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四国一周クルージング航海記4 番外編1

四国一周クルージング航海記その5 番外編1 大分〜西宮

              
                インパルス、海悠2艇の瀬戸内海

第11日目 8月14日(月)航程56海里

06:00 マリンピア武蔵を朝日に向かって、ということは、いよいよ帰港に向け、インパルスと
      共に出港。
      今日の目的地は広島県呉市のくらはし海の駅。係船料(無料)に惹かれたのと、明後日
      の寄港地(内海フィシャリーナ)の中間点くらいになるからとの単純な理由によるもの
      です。
      昨日まではナヤサが綿密に計画を立てていてくれたので、ついて行くだけでよかったの
      ですが、いよいよひとり立ちです。
      ナヤサは山口県屋代島の安下庄港で弟さんと合流する予定で、同時に出港。八島、平群
      島を挟んで右と左に二組に別れ行きます。ややガスっぽいが、海は相変わらず静穏この
      上なく、朝日を受けたナヤサの白い三角帆が時間と共にだんだんに小さくなり、ついに
      視界からも消えてゆきました。
      我々は屋代島の東を北上、その際、久しぶりに島寄りを航行する一隻のヨットを見つけ、
      「もしやナヤサ?」と無線呼出しをかけたが、応答のないまま、島に吸い込まれたよう
      に姿を消してしまった。

15:30 情島、津和地島、横島、鹿島を充分安全距離を保ち北上。途中、海の駅に電話して、係
      留の問い合わせをしたが、事務所からは港が見えないので、空いていれば留められます
      ヨ程度の返事で、やや不安であったが、倉橋港に小型船二隻がやっと横付け出来そうな
      赤い浮き桟を見つけほっとする。
      これが「くらはし海の駅」で、片側はゲスト用に空けてくれている。
      港近くには、透明な湯と赤味がかった湯の二種類が楽しめる天然温泉桂浜温泉館がある。
      ¥600
      また、風呂帰りに通る前の桂浜は、白砂青松、日本の渚百選にも選ばれた景勝地があり、
      夏は海水浴で賑わっている。
      珍しいものもある。「管弦船の館」宮島の管弦祭で使われる船は倉橋で建造されてきた。
      「西洋式ドック跡」日本初、1740年頃の築造、これにより砂浜での造船から大きく
      進歩した。ほかにも、「長門の造船歴史館」には実物大の復元遣唐使船を展示してあり、
      倉橋の木造船技術の歴史を体験できるそうだが、見逃してしまった。
      夜食はイタリア風海鮮レストラン〔Mar〕で、私はピザと生ビールを頼んだが、ほかの人
      達はなぜか穴子丼だった。
      夜、港の広場で盆踊りがあった。独特の音頭と踊り(下駄で地面を蹴る)で、青年団が
      伝統を引き継いでいるそうだが、歌?は長老がマイクをたらい回しして離さず、若い衆
      は櫓の上で汗だくで太鼓たたき。始めは高年齢者しか参加していなかったが、夜更けて、
      若い女性も大勢集まりだし、踊りの輪もだんだん大きくなる。
      誰でも参加できるとのことなので、見物しながらチャッカリ寝酒にビールをゲットして
      くる。でも、うるさくて寝られるのかなぁ………

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第12日 8月15日(火)航程52海里

06:00 昨日、地の人から得た情報をもとに、倉橋島と鹿島を結ぶ鹿島大橋?(小橋)をくぐっ
      てショートカット。
      今日の予定は何度か訪ねたことのある「しまなみ海道」を経て、田島の内海フィシャリ
      ーナを目指します。GPSに何本もの航跡が記録されているので、昨日までの未知の航跡を
      刻むのとは心の余裕がちがいます。
      インパルスにも兄貴分になった様な気分で、予定のコースを伝え、先導する。
      マリーナに予約の電話を何度かかけても繋がらない、そうそう今日は火曜の定休日。
      係船料いらずでラッキーだとはいうものの、早くハーバーに着いても、フェンスの外に
      は出られない。食事処もない。お風呂もない。トイレも無い。
      何にも無いのは以前の経験でご承知だ。
      早く着いても手持ち無沙汰、まだ時間に余裕ある。インパルスに途中下車?下船を提案。
      大崎下島のゆたか海の駅へ立ち寄り、赤木さんからよく聞かされていた江戸時代の港町
      [御手洗港]の散策をしよう〜っと。

10:00 大崎下島と岡村島の間の小島を介して架かる3本の橋のうちの真ん中の橋をくぐると
      小長港に突き当たる。フェリー用の大きな浮き桟橋のたもとに2階建てのフェリー待
      合所のモダンな建物が見え、その横に遠目にもネギボウズが目にはいる。
      近づけばやや短い目のポンツーンがある小さな船溜り。そこが、海の駅第1号〔ゆたか
      海の駅〕の係留場所だった
      御手洗の町までは歩くにはチョットという距離があり、熱中症になっても困るというこ
      とで、バスを利用することにする。約5分足らずで到着。
      潮待ち館で簡単な説明を受け、マップ片手に国指定重要伝統的建造物郡保存地区、みた
      らいい町、御手洗を散策する。
      風待ち、潮待ちの港を兼ねた交易の中継地として栄えた、瀬戸内の小さなお江戸見物。
      常磐町、相生町、天神町etc.町屋、船宿、遊郭、劇場、満舟寺、住吉神社etc.
      かっては100人の遊女をかかえていたといわれる御茶屋若胡子屋跡では、瀬戸内の
      歴史に詳しい赤木先生から聞いた[御手洗にはなぁ、むかし大きな遊郭がいくつもあっ
      て、常に何百人の遊女がおって………]、を思い出しながら、しばしタイムスリップ。
      おいらも船乗り、今にも何処かから、声を掛けられそうな………いや、いや、此の度も、
      これからもずぅ〜と、クルージングは夫婦舟………炎暑のための白日夢であっても恐れ
      多い妄想はいけません。早々にこの島を退散退散。

