四季の森どうぶつクリニック

開業四年目、耀く飛躍の年にしたい!

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2011年5月5日

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皮膚科特別診療 〜皮膚病から手術まで〜

みなさん、こんにちは♪

愛知県豊明市にあります四季の森どうぶつクリニックです♪



4月の中頃から嵐のような診察ラッシュが続き随分と疲れていましたが、このゴールデンウィークで

1つめのピークが過ぎ去りようやくパソコンの前に座れるようになりました。

この隙をついて再び貯まってきた症例報告を行います。

常に新しい症例の来院と、改善症例があるので全症例掲載はできなくなりつつあります。

飼主さまの目でみてわかりやすい、参考になるような症例を掲載するようにしています。

※それでもおそらく約7〜8割掲載しています。

但し、「治療成績のよいものだけ掲載する」ではありません。

必ず「治療成績のよくなかった事例」も報告します。




【症例】

    柴犬 11歳 女の子

【過去の病歴】

    ☆1年3カ月前に「尾の脱毛」で1件目の動物病院受診、血液検査で肝臓が悪く肝臓のお薬処方、
     この肝臓の薬で調子悪くなり休薬

    ☆1年前、2件目の動物病院を受診し血液検査(アレルギー検査も含む)で「ホルモン異常」と

     診断され、ホルモンの内服治療開始

    ☆症状は強い痒み、腹部を後肢で掻く、尾を噛むといった症状

    ☆痒みに対する対策はなく、内服はホルモン薬単独処方

    ☆1カ月前に内服を中止



では、初診時の状態を写真で見てみましょう。 


イメージ 1



一見普通に見えなくはないです。

では、症状の強い尾の部分。


イメージ 2



脱毛&色素沈着が認められます。

次に痒みが非常に強い腹部。


イメージ 3



ここも皮膚の色素沈着が認められます。

また皮膚が肥厚してシワが顕著になっています。


皮膚科疾患では、いかに「皮膚を診る」か、が大切ですが、病変のつよい皮膚以外も診なければいけません。

ここで診るべきポイントは・・・


イメージ 4



外陰部、腫大しています。

そして、乳頭をよく観察すると・・・


イメージ 5



飼主さまも気付かなかった乳汁分泌が認められます。


この時点でほぼ診断はつきます。

あとはどのように攻めていくか・・・外堀を埋めるように除外診断を進めます。

改善のための治療はたった一つの選択肢のみですので、そのための準備を初診日から行います。

甲状腺機能低下症&副腎皮質機能亢進症の除外、全身麻酔の前の術前検査を行います。

2週間後にはすべての検査結果が揃い、飼主さまの希望を確認した上で最後の術前検査として

凝固異常の検査を実施しました。

初診時から3週間後、手術当日の状態です。


イメージ 6



イメージ 7



そして、今回の皮膚病の原因は・・・こちらです。


イメージ 10






手術翌日の追加病変部を診ておきましょう。

鼻の上の脱毛&色素沈着です。

イメージ 8


頚部の脱毛、柴犬は地肌が見えることがほとんどないため、被毛が少ないと言えます。

イメージ 9



治療は初診時から、術後2週間後まで抗生物質を継続し終了としました。

手術から8週間後の状態です。

まずは全体から。

イメージ 11


毛並みが綺麗になっています♪

各部位を比較しながら見ていきましょう。

イメージ 12

 
鼻の上の脱毛が改善されました。

イメージ 13


頚部の脱毛も改善されました。

最も痒く、重症であった腹部をみてみましょう。

イメージ 14


イメージ 15


若干色素沈着が残るものの、皮膚状態を含めて綺麗になっています♪

もちろん痒みはありません。

最後に尾を確認しましょう。

イメージ 16


残念ながら、尾だけはまだまだ改善が少ないのですが、時間が解決してくれるかもしれません。

かなり長い経過があったため、皮膚へのダメージが大きかったのが影響していることもあるでしょう。



診断は、卵巣嚢腫による性モルモン性の脱毛および皮膚病です。

投薬による改善は認められません。

外科的手術が唯一の治療です。

こういった疾患の際に考えさせられることは、病気にどれだけ積極的な治療方針をとるか・・・です。

獣医師側のスタンスも大きく影響するため、ネガティブになれば経過観察になってしまいますし、攻めて

いけばこういったいい治療結果を得ることができます。

ですが、高齢期に入って、確定診断がついていない、体調にかかわる症状がでていない・・・という条件下で

全身麻酔での手術を積極的にすすめることができるか?・・・獣医師を悩ますテーマです。

「絶対に性ホルモン性皮膚疾患で、手術したら改善すると断言できるか?」、「様子を見たら、命に

関わると言えるのか?」・・・悩みはつきません。

ですが、ここで僕がやらなければこの子は助からないと思うようにしていますので、僕のとるべき

スタンスは一つです。




もちろん最後の選択肢は飼主さまにありますので、病気に対する理解と麻酔と手術のリスクを負って

くださった飼主さまの協力あっての治療結果です。





今回も名古屋の正反対という遠方から来院していただきました。

飼主さまの協力に感謝です。

※飼主さまの了承を得て掲載しています。

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