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ティチアーティのベルリオーズ「幻想交響曲」

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ロビン・ティチアーティ。イタリア系イギリス人。1983年生まれ。まだ20代の指揮者!
彼が首席指揮者を務めるスコットランド室内管弦楽団による、ベルリオーズ「幻想交響曲」。
最近、よく聴いています。なかなか良いですよ〜♪

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チェンバー・オケによるベルリオーズは、最近じゃあんまり珍しくなくなってきたし、
古楽アンサンブルによる刺激的な「幻想」の名演奏だっていくつかあります。
でも、小ぶりの「幻想」って、やっぱりかわいいね〜。あまりグロテスクにならないし、
ドロドロしません。ディズニー・アトラクションみたいな、人形劇みたいな「幻想」ちゃん。

ティチアーティ君の、山っ気のない、正攻法の音楽づくりは、とても共感できます。
若々しく、溌剌としていて、なおかつとても理知的。品のいいキャラクターですね。
室内オケですから、弦が相対的に薄味になるのは止むをえませんが、管の響きを
引き締めて、うまくバランスをとっています。スマートな冷静さが感じられます。
若者はとかく奇抜なことをやりたがるものですが、ティチアーティ君は精密にスコアを読み、
惚れ惚れするぐらい克明に細部を描きながらも、全体像はよく整理され、視界良好です。
たしかに、この曲のアプローチとしては健康的すぎるのかもしれませんが、
ごちゃごちゃした中味をパワーでごまかしてしまう乱痴気騒ぎではなくて、よろしい!

彼のベルリオーズを聴いていると、なんだか「モーツァルトを聴いてみたいな」と
思わせる、とっても素敵なセンスをしています。そしてまた、実にいいテンポ!
テンポ設定って、音楽にとって本質的に重要なことですが、その塩梅をよく分かってる!

それにしても、とてつもない大きな可能性を感じさせるてくれる指揮者ですね。
すでに破竹の勢いで、数々の主要オケの客演を重ねています。
クルレンツィスさんといい、ティチアーティ君といい、日本のオケを指揮する姿も
遠からず見られることでしょうね。大注目の指揮者です! 

みそ
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成田達輝さん2位!エリザベート王妃国際音楽コンクール 2012 ヴァイオリン部門 

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                     The 12 finalists of the 2012 violin competition (ⒸBruno Vessie)

2012年5月26日(日本時間27日未明)、5日間にわたる本選(ファイナル)が終わり、
発表のテレビ中継はこちら。お客さんがあったかいのが、ほんと素晴らしいね!

1 : Andrey Baranov (ロシア)
2 : Tatsuki Narita (日本)
3 : Hyun Su Shin (韓国)
4 : Esther Yoo (アメリカ)
5 : Yu-Chien Tseng (台湾)
6 : Artiom Shishkov (ベラルーシ)

ファイナルに残りながらも、残念ながら6位入賞とはならなかった皆さんは、
アルファベット順に次の通り。(かつてのような7位〜12位ではありません。)

Ermir Abeshi (アルバニア/イタリア)
Marc Bouchkov (ベルギー)
Nikki Chooi (カナダ)
Dami Kim (韓国)
Josef Spacek (チェコ)
Nancy Zhou (アメリカ)


長かったね〜。4月末からひと月あまり、この長丁場を制したのは、
いまや世界的に有名?な competition-hopper、アンドレイ・バラーノフ君。
転戦に次ぐ転戦の末、ついに最難関のエリザベート優勝!おめでとうございます。
これで、コンクール行脚も終止符かな? ごくろうさまです。

そして2位は、日本の成田達輝さん。見事でした。本当におめでとうございます!

このひと月、ライブ中継を観たり、後でヴィデオを観たり、とても楽しかったです!
ファイナルを聴きながら、個人的な予想としては、成田さん、エスター・ヨーさん、
シン・ヒョンスさんあたりで1位から3位を争うのかな・・・・と思っていました。
コンクールのトリを務めた台湾の若き俊英ツェン君のブラームスのコンチェルトも
ちょっと線が細いけど、しなやかで瑞々しく、よく歌う演奏で、とてもよかったです。
あと、シンさんと同じシベリウスのコンチェルトを演奏したナンシー・チャオさんも、
いい線行くかなと思ってました。みそは、チャオさんのシベリウスの方が好きでした。

ということで、ファイナルだけで評価すれば、今回の最終結果の2位から6位までは
おおむね理解できるし、一次予選からトータルで考えると、成田君が一番安定していて
優勝に近かった気がします。パガニーニのコンチェルトで勝負するのはリスキーな気が
しなくもありませんでしたが。でもとにかく、みそにとって音楽的に最も共感できたのは
成田君とツェン君でした。ふたりともセンスがいいね。ちょっと細いのが惜しいけど。
エスター・ヨーさんも、よく歌いよく喋る音楽でした。でもちょっと口真似っぽくて、
心の深いところから溢れてくる音楽という感じがあんまりしなかったのが残念でした。

じゃ、バラーノフ君は?
じつは正直、1位になるとは思いもよりませんでした。6位入賞できれば立派だと思ってた。
でも、ここ数年間、バラーノフ君の「道場破り的コンクール世界旅行記〜白熊奮迅の巻」を、
(ブツブツ言いながらも)内心楽しんできたみそとしては、「良かったね♪おめでとう!」と
賛辞を贈るだけです。ほんと、おつかれさまでした! 
 