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12:15 ゆたか海の駅、出発。

      大崎上島、大三島、高根島、佐木島をあとに尾道水道もなんなく通過。

17:00 田島の内海フィシャリーナ到着。

      海悠、明日は仕事の都合上、17日出社に間に合わせるには、牛窓ヨットハーバーに舟を
      置いて、陸路、家路を急ぐことやむなしと決定。
      ながらくお付き合いいただいたインパルスの松っちゃん、ヤッチャンとのお別れの晩餐
      は、そうめん、スパゲティ、オニオンスライス、万願寺唐辛子の炒め物、その他のこりも
      のとなるが、チンチンに冷えたビールは海悠が責任を持って提供。桟橋パーティでした。

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第13日 8月16日(水)航程107海里

06:00 目指すは、備讃瀬戸航路を辿って牛窓まで約50海里。いつもどおりの定時出港とする。
      航路筋の粟島あたりまでは、クロースの風、潮穏やかに6ノット代をキープ。
      備讃瀬戸航路の入り口粟島付近にさしかかった時、中野氏から電話がある。
      ナヤサは、台風10号の影響出てきそうなので、昨日は屋代島の伊保田港を3時に出港
      し、粟島まで足を延ばした。今日も早暁に出港、予定を切り上げ今日中に新西を目指し
      て強行軍中とのこと、現在地は高松で、海悠より約4時間先行している。
      また、海はゴミが多いので注意してください、と連絡を受ける。
      そのとき海悠は、潮読みの想定内とはいえ、備讃瀬戸で逆潮に当り対地速度4ノット台
      に落ちている。予想では14時までこの状態を強いられることになりそうだ。さて、
      どうする海悠………
同じように逆潮に捉まっている後続のインパルスは、与島を過ぎたあたりからはマスト
      らしきものさえ双眼鏡でも視認できなくなった。電話で様子を聞いた話では、与島手前
      でゴミの中に突っ込み、ペラにゴムのようなビニールのような物を巻き込み、アンカー
      打ちして潜って取り外したそうだ。
      海悠もいっそうウォッチに気を配り、とりあえずは牛窓を目指すこととする。
      備讃瀬戸航路を横切り、豊島、小豊島を抜ける頃より5ノット代にスピードも回復して
      くる。
14:30 小豆島西北端の小島をかわす。ここから牛窓まで約1時間。明石大橋まで約42海里、
      7時間。明石大橋から新西まで約18海里、3時間。当初の予定通り北へ向かうか、
      それとも思い切って東へむかうか。明石海峡の転流23:11、反流Max(西北西流
      1.5)01:31.クルーの了解を得て、東へ船首を向ける。
      風、波共に穏やかで対地速度は7ノット。
      大部港沖あたりで、再び中野氏より電話。ナヤサは現在播磨灘航行中、波、風共に
      上がってきたとのこと。
      キャビンやコックピットを片付け、1ポン〜2ポンでいざという時に備える。
      時間を稼ぐため、一段とスロットルをあげる。ピーッといきなり警報音。そういえば、
      先ほどキャビンに入った時、ジージーと訳の判らん雑音がしていたが、オーバーヒート
      の前触れだったか。
      スローにして、決断よく船首を牛窓に向けなおす。播磨灘や明石海峡での漂流騒ぎは
      避けなければと、ゆっくり牛窓へ。
      警告音は止み、冷却水は今までどおり出ている。エンジンだって疲れたんだろう、
      1800回転くらいなら辛抱してくれそうだ。再びクルーに告げる。
      やっぱり、東へ向かおうと船首をかえす。
      播磨灘はそんなわれわれに優しく、波、風共に上がることなく、陽だけがどんどん落ち
      て行き、闇がまわりを取り囲む。

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      三度目の中野氏から電話。ナヤサは現在明石海峡で苦労中。雷が鳴り、風も30ノット
      を記録し、波も高い、気を付けて航海してくださいとのこと。

22:00 暗夜航路の明石海峡は大型船ラッシュで混雑。航路標識や、航海灯の向きに神経を使い、
      目を四方にめぐらしながらヒヤヒヤもので、大橋通過。
      潮は逆。風はヒューヒュー、波はドンブラコ、エンジン回転上げられず、対地速度は
      2ノット前後。いつまでも明石大橋がおおいかぶさり、平磯の灯が近づかない、近づい
      たら近づいたらでいつまでも離れない。GPSの新西到着予定時刻が見る度に遅れてくる。

        続く・・・

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