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調査会法情報160825(財団拠出金・現金支給合意)
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《財団拠出金・現金支給合意》
■外務省、「慰安婦」財団の事業内容を発表(8月24日)日経新聞
■財団の支援事業、元慰安婦245人を対象(8月24日)NHK
■財団拠出金10億円の8.5億円を支給(8月25日)毎日新聞
■元「慰安婦」支援金、倍増の一人1000万円(8月24日)毎日新聞
■韓国外相、10億円拠出を評価(8月24日)毎日新聞
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《財団拠出金・現金支給合意》


■外務省、「慰安婦」財団の事業内容を発表(8月24日)日経新聞
元慰安婦に1000万円程度 医療・介護に用途限定 
2016/8/24 22:33 日経新聞

 外務省は24日、旧日本軍の従軍慰安婦とされた女性を支援するために韓国政府が設立した財団の具体的な事業内容を発表した。元慰安婦のうち、昨年末時点の生存者46人に1人当たり1000万円程度、死亡者199人には遺族に200万円程度を現金で支払う。金額は一律ではなく医療や介護など特定の用途に対する需要に応じて決める。

 事業内容は日韓両政府がこれまでの協議で合意したものだ。この枠組みに基づき財団が実務を担う。現金の支払いを巡っては日本側に「賠償と受け止められかねない」と懸念の声があったが、両政府間で用途を限定することなどで折り合った。

 日本政府は同日の閣議で財団への10億円拠出も正式に決めた。8月中を目指して実施する。岸田文雄外相は24日、尹炳世(ユン・ビョンセ)韓国外相との会談で閣議決定した旨を伝達。尹氏は手続きが順調に進んでいることを評価した。


■財団の支援事業、元慰安婦245人を対象(8月24日)NHK
元慰安婦の支援事業 本人には1000万程度の支払い
8月24日 21時29分 NHK

外務省は韓国側が行う元慰安婦への支援事業に充てられる10億円について、本人に1000万円程度、亡くなっている場合は200万円程度を現金で支払うと発表しました。
政府は24日の閣議で、慰安婦問題をめぐって韓国側が行う元慰安婦への支援事業に充てられる10億円の拠出について、今年度予算の予備費から支出することを決め、これを受けて外務省は1人当たりの支出額や使いみちを発表しました。

それによりますと、去年12月の日韓合意の時点で、韓国政府に登録された元慰安婦245人を対象とし、支援事業を行う韓国の財団が対象者本人や遺族などの代理人から使いみちを聞き取ったうえで、現金で支払うとしています。
支払う金額は元慰安婦本人に対し、日本円で1000万円程度、去年12月の時点で亡くなっている場合は200万円程度とし、使いみちは本人の場合は医療や介護などが、亡くなっている場合は葬儀に関係する費用や遺族の奨学金などが想定されるとしています。
また、支払いが適切に行われているかどうか確認するため、財団は事業の実施状況を日韓両政府に定期的に通知するとしています。


■財団拠出金10億円の8.5億円を支給(8月25日)毎日新聞
日韓外相会談 元慰安婦に1000万円 遺族200万円 8.5億円支給 財団支出で合意
毎日新聞2016年8月25日 東京朝刊

 岸田文雄外相は24日、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相と外務省で会談した。昨年末の両国の合意に基づき、月内にも韓国が設立した財団に日本政府が10億円を拠出する方針を伝えた。両氏は10億円の使途について、財団が元慰安婦の生存者1人につき1億ウォン(約1000万円)程度、死亡者(遺族)には1人につき2000万ウォン(約200万円)程度の現金を支出する支援を実施することで合意した。

 昨年末時点で生存していた元慰安婦は46人で、死亡した元慰安婦は199人。支出総額は計85億8000万ウォン(約8億5800万円)に上る見通しだ。日本政府は賠償金ではないとしているが、10億円の拠出金のうち8割以上が元慰安婦らに現金で支給される。

 支出にあたっては、財団が元慰安婦らの個別の需要を把握。日韓が合意した使途の範囲内で現金で支払う。医療・介護、葬儀関係費用、親族の奨学金などを想定している。日本政府は生存者への支出額が多くなった理由について、医療・介護費用が含まれるためと説明している。

 このほかに、元慰安婦の名誉・尊厳の回復と心の傷の癒やしに向け、合同慰霊祭などの事業を実施する方針。財団は元慰安婦や遺族らに支出金の使途を聞き取り調査する。

 財団への拠出の手続きが進んだことを受け、日本政府は韓国側に対し、ソウルの日本大使館前にある慰安婦を象徴する少女像を移転するよう働きかけを強める方針だ。菅義偉官房長官は24日の記者会見で「日本政府による資金の支出が完了すれば、日韓合意に基づく日本側の責務は果たしたことになる」と強調した。岸田氏は会談で日本が24日に財団への10億円拠出を閣議決定したことを伝えた上で、少女像について「問題の適切な解決のための努力を求める」と述べた。

 両外相は、北朝鮮の核・ミサイル開発についても協議。米国を交えた3カ国の連携強化を改めて確認し、南シナ海問題で国際社会のルールに基づく行動の重要性でも一致した。岸田氏は韓国国会議員団が島根県・竹島に上陸したことに抗議した。【田所柳子】

 ■解説

日本譲歩、解決図る
 日本が慰安婦問題で当初難色を示した現金支給に踏み切ったのは、日韓関係のトゲだったこの問題の完全解決につなげる意志の表れだ。北朝鮮の核・ミサイル問題や中国の海洋進出で安全保障環境が悪化する中、合意を日韓関係改善の弾みにしたい考えだ。

 日本は1965年の日韓請求権協定で賠償問題は決着済みとの立場で、賠償金と受け取られないよう、現金支給に消極的だった。同じく慰安婦支援を目的としたアジア女性基金(95年設立)の支給は最大500万円で、同程度の支給が限度とみられていた。

