわれはお客さんだからな。命まで捨てるのはさすがにやりすぎだよな」といって逃げてしまう者が多く出るだろう。そうなると、この国の人口は名目上は百万人と言っても、国を守るという段階では、その人数ははなはだ少なく、とても一国の独立など保てない。」
「イギリス人はイギリスを自分の国と思い、日本人は日本を自分の国だと思う。自分の国の土地は、他国のものではなく、自分の国の人間のものなのだから、自分の国を思うことは自分の家を思うようにして、国のためには財産だけでなく、命を投げ出しても惜しむに足らない。これが、つまり「報国の大義」である。」
「国家の政治を運営するのは政府で、その支配を受けるのは人民なのだが、これはただ便宜的にそれぞれの持ち場を分けているだけの話。一国全体の面目にかかわることとなれば、国民が、国を政府にのみまかせて、これを側で見物しているだけというのでは道理が通らない。日本の誰、イギリスの誰、といったように肩書に国の名前がついているのであれば、その国に住み、起きて寝て食べて、といったことは自由にやる権理がある。そしてその権理がある以上、それに対する義務(報告の大義)というのがなければならない。」
「今後、万が一、外国人に日本国内居住・移動の自由を認めた場合、この名目を借りて悪だくみをする人間が出たら、我が国に大きな災いとなるだろう。だから、独立の気概がない国民は扱いやすくて便利、などと言って油断していてはいけないのだ。わざわいは思いもよらないところで起こるものだ。国民に独立の気概が少なければ、それにしたがって、国が売られる危険もますます大きくなるだろう。「人の権威をかさに着て悪事をなす」とはこのことを言ったのである。」
![]() 「今の世に生まれて、いやしくも国を愛する気持ちがあるものは、政府、民間を問わず、まず自分自身が独立するようにつとめ、余力があったら、他人の独立を助けるべきだ。父兄は子弟に独立を教え、教師は生徒に独立をすすめ、士農工商みなが独立して、国を守らなければいけない。」
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