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2010年1月18日
「女子ラーメン部」
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そうですね。 そんな帯の文言にひかれ、思わず手に取った女性も多いだろう。 昨年10月、“女性部員”8人とともに、女性向けラーメンガイド本『女子ラーメン部』(ぶんか社)を 出版した。 【松本きよりさんと女性部員たちが出版して好評の『女子ラーメン部』】 カラフルな無農薬野菜が盛りつけられたタンメンを表紙に持ってくるところからして異色だが、中身も独 自路線。 こだわりポイントは、「カロリー」「店のインテリア」「デザート」など従来は“付録”のように扱われ てきた要素ばかり。 徹底した女性目線で、女性が1人でのれんをくぐれる首都圏の49店舗を紹介した。 「ラーメン店は男性が行く場所」という既成観念を覆し、売り上げは好調だ。 「マニアとまではいかないけれど、女性にも『ラーメン通』は意外と多い。ラーメンは誰でも盛り上が れる話題なんですよ。」 ライターとして音楽や映画の記事を担当する傍ら、商品企画やテレビ・ラジオ番組のプロデュース業に携 わってきた。 10年ほど前にはスノーボードに凝り、雪山にこもった。 趣味では飽きたらず、プロボーダーのビデオを制作。 スノボーに似合う音楽を集めてCDまで作ってしまった。 1年前、編集していたフリーペーパーで「女性の好きなラーメン」を特集したところ、予想以上の反響が あった。 もともと、そんなにラーメン好きではなかった。 しかし、そこから20代後半〜30代のラーメン好きな友人を集め、ブログと連動しながら女性でも行け るラーメン店を探し回った。 激しい生き残り競争が進む業界だけに、調べてみると女性を新たなターゲットに見据える店が多かった。 デザートを出して長居を許したり、従業員の多くが女性だったり、女性客への気配りがみられる店も見つ けた。 「ラーメン部」のヒットを受け、さらに多くの店を紹介した本の出版計画が進んでいる。 ラーメン通からは「どうしてあの店が入っていないの?」と指摘されることも。 でも、「カフェを紹介する感覚で作ったのが今回の本。これまでも素人っぽい感覚を大事にやってきたの で、専門家と闘う気はないんです。」と受け流す。 特別なことをしているつもりはない。 自身の「ひらめき」に敏感で、いつだって自分が好きなものを形にしてきただけだ。 「流行の服も好き。音楽も映画も見る。おいしいものも食べたい。大抵の女性はそうなんじゃないか な。一つのテーマにこだわることが少ない分、しがらみがないから真実が見える。ラーメンの次は、女 子カレー部なんてどうでしょう。」 “素人目線”はすでに、次の「ひらめき」に向かっていた。 【プロフィル】松本きより(まつもと・きより)
長野県松本市出身。大手レコード会社退社後、フリーのライター・プロデューサーとして活動。 スペースインベーダーのコラボ商品企画などを手がけたほか、映画情報誌「strobo」、お出 かけパパ&ママのマッピングサイト「Baby Stage」の編集長なども務める。 |
本屋革命
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引き戸や段違い構造に最初は面食らうが、これが魅力。 いる。 東京・丸の内の丸善本店内4階の一角を占める「松丸本舗」。 丸善が昨年10月、創業140周年を記念し、編集工学研究所所長の松岡正剛さんにプロデュースを依 頼。 段違いの本棚に横積みの本が混じり、新刊と古書と漫画が隣り合う、松岡さんの存在感と遊び心があふれ る本棚だ。 同本舗の客単価は通常の書店の倍額、3千円を超えるという。 松丸本舗に一歩入ると、まず戸惑う。 中規模書店程度の215平方メートル5万冊の空間だが、新刊、ノンフィクション…などこれまでの書店 のジャンル分けは一切無し。 著者別の棚もなく、あるのは読書家で知られる松岡さんの、頭脳を可視化したような「リボンの恋」「過 激なエロス」など独特のテーマ分けに従い連なる本群だ。 古書も7%程度混じり、しかも本棚は日々、変化を遂げる。 「ビジネス街のど真ん中で、いたずらしてやろうと思った。」と話す松岡さんには、来場者の戸惑いこそ が狙いだ。 松丸の基本は、中央にあるらせん状の本棚「本殿」の2万冊。 松岡さんの書評ブログ「千夜千冊」で紹介された本と、そこから派生する本が並び、所々に「キーブッ ク」のカバーが付いた必読書も見える。 その周囲を、季節ごとに変化する特集本(現在のテーマは「日本が変わる」)1万6千冊が囲み、さらに 作家、松本清張の書棚を再現したコーナーも面白い。 全体を貫くのは、松岡さんの「本はもっと遊びたがっている」との考え。 「出版業界は『書物=教養』と本をまつり上げ過ぎた。でもいい本ばかりではないし、トイレや台所に 本があっていい。」 