 ただ、支給額は最終的に倍増。民間募金が原資だったアジア女性基金に対し、今回は政府が10億円全額を拠出しており、より踏み込んだ支援策となった。国内の保守派の反発を招いても、早期の関係改善が不可欠との判断とみられる。

 譲歩の背景には対中関係の変化がある。北朝鮮の核実験後、韓国は在韓米軍に最新鋭のミサイルシステムの配備を決め、中国は猛反発した。外務省幹部は「韓国が安全保障面でも日米にシフトした」と指摘する。日中韓3カ国では歴史認識問題で中韓が連携して日本を批判する構図が続いてきたが、日韓両国の未来志向を印象づけることで、中国に歩み寄りを促す効果も期待できる。

 ただ、24日の日韓合意では、日本が賠償の側面が出ないよう求めた医療などへの使途限定が徹底されるかは不透明だ。支給額も「人によって金額が違うと不公平だ」(外務省関係者)として、事実上、一律支給になるとみられる。

 韓国内では日本に法的責任を認めるよう要求する世論も強く、自民党が重視する少女像移転問題も引き続き難航する可能性がある。移転のメドが立たずに日本国内の反発が強まれば、再び関係が悪化に転じる恐れもあり、日韓両政府は国内世論をにらんだ難しいかじ取りが続きそうだ。【小田中大】

元慰安婦の支援策 骨子

・全ての元慰安婦(245人)を対象に実施
・昨年末時点の死亡者(199人)に1人2000万ウォン(約200万円)程度を支出
・生存者(46人)に1人1億ウォン(約1000万円)程度を支出
・韓国側財団が現金支払い。使途は医療・介護、葬儀関係費、親族の奨学金などを想定


■元「慰安婦」支援金、倍増の一人1000万円(8月24日)毎日新聞
<日韓外相会談>日本譲歩、解決図る 元慰安婦の支援合意
毎日新聞 8月24日(水)23時19分配信
 
 日本が慰安婦問題で当初難色を示した現金支給に踏み切ったのは、日韓関係のトゲだったこの問題の完全解決につなげる意志の表れだ。北朝鮮の核・ミサイル問題や中国の海洋進出で安全保障環境が悪化する中、合意を日韓関係改善の弾みにしたい考えだ。

 日本は1965年の日韓請求権協定で賠償問題は決着済みとの立場で、賠償金と受け取られないよう、現金支給に消極的だった。同じく慰安婦支援を目的としたアジア女性基金(95年設立)の支給は最大500万円で、同程度の支給が限度とみられていた。

 ただ、支給額は最終的に倍増。民間募金が原資だったアジア女性基金に対し、今回は政府が10億円全額を拠出しており、より踏み込んだ支援策となった。国内の保守派の反発を招いても、早期の関係改善が不可欠との判断とみられる。

 譲歩の背景には対中関係の変化がある。北朝鮮の核実験後、韓国は在韓米軍に最新鋭のミサイルシステムの配備を決め、中国は猛反発した。外務省幹部は「韓国が安全保障面でも日米にシフトした」と指摘する。日中韓3カ国では歴史認識問題で中韓が連携して日本を批判する構図が続いてきたが、日韓両国の未来志向を印象づけることで、中国に歩み寄りを促す効果も期待できる。

 ただ、24日の日韓合意では、日本が賠償の側面が出ないよう求めた医療などへの使途限定が徹底されるかは不透明だ。支給額も「人によって金額が違うと不公平だ」(外務省関係者)として、事実上、一律支給になるとみられる。

 韓国内では日本に法的責任を認めるよう要求する世論も強く、自民党が重視する少女像移転問題も引き続き難航する可能性がある。移転のメドが立たずに日本国内の反発が強まれば、再び関係が悪化に転じる恐れもあり、日韓両政府は国内世論をにらんだ難しいかじ取りが続きそうだ。【小田中大】


■韓国外相、10億円拠出を評価(8月24日)毎日新聞
<元慰安婦支援>10億円拠出を評価 韓国外相「未来志向」
毎日新聞 8月24日(水)22時24分配信
 
 韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相は、24日の日韓外相会談の冒頭で「両国関係をより新たに、そして未来志向な方向に引っ張っていくため、両国の外務当局が中心となって協力していくことを願う」と語った。日本政府が元慰安婦支援の財団に拠出する10億円の使途で両国が合意したことを受け、日韓両国が北朝鮮の核・ミサイル問題への対応などで協力しやすくなるとの認識を示したものだ。

 財団の事業内容を日本外務省が発表したのは日韓外相会談後で、内容について日韓間の実務的な協議が十分に行われていたとみられる。尹外相は会談後、韓国メディアに対し「韓日関係の未来志向的な発展の原動力になる」と述べ、10億円拠出決定を評価した。

 韓国側は元慰安婦に対する支払いが「医療・介護」などと規定されつつも、現金で支払う形となり、自由度が相当程度高い点などを肯定的に受け止めているようだ。

 ただ、事業を具体的に進める過程で双方の認識の違いが浮かぶ可能性が高い。菅義偉官房長官が24日の記者会見で、資金の支出完了に伴い、日本側は日韓合意に基づく責務を果たしたことになるとの見解を示したことについては、韓国内にすでに反発の声が出ている。これから韓国側では反対世論や当事者の説得が正念場を迎える。このため日本政府が「おわびと反省の気持ち」を表明した昨年の合意内容が、事業スタート時に改めて元慰安婦に示されることを期待している。韓国外務省当局者は「合意の趣旨と精神がよく履行されるよう両国共に誠意をもって努力することが重要だ」と語った。【米村耕一】

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調査会法情報160824(財団拠出金・外務省HP)
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《財団拠出金・外務省HP》
■韓国挺対協、10億円「受け取るな」(8月24日)時事通信
■10億円拠出決定、官房長官「責務果たした」(8月24日)NHK
■日本政府、10億円拠出を閣議決定(8月24日)毎日新聞
■韓国政府、日本の10億円拠出決定を歓迎(8月24日)聯合
■韓国外交部、日本外務省HPに反論(8月23日)聯合
◆杉山外務審議官の発言概要(日本語(PDF) / 英語版(PDF))外務省
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《財団拠出金・外務省HP》


