とあるマーケッターが想う事ども

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マーケッターに忍び寄る悪魔のささやき

この不況で、自動車のみならず様々な産業で文字通り「景気の悪い」話が続出している。

こんな時だからこそ、なおさら、コミュニケーションが重要だ。たとえ社長が記者会見で「予想をはるか
に超える売り上げ不振」と言っっていても、広告は今までと同じように、その製品を生活者の(ターゲットの)心の中にそっと埋め込んでいかなければならない。
今だからこそ、広告(ここでは、マス媒体の広告、特にTV)はしっかりとメッセージを伝えなくてはいけない。

ところが。
こういう時に出てくる一つの考えが「せっかく製品Aを広告するんだから、一緒に製品Bも入れちゃおうよ。だって、もったいないじゃん。」という悪魔のささやき。

特に時間の短いTVCMでは、これは全く逆効果なのに、ついつい「限られた予算だし、この経済状況だし、、、」という事で始めてしまう。パターンとしては、営業部門から広告部門への突き上げが一番多いだろう。「ついでにこの製品もCMの最後に一言名前入れてくれ!それで販売店にも話しやすくなるし」って感じだろうか。
この営業の気持ちもよーーーく、分かる。彼らの立場では全く正論だからだ。

でも、考えて欲しい。
わずか15秒のCMの、仮に2秒を他の製品の名前を言うことに使ったらどうなるか。
製品AのCMの最後の最後に「製品Bも、あります!」と言ったら。
高い費用でCMを作り、高い費用で出稿するのは、製品Aを売る為だったはずなのに、時間にして10%以上を他の製品のために使って全体の効果が著しく損なわれてしまう。

そう、肝心の製品Aのメッセージは伝わらず、製品Bの名前も簡単に忘れ去られる。

このパターンにはまってしまっているのが、例えば最近の日産自動車のCMだ。
セレナのCMで家族と過ごす楽しい時間を演出してくれる素敵なワンボックス「セレナ」。かわいい子供たちの表情を通してそう伝えようとしている。
「セレナに乗れば、あなたの家族もこんな風に楽しい時間をすごせますよ」と言っている訳だ。

ところが、その最後の最後に、小さくて画面では車種も判別できない車たちの画像が出てきて「ニッサン プレミアムセレクション」(だったと思う)と一言。

この意味不明の一言で、あの楽しそうな子供たちの笑顔は泡と消え、後に残るのは、「なんか画面のははじっこから、何台もクルマが出てきてたな。何とか、セレクション?」が関の山。何しろもう次のCMが始まっているか、番組に戻っているんである。

最後に一言キャンペーンのお知らせを入れるだけでも同じこと。CubeのCMが今これをやっている。


まずいと思います、とっても。
早くあの最後の2秒間の意味不明のメッセージを止めた方が良いです。

日産は一つの例だ。
他にも、この種のCMや雑誌広告はたくさんある。

マーケッターよ。
これは、譲ってはいけない部分なのだ。

悪魔のささやきは、結局我々の中にある「しょうがないか、今は」という妥協の心から出てくる。
決して、そのささやきに耳を傾けてはいけない。
だってそれは、自分の仕事に自分で傷を付ける事だから。

それよりも、「短期に売上を刺激する方法」に知恵を絞って社内を説得しなければならない。
それこそが、このささやきを聞いた時にマーケッターが考えなければならない事なんである。

お互い、がんばろう、ね。

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