無題
『長谷川等伯 展』
長谷川等伯も狩野永徳と同時代の人物で互いにしのぎを削ったライバルだが、巨匠とはいえ時代の産物、等伯にもやはり戦国大名の好みそうな〝豪放〟〝わかりやすさ〟の通俗的な作風であろうか、と思いそうになった、はじめは。そう感動しないなぁと感じそうだった、当初。
だが、ベンチで図録の見本を読んでいたら等伯は法華経の熱烈の信者だと知ったのち再び作品を観ると印象が一変。もう合点した。
等伯は森羅万象、全てに仏性を見ている。あの豪壮な大樹の幹のうねり、萩の葉と花の狂喜、ススキの繁茂、花花の乱舞、すべて仏の現れである。どんな小さなものにもそこには生命力があふれ喜びに満ち謝念にあふれる。一度うろこの取れたこのまなこは絵を正視するに堪えない。眩しい、いや目よりも心が見たがっている。わたしの心は
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