■韓国挺対協、10億円「受け取るな」(8月24日)時事通信
日本の10億円「受け取るな」=元慰安婦支援で韓国挺対協

 【ソウル時事】日本政府が元慰安婦を支援する韓国の財団への10億円拠出を閣議決定したことについて、韓国の民間団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)」の尹美香常任代表は24日、「問題の最終的解決にはならないし、賠償金でもない。受け取ってはならない」と強調した。日本大使館前で開いた水曜日恒例の抗議集会に参加した際、語った。(2016/08/24-16:13)


■10億円拠出決定、官房長官「責務果たした」(8月24日)NHK
元慰安婦の支援事業に10億円 予備費から拠出を決定
8月24日 12時21分

政府は24日の閣議で、慰安婦問題をめぐり韓国側が行う、元慰安婦への支援事業に充てられる10億円の拠出について、今年度予算の予備費から支出することを決めました。
去年12月の日韓合意に基づいて、政府は元慰安婦への支援事業を行う韓国の財団に10億円を拠出する方針で、24日の閣議で今年度予算の予備費から支出することを決めました。

政府はこの10億円について、医療や介護関係に充てられると想定していて、日中韓3か国の外相会議に続いて、24日午後に行われる韓国のユン・ビョンセ(尹炳世)外相との日韓外相会談で、こうした内容を伝えることにしています。

また、「10億円の拠出で日本は責務を果たしたことになる」として、日韓合意で韓国側が「適切に解決されるよう努力する」とされた、ソウルの日本大使館前の慰安婦を象徴する少女像の撤去に向けて、韓国側の一層の努力を促す考えです。


官房長官「日本側の責務果たした」

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「今回、日本政府による資金の支出が完了すれば、日韓合意に基づく日本側の責務は果たしたことになる。引き続き合意に基づいて、お互いの国が実施していくことが極めて重要だ」と述べました。
また菅官房長官は、ソウルの日本大使館前の慰安婦を象徴する少女像の撤去について「今月12日に電話で日韓外相会談を行い、韓国政府が今後も日韓合意を誠実に実施をしていくことを改めて確認できた。韓国側に対しては、少女像の問題の解決に向けた努力を含め、引き続き日韓合意の着実な実施を求めていきたい」と述べました。


■日本政府、10億円拠出を閣議決定(8月24日)毎日新聞
慰安婦問題 10億円拠出、閣議決定 支援事業開始へ
毎日新聞2016年8月24日 東京夕刊

 政府は24日午前の閣議で、韓国政府が元慰安婦を支援するために設立した「和解・癒やし財団」への10億円の拠出を決定した。岸田文雄外相は同日午後、韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相と東京都内で会談し、政府内手続きが完了したことを伝える。10億円拠出を受け、元慰安婦への支援事業が近く開始する見通し。
 慰安婦問題は日韓両国の長年の懸案となってきただけに、日本は昨年末の日韓両国の合意を着実に実施することで関係改善につなげたい考えだ。岸田氏は尹氏との外相会談で未来志向の新たな日韓関係の構築の重要性を訴える。

 韓国は合意に基づき、7月末に財団を設置している。日本側の資金拠出を受け、焦点は元慰安婦らへの具体的な支援内容やソウルの日本大使館前に置かれた慰安婦を象徴する少女像の移転問題に移る。
 日本は今回の支援が、賠償金と受け取られないよう、元慰安婦への医療や介護、故人の葬儀費用などに使途を限定する考え。岸田氏は今月12日に尹氏と電話で協議し、拠出する10億円の使途について大筋で合意しているが、韓国側には賠償金的性格を持たせるべきだとの声も根強い。両国は支援内容の最終決定に向け、協議を急ぐ。

 一方、日本は今回の資金拠出で昨年末の合意を履行した形になるため、今後は少女像移転について、韓国側に積極的に働きかけていく方針だ。【田所柳子】


■韓国政府、日本の10億円拠出決定を歓迎(8月24日)聯合
どうなる? 少女像移転問題=日本が10億円拠出決定
2016/08/24 15:53

【ソウル聯合ニュース】日本政府が24日の閣議で、旧日本軍の慰安婦被害者を支援するため韓国が設立した「和解・癒やし財団」への10億円拠出を決定した。
 これにより、慰安婦問題をめぐる昨年末の韓日合意に基づき日本側が取るべき履行措置は最終段階に入った。拠出が完了すれば、少なくとも韓日の政府間においては「外交懸案」としての慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的な解決」に向かう。1991年に故金学順(キム・ハクスン)さんが慰安婦被害者として初めて証言に立ち、問題が表面化してから実に四半世紀がたった。

 韓日関係筋は、早ければ今月中にも日本政府が10億円を財団に入金すると見込んでおり、資金を得て財団の事業は本格化する見通しだ。
 韓国政府はひとまず歓迎の意を示している。政府関係者は聯合ニュースの取材に対し「財団事業を通じ、一日も早く慰安婦被害者の名誉と尊厳が回復され、心の傷が癒やされるよう努めたい」とコメントした。

 だが、10億円の拠出を機に、慰安婦の強制動員を否定しようとする日本政府の動きが本格化する懸念もある。
 日本の外務省は先ごろ、慰安婦動員の強制性を否定する自国外交官の発言を同省の英語版ホームページにも掲載し、韓国外交部報道官が「合意を損なう言動は慎むべき」などと指摘した。韓国政府は、日本側が責任を認め、謝罪と反省を表明することも、慰安婦問題の最終解決に向けた日本側の責務と認識している。

