2011年9月の読書メーター
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2011年9月の読書メーター 読んだ本の数:10冊 読んだページ数:2933ページ ナイス数:56ナイス ■RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女 (カドカワ銀のさじシリーズ) 最初の巻の頃の作品世界観の説明的な描写に比べれば、物語として読む分にはとても読みやすくなった。しかし一方、この作品の設定があまりにマンガ的であり、本格ファンタジーを読んでいるというより、薄っぺらいラノベファンタジーを読んでいるに過ぎないという感じが離れない。勿論、こういう年頃だから恋愛も大切な要素だし、主人公たちの戸惑いや逡巡もリアルなのだが・・。世界を揺るがすような大きな要素が、ある年代の人物たちにのみ関わり、それがひとつの学園に集まるってことにどうしても違和感を覚える。俺もここで打ち止めか? 読了日:09月30日 著者:荻原 規子 http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13713804 ■恋の病は食前に 惚れっぽく、すぐ一目惚れしちゃう料理評論家、草刈春男を狂言回しに、彼と関わる人々の姿を「B級グルメ」食品と絡めて書く、連作短編集。ただし連作ではあるが、一冊でひとつの物語を作るものではない。正直、言って、薄く、中途半端な作品。せっかく、B級グルメや料理評論家をモチーフに持ってきているのに、それを深く書きこまないし、奥田英朗の伊良部先生を思い起こさせる、料理評論家の奇人ぶりも物足りない。軽く、くすくす笑いながら読む分にはいいのかもしれないが、この作家に期待する「料理」要素も、物語も不満を残す。頑張って欲しい 読了日:09月30日 著者:拓未 司 http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13713727 ■畦と銃 ミナギと呼ばれる田園風景の広がる土地。そこは農業、林業、畜産業を営む第一次産業従事者が住まう地。荒くれで、銃が飛び出すような素朴な暴力的でパワフルな土地に起きる幾つかの事件。真藤順丈という作家は「地図男」で古川日出男の亜流を見、その後「庵堂三兄弟の聖職」には王城舞太郎を見た気がしてちょっとどうかと思っていたが気になる作家だ。本作はそのふたつがうまく融合し、なかなか読ませる「物語」になっていた。3つの物語を最後のエピローグでうまくまとめた。とにかく「銃」の存在は強烈。オススメ作品。 読了日:09月30日 著者:真藤 順丈 http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13713547 ■刑事のまなざし 薬丸岳はデビュー作を頂点にどんどんフツーの読み物作家へ転がり落ちている気がする。自身の娘を襲った悲劇をきっかけに少年鑑別所の法務技官から刑事へと職を転じた主人公、夏目。幾つかの事件を通し、明かされていくのは・・。この作家が書き続けるのは、法律が裁いたことですべては決して終わらないことであり、また人の哀しい現実。各短編はそれぞれ決して気持ちのよい読後感を与えてはくれず、考えるべき問題を提起していく。しかし作品の問題は、提起する問題がありがちなもので終わり、深みに欠けていること。もっと深くえぐり、書くべきだ。 読了日:09月24日 著者:薬丸 岳 http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13586295 ■ARAKURE あらくれ (ハヤカワ・ミステリワールド) ま、タイトルからもエンターティメントしか期待できないのだが、見事に何もないからっぽな娯楽小説だった。幕末の時代、ひょんなことから拳銃、ライフルを手に入れた主人公たちが賭場を襲うケチな強盗から、いつの間にか弱気者の味方となる、あぁ、あのパターンね、の<股旅ウェスタン>。予想通りの物語の展開が、ラストまで驚かせるものが何もなく進む。読み終われば「あぁ、面白かった」だけの作品。飽きなく読ませるという意味では悪くない。しかしハードカバーの価値はない。 読了日:09月23日 著者:矢作 俊彦,司城 志朗 http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13579449 ■勝手にふるえてろ 女流作家としては割と好んで読んできた作家だが、どうもだんだんフツーの女流作家作品を書くようになってしまった感がある。26歳の処女OLである主人公の大人になりきれない姿が、彼女に行為を寄せる自己中心的な男性の姿とともに、どうにも共感できないまま、最後まで読み進めてしまった。そしてラストでは唖然。たぶんこの主人公がアラフォーで同じ設定だったなら、まだ共感が湧くと思うのだが、26歳の女性でこの妥協はたまらない。物語中盤までの主人公の観察力は、この作家ならではのものを感じたが、一冊の作品としては評価できない。 読了日:09月23日 著者:綿矢 りさ http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13579337 ■ギャングエイジ 新学期の始まる4月間近、急に教員に採用された主人公は、ギャングエイジと呼ばれる年代、小学校3年生のクラス担任を任される。この学年、実は前年、あるクラス担任が失踪してしまういわくつきの学年だった。新人教師である主人公は無事、担任を務めきれるのだろうか?ごく普通の青年でしかない主人公の様子を、都合のよいお話しにせず、リアリティーのある物語として川端裕人は書く。しかしそのリアルは、いわゆる物語を、盛り上がりを欠くものにしてしまった。一方、一部ちょっと都合よいところもありちぐはぐも少し感じる。残念、もう少し。 読了日:09月23日 著者:川端 裕人 http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13579142 ■馬たちよ、それでも光は無垢で 福島出身のこの作家が、あの東北を舞台にした一大巨編「聖家族」をその底に起き、311で荒廃した福島に自ら赴き、感じたことを文章にした作品。正直、理解したとか、心に響いたという気分にはならないが、あぁ、この作家は「感じた」んだなということがびんびん響いてくる。それは良いとか悪いとかではない。今、このとき(丁度911とあの震災より半年以内)に読めたことはとてもよかった。ただ先に述べた通り、客観的な評価とは遠い、主観の叙述作品なのかもしれない。 読了日:09月11日 著者:古川 日出男 http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13328005 ■GF(ガールズファイト) 戦う女性をテーマにした5編の短編小説集。最初の物語の女性が30代ではあるが、タイトルどおり「女の子」の物語といえなくない。しかしなんというかとても御行儀良く収まってしまった。従来の久保寺健彦作品にあった、よきにせよ悪しきにせよヘンではじけた部分がまったくない。だれが書いたのかわからない。たぶん一般的に好感度を持って受け入れられる作品だろうが、その分個性というかクセがなく、あとに残らない気がする。最近の「女の子頑張れ」の流行に乗っただけの作品にしか見えないのが残念。この作家にはもっと頑張って欲しい。 読了日:09月05日 著者:久保寺 健彦 http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13216694 ■モーダルな事象 (本格ミステリ・マスターズ) 続編より先に読みたかったが、果たして続編を先に読んでしまった。だが本書を先に読むと、続編は肩すかしかも。とある事件に巻き込まれた大学助教授。その大学助教授を中心に描かれる物語と、事件に少し関わった「元夫婦の」二人の探偵よろしく謎を追い求める物語のふたつの流れから成るスタイル。饒舌な無駄話。しかし無駄と思わせず、読書をした気分にしてくれる。でも、振り返ればやはり無駄か(苦笑)。時空を超えるミステリィもも良い。同じ作家の別の作品(やはり時空を超えるミステリィ)に登場するフォギーの登場も嬉しい。 読了日:09月05日 著者:奥泉 光 http://book.akahoshitakuya.com/cmt/13216590 |

