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ピロリ菌

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ピロリ菌

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ピロリ菌のお話


 私が住んでいる市で「お誕生日検診」を無料でやってくれるので毎年参加している。

今年はゲップが異常に多く出るので、特に「胃カメラ」をやってもらった。

 結果は「胃炎」と「ピロリ菌」がいると診断された。以前にヨーグルトで「LG21]というのが

「ピロリ菌」によいと聞いたことがあった程度の知識で、まさか自分に降りかかってくるとは

夢にも思わなかった。

「ピロリ菌」には2種類の抗生物質を1週間「朝と晩の2回」飲み続けなければならない。

間を抜かすとそれだけ効力が減退するとのこと。早速実行にとりかかった。

ヘリコバクター・ピロリのひみつ
これがヘリコバクター・ピロリです。(以下ピロリ菌とします)ピロリ菌は人間の胃の中に住んでい

る細菌です。

1980年代に発見されましたが、この菌が胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因となっているということが、

近年明らかになってきています。

長さは4ミクロン(4/1000mm)で、2〜3回ゆるやかに右巻きにねじれています。片側(両側の場合

もあります)に4〜8本のべん毛がはえています。

ピロリ菌は胃の粘膜を好んで住みつき、粘液の下にもぐりこんで胃酸から逃れています。また、

十二指腸の粘膜が胃と同じような粘膜に置き換わってしまった場所(胃酸から十二指腸を守るため

にこのような変化をする場合があります)では、ピロリ菌が住みつくこともあります。
ピロリ菌発見の歴史
胃は食べ物を消化するために強い酸性の胃液を出しています。そんな環境に住める細菌などある

はずがないという考え方が長い間伝統的にありました。

ところが1979年、オーストラリアのロイヤル・パース病院の病理専門医ウォーレンが、胃炎をおこ

している胃粘膜にらせん菌が存在していることを発見しました。ウォーレンは同じ病院に研修医と

してやってきたマーシャルと共に研究をすすめ、この菌が「胃に住みついている」ということを

確信し、この菌によって胃炎がおこると考えました。
なぜ強酸性の胃の中でも生きられるのか
胃の酸度はpH1〜2です。ピロリ菌が活動するのに最適なpHは6〜7で、4以下では、ピロリ菌は生き

られません。ではなぜピロリ菌は胃の中で生きられるのでしょうか?

秘密はピロリ菌の持つウレアーゼという酵素です。この酵素によって胃の中の尿素という物質から

アンモニアを作り出すのです。アンモニアはアルカリ性です。このアンモニアが胃酸を中和するのです。

そのようにしてピロリ菌は自分の周りに中性に近い環境を自分で作り出すことができるので、

強酸性の胃の中でも生きていられるのです。
どのようにして胃の中に入るのか
 日本では年齢とともにこの細菌を持っている人が増えていき、40歳以上では約75%の頻度となります。

人から人への経口感染(口から口)がほとんどで、家族内での母親から子供への感染(たとえば

一度口に入れた食べ物を子供に与えるなど)が主体と言われています。

 このようにほとんどが子供の時に感染しますが、あまり心配しないでいいと思います。たとえ

感染しても大半は病気にはならず、また生活環境の進歩、生活習慣の変化とともにこの菌を持って

いる人は減少しているのです。

しかし、ゴキブリがピロリ菌を運んでいる可能性が指摘されていますので、小さな子供の

いる家庭では、台所を清潔に保ち、ゴキブリの駆除を心がけることが大切です。

 一方、内視鏡検査を介した感染が問題となっていましたが、消毒方法の改善により感染は少なく

なってきています。

性的接触による感染は否定的ですが、ペットからの感染についてはまだまだ検討が必要なようです。

どのような病気に関係するのか

 1.胃潰瘍、十二指腸潰瘍(除菌治療が勧められる病気で、唯一保険適用となっています)

 最も注目されている病気です。潰瘍の方は、健康な方に比べて感染率が高くなります。昔も今も

そうですが、潰瘍は一度よくなっても必ずといってよいほど再発し、患者さんは薬をなかなか

やめることができません。

そして、私たち医者の間でも潰瘍は再発することが当たり前と思われてきました。ところが、

除菌により再発が明らかに減少することが分かりました。この効果は、特に十二指腸潰瘍で大きい

ようです。
 2.胃MALTリンパ腫(除菌治療が勧められる病気)

 あまり聞き慣れない病気ですが、悪性度の低い胃悪性リンパ腫です。除菌治療が第一選択の

治療法であり、これにより約70%のリンパ腫が改善します。改善した場合の長期予後は極めて良好です。
 3.胃炎(萎縮性胃炎は除菌治療が望ましいとされています)

 動物実験、人体実験(この菌の発見者は自ら飲み込んで実験を行っています)から、慢性胃炎、

特に萎縮性胃炎の重要な原因であることは証明されています。この菌が胃の中に入るとまず急性の

胃炎が起こり、長い年月をかけて萎縮性胃炎になります。今まで萎縮性胃炎は加齢現象と言われて

きましてが、ピロリ菌感染者のみが萎縮性胃炎になり、除菌によりその程度が改善します。ただし、

慢性胃炎の原因にはそれ以外に、加齢、塩分の過剰摂取、アルコール、タバコ、野菜の摂取不足など

多くのものがあります。
 4.胃がん(早期胃がん対する内視鏡的胃粘膜切除後のみ除菌治療が望ましいとされています)

 日本では胃がんが多く、世界的にみても日本での感染率は高いようです。さらには1994年世界

保健機構(WHO)はこの菌を疫学的調査から確実な発がん物質と認定しました。しかしながら、

がんの発生にどのように関係するかはまだ分かっておらず、早すぎる結論かと思います。現時点

では、この菌に感染すると上で述べた萎縮性性胃炎(胃がんの発生母地の1つ)になり、その中の

ごく一部が胃がんになるという仮説が立てられているにすぎません。

 日本での胃がん研究のレベルは世界のトップレベルにあります。現在国立がんセンターなどで、

菌をなくすことによって胃がんを予防できるかどうかの大がかりなトライアルが進行中です。

早期胃がんに対する内視鏡的粘膜切除術後のがん発生が除菌により抑制されることが報告される

など、胃がん発生の予防効果があることはほぼ証明されました。
5.胃過形成性ポリープ(除菌治療が望ましい病気)

 よくある良性のポリープです。除菌成功例では、約70%のポリープが消失します。
6.その他(除菌治療が検討されている病気)

 Non-Ulcer Dyspepsia(NUD)、胃食道逆流症(GERD)、特発性血小板減少症(ITP)、

慢性蕁麻疹、小児の鉄欠乏性貧血、虚血性心疾患、偏頭痛、ギランバレー症候群などとも関連

があるようです。
参考
http://naisikyou.com/iii/

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