 韓日間では今後、ソウルの日本大使館前に置かれた慰安婦被害者を象徴する少女像の移転をめぐり、あつれきが深まる可能性もある。
 韓日合意では、少女像問題については韓国政府が「適切に解決されるよう努力する」となっており、日本側は移転を求め韓国への圧力を強めてくると見込まれる。自民党内では、日本大使館前の少女像の移転を10億円拠出の前提条件とすべきだとの声も少なくなかった。

 だが韓国政府は、少女像は民間団体が設置したものであり、韓国政府がああしろ、こうしろと言える問題ではないとのスタンスだ。韓国国内では慰安婦合意に対する反対の声が依然として強く、韓国政府は世論と日本政府の要求の間で難しいかじ取りを迫られそうだ。

 韓国外交部傘下・国立外交院のチョ・ヤンヒョン副教授は聯合ニュースの取材に対し、「日本が少女像の移転を要求すればするほど韓国は移転が難しくなるというジレンマを、日本政府もよく知っているはずだ」と指摘。その上で「被害者の間で韓日合意に対するコンセンサスを形成していけば、少女像を別の場所に移すことも不可能ではないだろう」と話した。
 また、民間シンクタンク・世宗研究所の陳昌洙(チン・チャンス)所長は「移転はすぐには難しいが、被害者追悼施設設置などの事業を推進していく中で自然に議論になるかもしれない」と述べた。


■韓国外交部、日本外務省HPに反論(8月23日)聯合
韓国「慰安婦合意損なう言動慎むべき」 外務省HPに反論
2016/08/23 16:33

【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の趙俊赫(チョ・ジュンヒョク)報道官は23日の定例会見で、日本の外務省が英語版ホームページにも旧日本軍慰安婦動員の強制性を否定する主張を掲載したことについて「慰安婦動員の強制性は国際社会が既に明確な判断を下しており、否定できない歴史的事実だ」と指摘した。

 趙報道官は日本政府に対し、「昨年末の慰安婦問題をめぐる両国合意の精神と趣旨を損なう言動を慎み、早期に被害者の名誉と尊厳の回復、心の傷を癒すために共に努力することを望む」と述べた。

 今年3月、外務省が同省のホームページに、杉山晋輔外務審議官(当時)が慰安婦問題に関し「日本政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる『強制連行』を確認できるものはなかった」などと述べた発言内容を掲載したことが確認された。杉山氏の発言は同2月にスイスで開かれた国連女子差別撤廃委員会で慰安婦問題について説明したときのもの。先ごろ、同省の英語版ホームページにも同じ内容が掲載されたことが分かった。

 趙報道官は東京で24日に開かれる韓中日外相会談を機に韓日外相会談も開催されるかについて、「日程を調整している」と述べた。韓日外相会談が開かれる場合、杉山氏の発言内容を外務省ホームページに掲載した問題を日本側に提起するかとの質問には「会談が開かれる場合は、相互の関心事について幅広い意見交換が行われると予想される」と答えるにとどめた。


◆女子差別撤廃条約第7回及び第8回報告審査の質疑応答における杉山外務審議官の発言概要(日本語(PDF) / 英語版(PDF))外務省
Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination against Women
Consideration of the seventh and eighth periodic reports
(February 16, 2016, Geneva)
(Summary of remarks by Mr. Shinsuke Sugiyama, Deputy Minister for Foreign Affairs
in the Question and Answer session)

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調査会法情報160822(強制労働・シベリア抑留・アイヌ遺骨・戦争遺跡)
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《強制労働・シベリア抑留・アイヌ遺骨・戦争遺跡》
■釧路で強制労働犠牲者を追悼(8月21日)釧路新聞
■シベリア抑留の横山さん、宮城県で原発事故に被災(8月22日)河北新報
■アイヌ検討市民会議、遺骨返還で声明採択(8月21日)北海道新聞
■長野で戦争遺跡保存の全国シンポ(8月21日)信濃毎日新聞
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《強制労働・シベリア抑留・アイヌ遺骨・戦争遺跡》


■釧路で強制労働犠牲者を追悼(8月21日)釧路新聞
強制労働犠牲者を追悼/釧路
2016年08月21日 釧路新聞

  第45回太平洋戦争強制労働犠牲者追悼式(実行委員長・淺野康敏連合北海道釧根地域協議会長)が20日、釧路市紫雲台墓地の慰霊碑前で行われ、参列者が焼香して朝鮮半島から強制連行され、祖国に帰ることのできなかった戦争犠牲者を追悼するとともに、戦争の悲劇が二度と繰り返さないことを心に誓った。淺野実行委員長は「戦争によって一般市民が犠牲になっている。私たちはこれからも戦争反対を粘り強く訴えていきたい。戦争の悲劇を決して風化させてはいけない」とあいさつした。   


