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第二弾。
第一弾はこちら。http://blogs.yahoo.co.jp/sisyphe_dans_le_mythe/44853545.html
永井均の著作風に。
登場人物はナターシャ(アメリカ在住・21歳・♀・哲学専攻・メガネ美女)
と、ジュンヤ(日本在住・23歳・♂・医学専攻・メガネ不細工)。
断っておきますがどちらも架空の人物で、仮名です。
なお、会話は英語だったので、全部僕の勝手な日本語訳です。
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ジュンヤ「科学的に生死を決めることってできるのかな。
もう少し厳密さを希薄にして、法律的にはどうなんだろう。」
ナターシャ「法律では "定義できる" というよりは、
"定義しなきゃ話が前に進まない" という感じじゃないの?」
「例えば?」
「だって胎児が生きてるかなんて、どうやって決めるのよ。
そういう不確定なものは、各々の国で "所有権はないけど相続権はある" とか、
そういう風に決めていくしかないと思う。」
「んじゃ、余りに小さい胎児は人間として認めないということね。
田嶋陽子先生に叱られそうだけど、僕もそう思うよ。
少なくとも胎児、あるいは学童や認知症の老人は、人間ではあっても"人格"ではないと思う。
でも、"生まれてきてないなら人間じゃない" が通るなら、
"次世代の子供たちが困るから、資源を節約しなさい" ってのも奇妙に聞こえるね。
まだ生まれてない次世代の子供なんて、人格どころか人間ですらないのに。」
「ほらまた危ないことを言う・・・。
法的に人間ではないだけよ。だからといって私たちが無駄遣いをして良い理屈にはならないわ。」
「微妙なラインで行くと、精子や卵子を認めるか、だね。
日本でやってた裁判は "凍結保存した精子で生まれた子供は、父親の子供として認められるか"
って奴だったけど、やっぱり法律家がずいぶんモメてたよ。」
「で、判決は?」
「松山地裁は "社会通念に反するのでダメ"、
高松高裁は "生まれた子の福祉を考えれば認めざるを得ない"
最高裁は "子の福祉はあるが、やはり公序良俗に反するといわざるを得ない"」
「どうなってんのよアンタの国はw」
「それだけみんな戸惑ってるってことだよw 僕は高裁を支持するけど。
でも、日本で認められなくても、例えばそれが許される国へ行っちゃえば、
子の福祉は保障されるんだよね。」
「そりゃまぁ、国籍が取得できればね。」
「子の福祉ってのはずっと続けられるべきものだけど、
例えば一時的な入院で済む、特殊な手術とかだったら、国籍を取得できなくてもいけるじゃん?」
「ん、例えば?」
「例えば移植。日本は脳死移植が少ないし、15歳未満の人は移植できないから、
よくアメリカで移植してもらってるよ。
あと有名なのは代理母だね。受精卵は夫婦のだけど、子宮は他の女性に借りた例。」
「でもそれは国際法で整っていない以上しょうがないわよ。
クローン人間が世界中で認められていないのは、国際的にダメだからでしょ。
それ以外の移植や代理母にしても、アメリカにだって
受け入れるには受け入れる理由があるわけだし。
移植のデータが欲しいのかも知れないし、国際的な評判が欲しいのか知らないけど、
少なくとも日本みたいな劣等島国みたいに
"自分の国の人間の命を外人にやってたまるか!"みたいな狭隘な馬鹿右翼はいないわ。」
「そっか。それは一理あるかも。
でも、日本では倫理的に認められてないのに、外国では認められてる事例って、
他にもたくさんあって、今のところ移植や代理母で済んでるけど、
怖いことはいくらでも思いつくなぁ。」
「他には何があるかしら。」
「安楽死とか・・・。」
「・・・あ、それヤバいね。」
「アメリカは積極的安楽死みとめられてるの?」
「積極的ってのは、医者が手を下すことで、ってことよね?
例えば人工呼吸器を引き抜いたり。」
「そうそう、日本ではT大医学部付属病院ってところで事件あって、
判決は厳しい条件つきでOKを出したの。医師会は禁止してるけどね。」
「確かオレゴン州では認められてたはずよ。
アメリカは州ごとの判断が大きいし、日本の最高裁の判例みたいなコダワリ小さくて、
個々の事例によってコロコロ変わったりするからね。
日本で最高裁が言ったことって、法律書に書かれてるくらい絶対的なものなんでしょ?」
「んー、判例偏重ってのはアチコチで指摘されてるね。
他の外国ではどうなんだろう。」
「確かオランダとベルギーは積極的安楽死OKなんじゃなかった?
お医者さんたちがそれに反対しまくってるニュースを見た気がする。」
「へー、そうなんだ。
じゃあ例えば僕の母親が意識なくて、人工呼吸器で、静脈からチューブ突っ込まれて
僕がもし辛くなったら、その母親つれてオランダに飛べばいいんだ。」
「んー、実際問題そのお母さんを飛行機に乗せられるかどうかw
でも、密航だろうと何だろうと、オランダまで運びさえすれば、
あなたが罪に問われる理屈ってあるのかしらね。」
「さぁ、僕は法律家じゃないから・・・」
「私も・・・」
「今日ここに法律家を呼ばなかったのが唯一の失敗だ。」
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