それにしてもさ・・・・。
今回のファイナルの指揮者とオケ、グダグダだったね・・・・。みんながかわいそうでした。
ギルバート・ヴァルガ・・・。ほんとにヴァイオリンの巨匠ティボール・ヴァルガの息子かしらん。
みんな、決死の準備をして渾身の本番に臨んできてるのだから、ちゃんと付けてあげようよ!
もちろん、5日間連続で2つのコンチェルトのリハと本番をするのは、オーケストラとしては
本当にしんどいと思います。それにしても、いつもモタモタ遅れぎみで、ソロと拍が合わず、
あわや事故寸前ってことも・・・。ヨレヨレした木管は音程もトホホだし・・・

シベリウス・コンクールみたいに、フィンランド放響とヘルシンキ・フィルのふたつで分担して、
こないだのサカリ・オラモとヨーン・ストルゴーのように、ばっちり両シェフを起用するぐらい、
万全の態勢をつくってあげたらいいのに・・・。

・・・ということで、まだまだ書きたいことがありますが、このへんで一旦、小休止。

いつか、引退したら「エリザベート鑑賞旅行」にいきたいピョン! 
みなさま、おつかれさま。ありがとう。おめでとう。成田君、おめでとう!

みそ
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こ、こわいです・・・クルレンツィスのショスタコ14番

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テオドル・クルレンツィス(クレンツィス)。ギリシャ生まれの若き指揮者。
サンクト・ペテルブルクで勉強後、ロシア各地をはじめ、ヨーロッパの主要オケに
たてつづけに客演し、快進撃まっしぐら、といった勢いのある大型新人さん。

当録音で、数々の賞を受賞し、一躍、世界的に注目をあつめる指揮者となりました。
まったく無名の新人指揮者と無名のアンサンブル(しかも古楽器を交えた)によるこのCDは、
日本でも注目され、いきなり2010年度日本レコード・アカデミー賞交響曲部門を受賞しました。

当時は、ふーん、としか思っていなかったのですが、今年の初めに出た、
メルニコフの素晴らしいソロもさることながら、マーラー・チェンバー・オーケストラを指揮して
見事なサポートをみせているクルレンツィス。いったいこの指揮者は何者? とね。
以来、この交響曲のCDも購入し、とてつもなく彫りの深い14番に圧倒されています!

ショスタコーヴィチの第14交響曲といえば、マーラーの「大地の歌」とも比較されるように、
ソプラノとバスの独唱を伴う全11楽章の怪物交響曲。オケは弦5部とパーカッションのみ。
ロルカ、アポリネール、リルケらの「死」にまつわる詩を題材に、きわめて前衛的な書法も
用いながら、難渋で難解な作品に仕上がっていて、正直、ちょっと敬遠してました
このクルレンツィス盤に出会うまでは。

各楽曲(楽章)はどれもこれも陰鬱ですが、それでいてまったく表情の異なる相貌をもち、
いずれの詩的異界も、作品の時代・舞台をはるかにさかのぼって、アルカイックな暴力と
死の腐敗を内に漲らせています。う〜こわい。
これがヒトラーとスターリン後の、現代の神話世界なのね・・・・。啓蒙のなれの果て・・・。
クルレンツィスの透徹したリアリズムは、ギラギラと恐怖を煽ることはしません。
しかし、静けさを伴いつつキリキリと締め上げられた音響は、今にも内破しそうで、
限界まで高められた圧力が解放(=救済)の突破口を喘ぎ求めているような、
そんな、ヒリヒリする怖さが漂っています。やっぱり、こわい・・・。

それにしても、すごいCDが出てきたんですね。もっと早く聴いていればよかったかな。
ギリシャはいま踏んだり蹴ったりの袋小路ですが、クルレンツィスといい、カリーディスといい、
注目株の若い指揮者が出てきていて、ちょっと嬉しいですね。
こんな時代に、こんなショスタコーヴィチを、ギリシャ人が・・・。興味深いです。はい。

みそ
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ホリガーのメンデルスゾーン「スコットランド」&「イタリア」

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20世紀、特に戦後のオーボエ界を牽引してきた、スイス生まれ名匠ハインツ・ホリガー。
70歳を超えた現在も、ヨーロッパの内外を問わず、旺盛な演奏活動を繰り広げています。
その活躍は、オーボエ奏者としてのみならず、作曲家、指揮者としても目覚ましいものです。

