Ashley事件から生命倫理を考える

世の中は想像していたより、はるかにコワイ・・・

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GuntherとDiekemaの論文が乳房芽の切除を報告していないとして疑問視する“Only Half the Story”と題した書簡と、それにGuntherとDiekemaが反論する“Only Half the Story—Reply”と題した書簡がArchives of Pediatrics & Adolescent Medicineの6月号に掲載されていました。

前者の著者はフィラデルフィア子ども病院で肺疾患が専門のCarol Marcus医師。去年秋の当該論文について、

成長抑制しか論じていないがTimeの記事によると乳房芽と子宮も摘出している。論文ではあたかも家族の要望が介護しやすさを目的としたもののように書かれているが、実際には赤ちゃん扱い(infantilize)と思春期の兆候と生理を取り除くため。このような議論はアシュリーに行われた手術の医療的適応にあてはまらない。その議論を当てはめれば、人工肛門とか尿道への手術もしてよいということになるのでは?
 

そして、「身長抑制の倫理問題のみに焦点を当てている点で、この論文は非常にmisleadingである」と結論付けています。

ただし、Marcus医師は「盲腸だって手術のついでに取ってよいことになるではないか?」とも書いているのですが、盲腸は子宮摘出のときに実際に摘出されており、同医師は事実関係を細部まで把握していないことを暴露してしまっています。

   ―――――――――――――――――――――――――

それに対する、Gunther、Diekemaの反論。

QOLのための身長抑制を論じるための論文であり、それ以外のことは直接関係無いので報告しなかっただけ。子宮摘出について書いたのは、エストロゲンの副作用に直接的に関係したからに過ぎない。子宮摘出の医学的理由については論文の中で十分に論じている。乳房芽の摘出は全く別個の要望であり、ついでに行われた盲腸の切除も含めて、成長抑制には無関係である。

それぞれの処置はそれぞれ別の理由で行われたもので、別個の要望であったと捉えた。それを1まとめに”アシュリー療法“と呼ぶのは両親とメディアであり、医師ではない。乳房芽の切除を書かなかったのは、それが成長抑制に必ず含まれるという処置でなかったから。

さらにこれらの処置の目的は「赤ちゃん扱い」でも「思春期の兆候と生理を取り除くこと」でもない。動機は常に本人のQOLの向上。アシュリーは背が低いままで胸も大きくならないが、正常に成熟する。

短いのでExtractはないのですが冒頭部分が以下のサイトで読めます。論文の購入にはそれぞれ15ドルかかりますが、この書簡はいずれも1ページに満たない短いものなので非常に割高でした。(上記の囲み部分は直接の訳ではなく、かいつまんでまとめたものです。)

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