■シベリア抑留の横山さん、宮城県で原発事故に被災(8月22日)河北新報
<戦後71年>平和の願い強く「民を大事に」
2016年08月22日月曜日 河北新報

 第2次世界大戦で出征し、旧ソ連のシベリアに4年間抑留された宮城県丸森町筆甫の元陸軍兵士の横山三雄さん(91)が、戦後71年の夏に平和の願いを強くしている。戦地で犠牲になった仲間は「国のために」と戦った。その国は戦後、強制労働を強いられた元抑留者への補償に消極的だった。横山さんは「国は民衆を大事にしてほしい」と訴える。
 横山さんは筆甫出身。東京の軍需工場に徴用された後、1945年1月に入隊し、朝鮮半島の部隊で衛生兵を務めた。同7月ごろ、「作業中隊」が編成され、一員として旧満州(中国東北部)に赴いた。
 作業中隊は、兵士が爆薬を携えて旧ソ連の戦車に体当たりし、爆破させるのが任務。特攻隊と同様に人間を武器にする発想だ。衛生兵の横山さんは後方だったが、仲間は穴を掘って潜み、戦車を待ち受けた。
 終戦時、自決する部隊もあったが、中隊長は「生きて国のため働くように」と降伏した。横山さんはシベリアに連行され、アムール川沿いのコムソモリスク周辺の収容所に入れられた。
 寒さで体調を崩し入院した病院で赤痢にかかった。5人部屋で3人が死んだ。水がなく尿を飲んだ。一命を取り留めた後は衰弱のため事務室の清掃作業を割り当てられ、重労働を免れた。「亡くなった仲間には自分だけ生きて申し訳ないとの気持ちがある。戦争は本当に悲惨だ」と振り返る。
 49年に帰国後は炭焼きや林業に従事し、冬は出稼ぎに行った。相馬市に鶏肉処理工場が完成後、45歳から78歳まで働いた。
 元抑留者でつくる全国抑留者補償協議会が国に補償を求めたシベリア抑留訴訟は97年に敗訴が確定した。国から慰労品などが贈られたことはあったが、救済措置で特別給付金が支給されたのは2010年だった。
 横山さんは「戦争に負けた賠償として捕虜は無償で働かされた。帰国して『ご苦労さま』でもなかった」と唇をかむ。
 横山さんが暮らす筆甫川平地区は福島県と境を接し、東京電力福島第1原発事故の放射能汚染が宮城県内で最も深刻だった。だが除染や賠償で福島と格差があり、「県が違うだけで不公平」と感じた。筆甫の住民らが和解仲介手続き(ADR)を申し立て、14年6月、ようやく福島並みの賠償が実現した。
 横山さんは「戦争の時代は国策に沿って生きるしかなかった。国は若い人を大切にし、平和な時代を続けてほしい」と話す。


■アイヌ検討市民会議、遺骨返還で声明採択(8月21日)北海道新聞
アイヌ遺骨返還を評価 市民会議声明「補償も検討を」
08/21 08:00 北海道新聞

 第2回アイヌ政策検討市民会議(世話人・丸山博室蘭工大名誉教授ら)が20日、北大で開かれ、アイヌ民族への遺骨返還の望ましいあり方についての声明を採択した。

 遺骨返還訴訟の和解を受け、北大が12体の遺骨を日高管内ゆかりのアイヌ民族らの有志団体「コタンの会」(清水裕二代表)に7月に返還し、同管内浦河町に埋葬されたばかり。会議ではその経緯や意義が原告から報告された。

 声明は、遺骨返還を「アイヌコミュニティーへの返還という集団的権利が認められたという意味でも画期的」と評価。個人への返還にこだわって、返還は認められないという考えを北大はやめるべきだと求めた。返還の受け皿となる団体を支え、アイヌ墓地を維持して、伝統的埋葬を可能にするコミュニティーを復活させるような財政支援こそ重要なアイヌ政策で、補償も前向きに検討すべきだとした。


■長野で戦争遺跡保存の全国シンポ(8月21日)信濃毎日新聞
戦争遺跡の保存活用考える 長野で全国シンポ

 近現代の戦争遺跡保存の現状と課題を考える第20回「戦争遺跡保存全国シンポジウム」は20日、松代大本営地下壕(ごう)がある長野市松代町で3日間の日程で始まった。地下壕に関する著書がある児童文学作家和田登さんの講演や、朗読劇「女たちのマツシロ2016」があり、戦争遺跡保存全国ネットワークの出原恵三・共同代表が基調報告。全国から135人が参加し、平和のために戦争遺跡を保存活用する道筋を話し合った。

 同ネットと県内加盟団体でつくる実行委の主催。和田さんは、終戦直後に国民学校で教科書の軍国的な記述を墨塗りした体験に触れ、「歴史の不都合の隠蔽(いんぺい)は現在も進行している。歴史に墨を塗ったり、隠蔽されたりすると、平和に導く方程式が出来上がらない」と述べた。

 出原さんは「戦争遺跡が戦争の肯定や賛美に利用されることがある」と指摘した上で、「戦争遺跡は誤った戦争がなぜ起きてしまったのかを想起させ、侵略戦争と植民地支配の実相や悲惨さを直視し、加害や被害を確認するものでなければならない。戦争と向き合い、学び、伝えていく場だ」と強調した。

 朗読劇はNPO法人松代大本営平和祈念館の会員らが楽器演奏も含めて5人出演。地下壕掘削に従事した朝鮮人の義姉、当時国民学校生で工事に伴い転居させられた女性、地下壕構築の間に沖縄戦に巻き込まれた元学徒隊の女性を演じ、工事の過酷さを訴えた。

 実行委員長を務める同法人の花岡邦明理事長は「戦争体験者が高齢化し、戦争の愚かさを直接伝えるのが難しくなってきている今日、悲惨な実態を伝える戦争遺跡は大変重要になっている」と訴えた。

 21日は分科会を開き、各地の保存活動の発表がある。 

(8月21日)

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調査会法情報160820(8.15・遺骨収集・アイヌ遺骨・徴用)
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《8.15・遺骨収集・アイヌ遺骨・徴用》
■北朝鮮、日本統治解放71周年で談話発表(8月16日)DailyNK Japan
■豪カウラ市の日本人墓地の墓標をデータベース化(8月18日)共同通信
■厚労省、戦没者遺骨収集に12団体を指定(8月19日)毎日新聞
■ドイツのアイヌ遺骨、所有権は財団(8月19日)毎日新聞
■北海道で戦時動員の犠牲者を銘板にして設置(8月19日)北海道新聞
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《8.15・遺骨収集・アイヌ遺骨・徴用》


■北朝鮮、日本統治解放71周年で談話発表(8月16日)DailyNK Japan
北朝鮮「日本当局は誠実な態度で過去清算に臨むべき」
2016年08月16日 DailyNK Japan

