皮膚科特別診療 〜ご理解いただけた飼主さまに感謝〜
|
みなさん、こんにちは♪ 愛知県豊明市にあります四季の森どうぶつクリニックです♪ ここ最近は我が子ネタばかりで、「このブログは親バカブログか?」と言われそうでしたが、 時にはマジメに動物病院らしい記事も書きたいと思います。 では、久しぶりの皮膚病治療の症例報告になります♪ 今回の症例は、初期の患者さまの中で、最も苦労・・・というか、苦戦して、自分の中でも反省すべき ことも認められた症例でもあります。 以前の症例報告でも簡単にお伝えしていたことですが、治療成績が悪かった症例です。 症例No.5 ミニチュア・ダックスフンド 2歳 男の子 主訴は、「尾、肛門周囲の痒みと赤み」で来院されました。 痒みの部位は一部に限局されており、慢性化した症例でもなく、外観が「膿皮症」であったため 初期治療は非常にシンプルに「抗生物質」と「薬用シャンプー」のみとしました。 普段は1時間半〜2時間かけて「痒み」を引き起こす考えられる原因についてや、基礎疾患である アレルギーのことや、内分泌疾患についてお話するのですが、今回の症例にだけは簡単な説明で 詳しくお話することなく初回の診察を終了しました。 それはやはり「慢性化」がなかったことと、病変部が再発しやすい部位でもなく、アレルギーを疑う 病変でもなかったため、「これで十分治る!」と判断したためです。 ・・・・が!、これが甘かった! 確かに1週間後の2回目は、尾や肛門周辺の痒みはなくなり、病変も消失していました。 ですが、変わりに「左右の前肢の前腕部」と「左後肢の膝下」に痒み・脱毛・湿疹が認められました。 ここから治療やインフォームドが後手後手に回ってしまったイメージがあります。 1.3週目から内服を1種類追加。 2.食事療法を追加 3.痒みの改善がないため、ステロイド投与開始(治療5〜6週目) 4.サプリメント追加 5.薬用シャンプー2種類併用 6.外用薬追加 以下が、そのときの写真です。 4枚目の「治療6週目」はステロイド使用後の皮膚の状態です。 ステロイドの「炎症を抑える」効果は抜群で、痒みも炎症もピタッと治まりました。 このあとステロイドの使用量を減らしていったのですが、痒みの再発が認められたため、 そのまま減量してステロイドの使用を中止しました。 きっと5年くらい前の自分であれは、そこでステロイドを止めることはできなかったと思います。 ズルズルと少ない量だから・・と、安易に使用を続けてしまっていたのではないかと思えます。 そして病変部はさらに増え、「左右の前腕」、「左右の膝下」、「腹部の左側」、「左大腿部外側」、 「足の裏」に「痒み・脱毛・炎症」が認められました。 そして11週目、大きく治療方針を変更し、免疫学的な側面からの治療を行いました。 ここからは格段に治療成績が改善し、12週目からは痒みはほぼ認められませんでした。 被毛も少しずつ改善し、治療22週目に「完治」とさせていただきました。 治療22週目の左前腕の写真になります。 また、左後肢の膝下の経過の写真です。 全身性でもなく、慢性化でもない、ごく限局した部位の病変でしたが、非常に時間がかかってしまった 症例です。 治療の一つ一つが理にかなったものであったとしても、初回の診察時にその治療方針や経過をお伝え できていなかったことが最も反省すべき点でした。 また、初期の治療成績が悪かったにも関わらず、週1回の診察を最後まで欠かさず継続していただいた 飼主さまに感謝しています。 最終結果は「完治」ではありましたが、色々と改善すべきものが多かったです。 今後も「上手く治療できた症例だけを掲載する」ではなく、来院がなくなった症例や治療成績が悪かった 症例も隠さずすべてをお伝えすることで、「四季の森どうぶつクリニックの本当の治療成績」になる と思います♪ では、皮膚科特別診療を受けていただいている症例の経過です♪ ★痒みなく、治療終了して、現在治療継続なしの症例 症例No.3、6、7、8、9、12、15、17、19 ★いい状態まで改善し、現在も治療継続中(症例報告済み) 症例No.1、4 ★現在治療継続中 症例No.10、11、14、16、18、20 このうち、明らかなら痒みが認められるのはNo.11のみ。 痒みがまったくorほぼないのはNo.16、18、20です。 その他は、当院治療前の10分の1〜3程度の軽い痒みが認められるのみ。 ★途中で来院がなくなった症例 症例No.2、13、21(合計3症例) 症例No.21は、経済的な事情から初期から来院がなくなりました。 ご期待にこたえられなかったことは非常に残念に思っています。 当院の特別診療は、ステロイドに頼らないよう、薬のない期間を少しでもできるように、 食事療法やスキンケア、サプリメントを使用しますので一つ一つが負担にならないよう安くしても トータルでどうしてもある程度かかってしまうのが現状です。 また、基礎疾患や根本治療のためにアレルギー検査や内分泌疾患の検査を受けていただく事も多いため 検査だけで何万とかかることもあります。 しっかりと説明させていただき、飼主さまのご了承を得て、実施するようにしています。 この治療成績が、みなさまの参考になって受診のきっかけになればと思います。 では、診察室でお会いしましょう♪
|
