無題
恋夜 第四章 幻
私の毎日の暮らしに変化は無かったが、子供を身籠ろうと決心した時から、あの焼け付く
つくような嫉妬心に襲われることは無くなった。
逢う瀬は毎週続き、翔は相変わらず優しく激しく私を抱き、私は翔の腕のなかで陶酔し
満たされていたが、何の処置もしていないのに妊娠の兆しは中々現れなかった。
翔の心が醒めるのが先か、妊娠が先か、嫉妬心は薄れたものの、妙な焦りが私を占領し始めていた。
季節は眩い初夏を迎えていた。
そんなある朝、真理子から弱々しげな声で電話が入った。
「由美、ごめんね〜二、三日前から高熱が出ちゃて、寝込んでるの……それで食べる物も
無くなっちゃて、早苗はお姑さんが倒れて手が離せないって言うし、本当に申し訳ないん
だけど来てもらえないかな〜〜」
日頃、人の思惑などお構いなしに言葉を発
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