フロントナック・ファンクラブ

本と映画と音楽によるゆるやかな安らぎの時間を貴方へ

ニクいぜ、ユーミン。

最近の自分のユーミン熱はスゴイ。今さらだと思われても、やはり彼女はすごいのだ。

昨日、前から欲しかった『時のないホテル』をようやく買えた。
しかしなかなかこれがCDショップに置いてなかったので手こずった。あるのはベスト盤が数枚のみ。HMVでそうなのだから、他のCDショップでもそうなのだろう。
彼女は確かにはっきり言ってしまうと今の時流に乗った音楽のスタイルではないのかもしれない。青山テルマというおもろい名前の女性と一緒に歌を歌っていたSouljaとかいう人と一緒に今度CDを出すようだが、ファンとしては、そこまでしないといけないのかと若干の哀しみを覚える。ユーミンは永遠にユーミンであるのであって、誰かとコラボなぞしなくとも彼女の作品は輝きを放ち続けるのだから、もうそんな今風なことはしなくてもいい。と思っている。

彼女の昔のオリジナル・アルバムを聴けば、彼女の才能が過去から現在も含めても群を抜いていることがすぐわかるはずだ。自分は初期松任谷時代が最高だと思って止まないのだが、その頃の彼女の作品は研ぎすまされた歌詞の世界と、洋楽にどっぷりと染まったメロディーに満ちている。
特に彼女の歌詞は秀逸で、特徴は情景描写を優先し、やたらと内面世界には踏み込まないことがあげられるだろう。これは今の歌手の人たちでもなかなかやり遂げている人は少ない気がする。恋だ愛だのを書き連ねることは彼女はしない。恋を描いたとしても必ずなにかフィルターを通してから描く。そこが彼女の作詞家としての腕だろう。
そして彼女の描く風景は音とぴったりとシンクロする。初期松任谷時代の作品には乾いたギター音が多く用いられているような気がするが(半田健人じゃないから詳しい楽器の内訳はわからんが)その音が芸術的な歌詞と混ざりあうと、ひとつの絵画として昇華され、それが耳から脳へと映し出され、まるで脳内で映画を見ているような感覚を覚える。

歌詞という点から何度も論じるが、彼女の言葉のチョイス、その言語における嗅覚は半端ない。
マイ・フェイヴァリット・ソングの『よそゆき顔で』で「砂埃の舞うこんな日だから 観音崎の歩道橋に立つ/ドアのへこんだ白いセリカが下をくぐってゆかないか」というフレーズがある。
ここで観音崎の歩道橋と白いセリカという言葉を歌詞として登場させるところがまずスゴイ。「観音崎の歩道橋」という言葉だけで場所のイメージが頭の中で浮かんでくる。もちろんそこに一度も行ったことがなくてもだ。そして白いセリカだ。白いセリカという車をそこに持ってきて、歩道橋の下をくぐっていくことで、歩道橋の言葉の意味が大きく生まれてくる。そしてそこから逆算的に「砂埃の舞う日」という気候的な情景が大きな意味を持ってくる。しかしもっとスゴイのは、その白いセリカがドアがへこんでいるところだ。この「ドアのへこんだ」だけで、その車が物語的な意味で、過去という時間や歌の中の主人公との思い出を帯び始めてくる。この短いフレーズの中にこれだけのイメージを喚起できる言葉を詰め込め、しかもメロディーにうまく乗せられるのは、まさに才能以外のなにものでもない。しかもこれは実際に聴いてみないとわからんのだが、ギターの音が砂埃の舞っている感じなのだ。好みだけど、本当にこの曲はすごいと思う。

この前旅行をしていて中央自動車道をバスで移動している時に、当然のように『中央フリーウェイ』を聴いていたのだが、その時にも有名な「右に見える競馬場 左はビール工場」というフレーズを耳にした瞬間に、ああやはりこの人の作詞の才能は半端ないと思ってしまった。この、ただ道路を走っていれば見える風景を誰が歌詞に乗せようと思いつく?(いや思いつかん←反語)。そこに気づいた彼女の才能、本当にずば抜けている。
洋楽テイストなメロディーを用い、オシャレを気取りつつも、一曲の中で物語を(しかも視覚的な。まるで映画のような)作り上げるユーミン、ニクい。ニクいよ。
苗場のLIVEチケット取れなかったぜ、畜生。


.

sun*a*8pm*09*
人気度

ヘルプ

Yahoo Image

  今日 全体
訪問者 0 1052
ブログリンク 0 1
コメント 0 2
トラックバック 0 6
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

標準グループ

登録されていません

検索 検索

開設日: 2006/4/20(木)


プライバシーポリシー -  利用規約 -  ガイドライン -  順守事項 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2012 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.