日記
年子
夕方になると
庭先から唐八景に向かって
父ちゃん母ちゃん
仕事に行ったのお!と
お前はよく叫んだ
寂しさと空腹の為だ
誰よりも
家族の平和を願った
お前は重い吃音で
思うように
言葉を喋れなかった
もしあの頃
「英国王のスピーチ」を
観れたなら
沢山の勇気と希望を
貰えただろうか…
よく殴りあいの喧嘩をした
思春期の頃は
3年ものあいだ
口をきかなかったな…
高校を出てからは
愛する身内のため
身を粉にして働き通し
ずっと苦労ばかりして…
でも
上手く行かなかったな
誰よりも
混血の兄の死を悲しんだ
いつだったか
その兄と俺と三人で
町田駅近くの建築現場で
他愛もない冗談で
腹を抱え涙を流しながら
大笑いをしたことがあった
後にも先にも
三人が大笑
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