樋口一葉の「たけくらべ」と、萩尾望都(もと)の名作漫画「ポーの一族」が同じ棚に並ぶ独特の空間を 回遊するうち、興味があらぬ方向に向かい、意外な本を手に取ってしまう。 実際、壹岐(いき)直也丸の内本店店長も、 「松丸書店はお客さまの滞在時間が長い。客単価も通常の書店の倍の3千円超。ネット書店ではない、 リアルさを表現したかった。」 と手応えを話す。 だが個性的な本棚作りには手間もかかる。 準備期間に1年以上をかけ、30万冊近いストック本から、丸善と松岡さん主宰の編集工学研究所のスタ ッフ計8人が日々、本棚のメンテナンスに努める。 松岡さんも毎週、閉店後に本棚をチェック。 その痕跡が本棚の落書きや、手書きの推薦本掲示コーナーに現れている。 「本とユーザーには実はすごく距離がある。本棚を面白く演出するアイデアはまだまだある。」(松岡 さん)。 画一的だった書店に、一石を投じる松丸の試み。 3年間の営業予定だが、ユーザーの反応がいいことから、丸善他店での展開も視野に入っているという。 【書店で初めて新譜のCDシングルを発売】 |
SA・PA進化系
語り継ぐ
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思いをつけ次いで、未来へ。 神戸市中央区で鉄板焼き店を営む白石大樹さん(32)は17日を、震災当時から変わらず住む灘区の自 宅で迎えた。 白石さんは15年前、定時制高校3年。 震災で母の桂子さん=当時(46)=を失った。 白石さんは、あの日と、母のことに静かに思いをはせた。 あの日、揺れに飛び起きると、自宅周辺では家やアパートが折り重なって倒れていた。 午前5時過ぎに自転車で新聞配達に出た母は、昼を過ぎても戻らなかった。 避難所にも姿がない。 「もしかして」と、配達ルートを1軒ずつたどった。 最初の家の郵便受けには、母が配った新聞が入っていた。 次の家も、その次も。 数軒目の家は屋根がずり落ちたように倒れ、郵便受けはがれきに埋もれていた。 その隣家には、母が配るはずの新聞がなかった。 「ここしかないやろ。」 素手でがれきを掘った。 指先の感覚がなくなったころ、髪の毛が見えた。 「お母さんや。」 泣きながら掘り出した母の顔は、人形のように白かった。 震災から1年後、学校で開かれた「復興祈念の集い」で生徒代表としてあいさつした。 とても母の死を、乗り越えられないと感じた思いを語ったうえで、 「だけど、乗り越えなくてはいけません。どれだけの時間がかかろうと、乗り越えていこうと思いま す。そうでないと、死んだお母さんに申し訳ないです。この震災で亡くなった人たちの命に申し訳ない です。」 と続けた。 そして、 「新しい神戸を創る仲間の1人になりたいです。僕たちみんなが、新しい神戸と温かい人のつながりを 創っていかなければなりません。」 と誓った。 神戸市の中心街・三宮駅近くに昨年9月、鉄板焼き店を開店したきっかけは料理が得意だった母の味が忘 れられなかったからでもある。 この店は「新しい神戸を創る」と亡き母に誓った言葉の延長にある。 白石さんは母の味とともに、「温かいつながりを創る」という誓いを自分に言い聞かせている。 当時1歳だった長男、将(しょう)君を失った、たかいちづさん(48)=兵庫県西宮市=と、双子の 妹、ゆうさん(16)が17日、震災を語り継ぐイベントに初めて一緒に参加した。 地震と息子を忘れ得ぬ母と、地震も兄の記憶もない娘。 人知れぬ葛藤を乗り越え、それぞれの震災を語る一歩を踏み出した。 たかいさんは、帰省していた西宮市の実家が全壊。 将君だけがタンスの下敷きになって亡くなった。
「息子を助けられなかった自分を責め『闇』ばかりみていた。」
ゆうさんという「光」と向き合うのに3年かかった。不安定な母の心を察してか、幼いゆうさんが「将君と私どっちが死んだらよかった?」と尋ねたことも。 逆に甘やかして煙たがられた時期もあった。 たかいさんは地震や将君のことを伝えるため、本やホームページで命の大切さを語ってきた。 しかし2年ほど前、友人関係に悩むゆうさんが「死にたい。」と口にした。 「一番大事な人に、伝えられていなかった。」とショックを受けた。 「死にたいほど辛くても必ず乗り越えられるよ。」 地震後の自分を重ね、必死に思いを伝えた。 大きな壁を越えて「あのときがあったから今が幸せ。」と話すゆうさんに、 「息子は亡くしたけど、いい人生を生きよう。」と思えた。 ゆうさんは、震災を語る母の活動とは距離を置いてきたが、昨春大阪の高校に進学し「何かしたい。」と 思うようになった。 「みんな1月17日が何の日か知らない。震災を知る世代が途絶えてしまうと思って…。」 17日は、高校生や大学生と震災を考える座談会に2人で参加し、ゆうさんは「若者に震災を伝えるた め、こういうイベントを続けていきたい。」と述べた。 たかいさんは、娘の突然の変化に少し驚きつつ、「私だけでなく、娘なりにいろいろ考えた15年だった んですね。」と、温かい気持ちで見守っている。
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