北朝鮮の朝鮮日本軍性奴隷・強制連行被害者問題対策委員会のスポークスマンは15日、日本統治から解放されてから71周年に際して談話を発表。朝鮮中央通信が配信した。

談話は、「100余万人の朝鮮人が日帝によって無残に虐殺され、840万人余りが強制連行されたし、20万人の朝鮮女性が日本軍の性奴隷として連行されて受けた恥辱と苦痛は解消されなかった」と主張した。

また「罪を犯した当事国である日本では恥ずべき犯罪行為に対する反省と懺悔(ざんげ)ではなく、それを正当化、合理化する詭(き)弁が絶えず吐かれている」と日本を非難した。


■豪カウラ市の日本人墓地の墓標をデータベース化(8月18日)共同通信
戦争墓地墓標氏名をデータ化、豪
捕虜の旧日本兵ら埋葬
2016/8/18 19:34 共同通信

 【シドニー共同】在オーストラリア日本大使館は17日、太平洋戦争中に捕虜となった旧日本軍の兵士らが葬られている東部ニューサウスウェールズ州カウラ市にある日本人墓地について、524の墓標の氏名をデータベース化し関連資料と共にウェブサイトで公開する計画を明らかにした。サイトは2019年ごろの完成、公開を目指す。

 当時、日本兵は捕虜になったことを恥じて偽名を使った人が多く、ほとんどの埋葬者の身元は不明。大使館はサイトが身元の特定につながることを期待している。

 カウラ市の捕虜収容所では1944年、日本兵が脱走を企て、231人が死亡した。


■厚労省、戦没者遺骨収集に12団体を指定(8月19日)毎日新聞
<戦没者遺骨>収集担う団体指定
毎日新聞 8月19日(金)21時32分配信
 
 厚生労働省は19日、今年3月成立の戦没者遺骨収集推進法に基づき、遺骨収集を担う団体に、一般社団法人日本戦没者遺骨収集推進協会(会長・尾辻秀久参院議員)を指定した。同協会は日本遺族会や全国強制抑留者協会など国の遺骨収集に協力してきた12団体で今年7月に設立、指定の申請をしていた。10月に事業を始める。

 同法は、遺骨収集を加速するため、現地での収集作業を指定法人に委ね、国は埋葬地などの情報収集に注力することにしている。


■ドイツのアイヌ遺骨、所有権は財団(8月19日)毎日新聞
アイヌ遺骨 返還、長期化か…独「所有権、政府にはない」
毎日新聞2016年8月19日 19時30分(最終更新 8月19日 20時49分)
 
 【ベルリン中西啓介】ドイツで収蔵されているアイヌ民族の遺骨について、独政府は「連邦政府ではなく国の財団に所有権がある」とし、距離を置く姿勢を示している。遺骨返還が被害の補償要求につながる事例もあるためだ。ただ、専門家は遺骨返還に関する法律がないため、最終的には政府の政治判断が必要と指摘。返還要請には収集状況など詳細な情報の特定が必要で、交渉は長期化する可能性がある。

 独国内にある17体の遺骨のうち11体は、国の機関「プロイセン文化財団」(SPK)が所有し、財団に属する政府系機関が管理する。独政府は返還について「政府の支援で作られた人体資料の取り扱い『指針』に基づいて、SPKが判断する」と取材に回答。SPKは「どのような解決策を目指すかによって、SPKの代表が決定するか財団理事会に諮ることになる」と答えた。理事会は中央政府と州政府の代表で構成される。


■北海道で戦時動員の犠牲者を銘板にして設置(8月19日)北海道新聞
戦時中の炭鉱、ダム動員の犠牲者名、銘板に 市民団体が幌加内など3カ所で
08/19 16:00 北海道新聞

 日韓の市民団体「強制労働犠牲者追悼・遺骨奉還委員会」は20〜22日、戦時中に道内の炭鉱やダム建設などに動員されて亡くなった朝鮮半島出身者や日本人労働者の名前を刻んだ銘板を、道内3カ所に設置する。同委員会の殿平(とのひら)善彦共同代表(70)=深川市=は「当時の社会状況の犠牲者であり国籍は関係ない。その場所に一人一人の命があった記憶を継承したい」と話している。

 銘板を設置するのは、雨竜ダム(上川管内幌加内町朱鞠内湖)建設現場となった同町朱鞠内の旧光顕寺、炭鉱や土建工事の犠牲者が眠る美唄市の常光寺、札幌市の西本願寺札幌別院。同委員会は昨年、これらの寺院が保管していた115人分の遺骨を韓国に返還した。犠牲者の記憶を残そうと、雨竜ダムで亡くなった日本人を加えた約300人の名前や出身地、死亡年月日などを銘板に記した。

 同委員会は、東アジアの和解の道筋を探るシンポジウム「東アジアの記憶と共同の未来」を22日午後5時から、西本願寺札幌別院(札幌市中央区北3西19)で開く。参加無料で申し込み不要。問い合わせは一乗寺(深川市)(電)0164・27・2359へ。

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調査会法情報160818(戦争遺跡)
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《戦争遺跡》
■熊本地震で損壊した戦争遺跡は31件(8月15日)産経新聞
■秋田市土崎の空襲遺跡、来年2月解体(8月15日)読売新聞
■千葉県茂原市の掩体壕(8月15日)朝日新聞
■阪神電鉄のトンネルを地下軍需工場に利用(8月13日)毎日新聞
■人吉航空基地跡に大規模地下壕(8月13日)読売新聞
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《戦争遺跡》


■熊本地震で損壊した戦争遺跡は31件(8月15日)産経新聞
【熊本地震】 戦争遺跡31件損壊 民間研究団体調査 保存へ働きかけ
2016.8.15 07:02 産経新聞

 さきの大戦時の軍需工場など、熊本県内に残された「戦争遺跡」のうち、31件が今年4月の熊本地震で損壊したことが、14日までに、熊本県玉名市の民間研究団体「くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク」の調査で分かった。同団体は被災状況の分析をさらに進め、戦争の「語り部」である戦跡の保存に努める。