その名匠の手になる、メンデルスゾーンの傑作「スコットランド」と「イタリア」。
バロックと現代音楽で圧倒的な名声を確立してきたホリガーさんですが、
2009年のベルリン・フィル定期でシューマンを取り上げたように、昨今では、
ロマン派作品でも素晴らしい演奏を披露しています。当CDは昨年発売の新譜。

メンデルスゾーン
・交響曲第3番イ短調Op.56『スコットランド』
・交響曲第4番イ長調Op.90『イタリア』〔第2稿〕

 ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム
 ハインツ・ホリガー(指揮)

 録音時期:2010年4月6〜9日

古希を過ぎた巨匠の棒から、溌剌とした瑞々しい演奏が広がります。
とくに、「スコットランド」の素晴らしさときたら、もうビックリ!
速めのインテンポで、アンサンブルをキリッと引き締めていますが、
過度に抑制的にならず、音楽はダイナミックな推進力に満ちています。
若々しいプロポーションのサウンドで、その躍動感は実に爽快です!

1629年創立というスイスのヴィンタートゥール・ムジークコレギウムは、
その古風な名前のイメージとは裏腹にモダン楽器の室内オケですが、
その機能性を十分に生かして、普段なら聴き逃してしまいそうな細部まで、
実にクリアかつ緻密なアンサンブルを成し遂げています。

それは、「スコットランド」1楽章展開部の、凄みのある求心力ですぐ明らかになります。
各声部がくっきりと自己の存在感を示しながら、それらが職人技の精巧さで、
かっちりと組み合わされていきます。ホリガーのその手腕たるや、見事です!

独立と協調。クールなモダニズムと伝統工芸のごとき人間の手仕事。
民主主義と永世中立、時計と精密機械の国スイス。
ホリガー率いるアンサンブルには、そんなスイスの誇り高き精華があるといったら、
ずいぶん大袈裟になってしまうけど、なんだかそんな連想さえしてしまいます。
ちなみに、ヴァントがメンデルゾーンを振ったら、こんな感じになるかも・・・という気がする。
そうね、ヴァント先生も晩年はずっとスイス暮らしでしたね。

もちろん、ホリガーさんのメンデルスゾーンはクールなだけではありません。
スコットランドのアダージョにしても、イタリアのメヌエットにしても、すごく上品で、
エレガントな美しさをたたえています。強弱のニュアンスはとても繊細で、
管のスペシャリストのならではのリードは、フレーズがとても自然に呼吸しています。
間の取り方が巧みだし、木管のハーモニーは実に美しく、金管の響きも素朴ながら豊か。
リガーさんの音楽は、濃厚なカンタービレはないけど、十分にリリカルで、
洗練されたロマンティシズムを感じさせます。

このように、(初期)ロマン派の音楽も、とても素晴らしい出来栄え。
改めてホリガーさんの魅力に惹きつけられてしまいました!
この秋来日され、新日本フィルとの共演や室内楽コンサートがあるみたい。楽しみ!
個人的には、紀尾井シンフォニエッタとの共演なんかも実現したら、すごく嬉しいな。

みそ 
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アンサンブルのバイブル ゲヴァントハウス四重奏団のベートーヴェン

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昨夜は、びっくりするほど粗雑なシューマンの第2交響曲を聴いてしまい、
もう悲しくてがっかり。でもお客さまは、大喜びのようでしたが・・・。
う〜。ついていけない。パパは、この第2交響曲を偏愛しているのですが、
ああいうデリカシーのない演奏をされると、もう心が痛くて、いけません。え〜ん。
次の日までショックが響いて、今日一日、なんだか胸がすっとしませんでした。

最高の助けとなってくれます。「耳直し」には打ってつけの、とびきりの名演奏です。
弦楽四重奏全曲のCD全集ですが、どれでも一枚かけてみると、まったく衒いのない、
ごくごく自然体の、しかし実に豊かな、味わい深いベートーヴェンに出会うことができます。
あとは、身を委ねるだけ。その極上のアンサンブルに!

絶妙なハーモニー感、共有される音色、溌剌としたリズム、しなやかなレガート、
各声部の動きは明晰で、その親密な対話は作品の豊かな内実を余すところなく
伝えてくれます。そして、的確なテンポ設定が演奏解釈の説得力を高めてくれます。
どこもかしこも音楽的♪ これぞ、アンサンブルの究極のお手本!ほれぼれしちゃう。
余計なことは何にもしないのに、この内容的な充実ぶりったら、もう脱帽です!

この全集、かなりお手頃価格で手に入ります。よかったら、ぜひ、ぜひどうぞ!
きっと、みなさんの人生にとって、かけがえのないベートーヴェンになるはず。
そう信じて、心からお薦めします!

みそのパパ

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