 同ネットワークによると、熊本県内には930カ所の戦争遺跡が確認されている。
 一連の地震後、熊本市や益城町を中心に戦争遺跡の所有者への聞き取りなどを実施した。

 損壊した31件の内訳は、建造物や記念碑25件▽特殊地下壕5件▽その他の建物1件だった。建物の外壁の剥がれや、慰霊碑の土台のひび割れを確認した。
 今後は、遺跡のある土地の所有者らに働きかけ、被災した遺跡の補修や耐震強化を図る。戦争にまつわる資料の提供も広く呼びかける。問い合わせは同ネットワーク事務局(電)0968・74・5030。


■秋田市土崎の空襲遺跡、来年2月解体(8月15日)読売新聞
空襲の爪痕、最後の夏…遺族ら惨状に思いはせ
2016年08月15日

◆土崎港・被爆倉庫、来年2月解体へ

 終戦前夜にあった土崎空襲の爪痕を残す秋田市土崎港相染町、旧日本石油秋田製油所の「被爆倉庫」が、一部移築のため来年2月にも解体される。倉庫が当時の姿のまま土崎空襲の日を迎えるのは今年が最後となり、空襲の体験者などでつくる「土崎港被爆市民会議」のメンバーらが14日、倉庫を訪れ、当時の惨状に思いをはせた。

 土崎空襲では終戦直前の1945年8月14日夜から15日未明にかけて、米軍の爆撃機が土崎地区に約1万2000発の爆弾を投下。市民ら250人以上が犠牲となった。

 倉庫は、1200度を超えたとされる高熱にさらされた。コンクリート製の柱の表面は泡立つように変形して鉄筋がむき出しになり、はりからはコンクリートが溶けだし、垂れかけた状態でとどまっている。空襲の被害を物語る貴重な建造物だが、管理する市は、老朽化の影響で倉庫の現地での保存は困難と判断。2018年に開設予定の資料館で柱などの一部を展示し、倉庫は解体する。

 この日は、土崎空襲で祖父を亡くした新潟市の会社員山本一雄さん(54)も倉庫を訪れ、波うつように変形した柱を手で触りながら、犠牲者をしのんだ。製油所の職員だった山本さんの祖父清太郎さん(当時51歳)は、倉庫近くの社宅に住んでおり、被爆した。

 山本さんは「想像を絶する炎が辺りを襲ったのだと思う。当時の人はどれだけ恐ろしい思いをしたのだろうか」と目を伏せ、「当時の物が残っているから私たちは歴史を知ることができる。倉庫の解体は仕方がないが、この空間をできるだけ再現するように残してほしい」と願った。

 土崎港被爆市民会議の伊藤紀久夫事務局長(76)は「戦争に関しては様々な意見がある。だからこそ、議論ができるように『事実』を後世に残していくことが重要だ」と力強く話した。

                      ◇

 倉庫への訪問に先立ち、秋田市土崎港西のポートタワー「セリオン」では空襲の犠牲者を追悼する式典が行われ、遺族らが参列した。

 式典では同会議の高橋茂会長(86)が「土崎空襲を多くの国民に伝え、戦争のない平和を皆でつくっていこう」とあいさつし、遺族らは静かに祈りをささげた。会場で平和への思いを込めた作文を朗読した秋田市立港北小6年の松江侑奈さん(11)は「戦争が憎い。繰り返さないためにも私たちが次の世代に語り継いでいけるように努力したい」と力強く誓った。

◇被爆倉庫… 戦後、JX日鉱日石エネルギー秋田油槽所(旧日本石油秋田製油所)の管理の下、一般公開されていたが、2012年4月の暴風雨で屋根が破損したことをきっかけに解体の議論が始まった。戦争遺跡としての保存を求める土崎港被爆市民会議の要望を受け、14年12月にJXが倉庫を市へ無償で譲渡。市がコンクリートの強度調査を行ったところ、老朽化のため、そのままの形での保存は困難と判断した。空襲被害の大きかった約60平方メートルのうち、柱やはり、天井を、18年3月開設予定の「土崎みなと歴史館(仮称)」で展示する。

2016年08月15日 Copyright © The Yomiuri Shimbun


■千葉県茂原市の掩体壕(8月15日)朝日新聞
(各駅停話)新茂原駅 静かな住宅地に戦争遺跡
2016年8月13日12時48分

 新茂原駅から東に約1・2キロのところに、戦争遺跡の掩体壕(えんたいごう)がある。後ろから見ると草に覆われていて小山のようだが、前に回るとコンクリート製で中に空間が広がっていることが分かる。太平洋戦争中に飛行機を格納するために造られた。高さ6・1メートル、幅29・3メートル、奥行き14・4メートルだ。

 この掩体壕は地元千葉県茂原市が保存、管理しており、説明板が立っている。周辺は静かな住宅地だが、市によるとあと10基、掩体壕が残っている。

 ログイン前の続き太平洋戦争が始まる直前の1941年9月、この地域の南側に、滑走路など海軍の航空基地建設が始まり、終戦までにほぼできあがった。戦後、基地跡は工場や学校になった。基地があったことを伝えるのは、滑走路の跡に造られた通称「千メートル道路」を除いてほとんどない。

 地元で県立高校の先生をしていた各務(かくむ)敬さん(62)は90年ごろからこの掩体壕を研究してきた。「掩体壕は私有地に造られた。壊すにも費用がかかることから、返還後も駐車場や物置にされて残った」という。まだ研究の余地は多いが、後継者がなかなか出てこない。戦後71年。「風化は確実に進んでいる」(稲田博一)


■阪神電鉄のトンネルを地下軍需工場に利用(8月13日)毎日新聞
阪神電鉄:神戸中心部の地下 線路上に軍需工場が…
2016年08月13日 11時48分 毎日新聞

 太平洋戦争末期の1945年、神戸市中心部の地下を走る阪神電鉄の三宮(現・神戸三宮)−元町駅間の運転が止まった。空襲が激化し、航空機の部品工場が線路上に移転したためだ。鉄道を止めてまで軍需産業を守った時代。当時から存在を知る人は限られ、71年の歳月を経て歴史に埋もれつつある「地下工場」を証言や記録でたどった。

 「昭和二十年三月二十八日からは三宮・元町間の隧道(すいどう)(トンネル)が地下工場に利用されたため運転を休止した」−−。阪神電鉄が55年にまとめた社史「輸送奉仕の五十年」に地下工場の記述がある。詳しい記述はなく、阪神電鉄も「関係者もおらず社史以上のことは分からない」という。

 米軍による空襲が本格化し、国は45年2月に「工場緊急疎開要綱」を決め、航空機などの工場を分散させて地下に移すことを求めた。戦争遺跡保存全国ネットワーク(長野市)の十菱駿武共同代表によると、地下の倉庫や坑道、新たに掘ったトンネルを利用する例が多く、地下鉄の活用は極めて珍しいという。

 何を作ろうとしたのか。尼崎市立地域研究史料館(兵庫県)が保管する「精機工業所」の社史にヒントがある。「軍需省命令により神戸市阪神電鉄元町終点駅地上6階地下2階全屋を疎開工場として使用」。尼崎市にあった同社は終戦まで海軍省管理工場として航空機エンジンのギアを製造し、「隼」などの名機を手がけた中島飛行機で使われていたとみられる。

 戦後に入社し、社長を務めた亀山清さん(80)=兵庫県川西市=は、同社の戦時中の業務を調べた。当時、歯車の工程の一部を地下工場に移転、元町駅のホームに機械を並べて線路を通路や材料置き場に使い、歯車の歯を整えていたという。「神戸マルジュウ工場」と呼ばれていた。

 大阪府豊中市の岩田昭子さん(89)は、この工場で「勤労奉仕」を経験した。豊中市の梅花女子専門学校(当時)の学生だった岩田さんは、仲間と10人ほどで派遣されたといい、「元町駅の階段を下りると、ホームの上にピカピカの旋盤が一つ。その下の線路の上にも二つほどありました」と記憶をひもとく。

 戦争末期、大阪市内の工場などに派遣されたが、行き先の工場が空襲で焼失することもあった。地下工場でも機械は動いておらず、作業を指示する人もいなかったという。「することがないから、線路におりて歩いてみると、トンネルの奥に止まった電車が見えました」と振り返る。「男の方は出征して工場は焼かれ材料もない。それでも学生は工場に行った。それしかできない。混乱した時代でした」。仲間の多くは鬼籍に入った。

 終戦を迎え、阪神電鉄の社史には「地下軍需工場になった隧道はその年の十一月から再開した」と記されている。【久野洋】


■人吉航空基地跡に大規模地下壕(8月13日)読売新聞
地下に旧日本軍の大規模施設、作戦室など現存
2016年08月13日 19時47分

 太平洋戦争末期に熊本県錦町と相良村にまたがる丘陵地帯に建設され、地上施設の多くが空襲などで失われた「人吉海軍航空隊基地跡」の地下部分に、総面積約1万平方メートルの施設が現存していることが同町などの調査でわかった。

 基地は旧日本軍の特攻隊の訓練などにも使用されており、戦争の悲惨さを語り継ぐ遺跡として保存する動きが広がっている。

 錦町北部の木上地区にある巨大な地下壕ごう。高さ約5メートルの天井部分には、魚雷をつり下げるための木製器具の跡が今も残る。周囲では兵舎として使用された地下壕も複数確認されている。

 戦時中から基地近くに住む新堀徳人志よしとしさん(83)は「滑走路から飛び立つ練習機をよく見に行った」と当時を振り返る。

 町によると、基地は1943年11月に建設が始まった。総面積は約2万5000平方メートルで、長さ約1300メートルの滑走路を持つ飛行場地区、兵舎や司令室がある庁舎居住地区、兵器や自動車の工場があった隧道すいどう地区の3地区に、80以上の施設があったとされる。

 本来は、操縦士などを目指す飛行予科練習生の訓練施設だったが、戦況が悪化し、特攻隊の訓練や兵器の製造なども行われるようになったという。45年3月から建設が進められた隧道地区の作戦室や無線室は、空襲を避けるため地下壕内につくられるなど、本土決戦に向けた拠点だったとみられる。

 地上施設は終戦間際の米軍の空襲で大部分が焼失し、基地跡は戦後、農地となった。地下施設も、住民が農機具をしまう倉庫として使用していたという。

 県内の戦争遺跡の調査を行っている「くまもと戦争遺跡・文化遺産ネットワーク」が2014年、国立公文書館アジア歴史資料センター(東京)に所蔵されていた終戦当時の基地の配置図などの資料を基に、地下の発電施設や作戦室が現存することを確認した。

 その後、錦町による測量調査も行われ、地下壕に造られた無線室や掩体壕えんたいごう跡など約40の遺構を確認した。同ネットワークの高谷和生さん(61)は「現存する地下施設は九州でも最大規模。宅地開発などで多くの戦争遺跡が失われた中、これだけの遺構が残っていることは珍しい」と語る。

 錦町は昨年2月、基地跡を平和学習の場などとして活用するため、「人吉海軍航空隊基地跡活用研究プロジェクト」を発足させた。プロジェクトに協力する郷土史家らが基地の歴史をまとめた漫画を制作。地域住民らが案内役となり、これまで県内外から300人以上が訪れたという。

 町は今後、文化財指定を目指して、遺構の調査を進めるほか、保存方法についても検討するという。同プロジェクトの座長を務める町企画観光課の手柴智晴さん(35)は「戦後71年が経過し、戦争を知る世代は少なくなっている。当時の様子を知り、戦争の悲惨さを後世に伝えるためにも、基地跡の保存と活用を進めていきたい」と話していた。

 (有馬友則)

2016年08月13日 19時47分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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