居酒屋名人の文章に酔いしれる「ひとり旅ひとり酒」
|
■ひとり旅ひとり酒/太田和彦/京阪神エルマガジン ■内容■ 居酒屋の伝道師、太田和彦がツイーと旅した西日本の名酒場! 西日本で出会ったうっとり酔えるひとり酒の店約200軒。 ■読書感想文■ 好きな四字熟語は?と問われれば 「一石二鳥」とか「一攫千金」とか「一網打尽」とかを 挙げますが(ラクして利益を得るものばかり…)、 好きな漢字三文字は?と問われれば 真っ先に「居酒屋」を思い浮かべる私です。 三重県に引っ越して約6年。 食べ物は美味しいし、住環境は快適だしと なかなかに気にいっておるのですが ただ1つ残念なこと。 それは歩いて行ける距離に良い居酒屋がないこと! 行きつけの居酒屋で酒をキューッと飲みながら あてをつつく…そんなささやかな夢がかなわないときは 良い居酒屋本を読んでトリップするに限ります。 ********* 著者の太田和彦さんは グラフィックデザイナーであると同時に 居酒屋探訪家でもあるお方。 数々の居酒屋本を出版されているようですが 今作が私にとっての初太田本。 馴染みの店に行き、そこで別の店を紹介してもらい、 そちらを訪ねる…という形式でのはしご酒。 西日本の居酒屋&Bar、行きも行ったり約200軒。 富山、岡山、広島、高知、福岡、鹿児島… 訪ねた土地ごとに章が分かれているので、 寝る前に1県、熱燗をちびちび飲むように 少しずつ読んで眠りについてました。幸せな読書時間だわ〜。 ********* 200軒近く行ってるせいもあるんですが、 1つ1つのお店の紹介はごくごく短め。 全編に渡って写真も掲載してあるんですが それも非常に控えめ。 だから読んでて「もう少し店の情報が欲しい!」 「もっと料理や酒のアップの写真が見たい!」とも 思うんですが、その物足りなさが、 まだ見知らぬ店への妄想を駆り立てられてとても良いです。 太田さんの押しつけがましくない文章もグッド。 「ほんとは教えたくないんだけど ちょっとだけ教えちゃうヨ」とでも 言わんばかりの絶妙さ! 「萬年雪」の新酒冷やに、時季の小さなイカ「べいか」は 子持ちの腹がねっとりとしてとてもおいしい。 ちょうど魚屋からサワラの大箱が届き、私も身を乗り出して見ると 体長およそ70センチ、カツオのように太く張りすぎず スマートな大柄美女系だ。この刺身もいずれ。 黒い殻に朱色鮮やかな「八幡浜殻付きウニ」を匙でそっとすくって口へ。 うっとりする甘みに思わず「ああ……」。 男がこんなため息を吐いてよいのだろうか。 私なら美味しいもん食べちゃうと興奮して 「ぼたん海老キターーーーー!!!」とか 「口の中が海鮮のねぶた祭りやーーーー(意味不明)」とか 美味しんぼの富井さんばりに「ンマーーーーーい!!」とか 感情のままオーバーに書き立ててしまいそうですもん。 それを抑えた文章ながら その店や働く人、料理、酒の素晴らしさを 端的に伝えきってるところは見事というほかありません。 また、各章のタイトルの付け方も粋でして。 「境港の煮干しにひかれて妖怪参り」 「富山の昆布〆と未亡人の夢」 「博多、ラストダンスは私と」 「鹿児島の薩摩おとこに演歌ながれて」 この土地ではどんな出会いや物語が待っているのか。 読む前から期待がふくらみます。 料理や酒だけではなく、 その店の主人や女将、マスターをはじめ、 常連の方々など、出会った人々との交流がこれまた愉し。 親子3代に渡って切り盛りしている 愛媛県・松山の居酒屋などは、そのエピソードとともに 3代揃ってカウンターに立っている白黒写真を撮影したものが さりげなく掲載されていたりして。 まるでこの文章と写真が、良い酒と料理の組み合わせのよう。 と、そんな感じで、年季の入った居酒屋や、 格調高そうなBarなどは ふらりと気軽に堂々と入っていく太田さんなのに、 長崎・佐世保で出会った ハンバーガー屋でオーダーするときは 一気に挙動不審になってしまってて面白い(笑) 「ベベ、ベコ、ベーコンエッグバーガーくらさい」 「アイアイ、アイスコーヒー」 ふふふ、年上のおじさまながらめちゃくちゃ可愛かったです。 飲食店に入ったときってなんとなく アウェーなのかホームなのか 感覚で分かりますもんね。 ********* お酒に例えると あっさりさっぱり後味すっきりの 辛口日本酒のような味わいの1冊。 (そんなに酒には詳しくないですがね!) 忘れたころにまたパラパラと読み返し、
いつかこの本に書かれている土地を旅するときは ぜひともお供にしたいと思いました。 |
西日本ということは
近くに素敵なお店があるんだな〜とふと
思いました。
しかし私は下戸なんで
食べる専門なんですよね。
文章もかなり大人ですし。
お酒飲めるともっと大人を楽しめるとは思うんですが
お酒飲める寿司子さんがうらやましいです。
2011/12/22(木) 午後 10:05 [ garnetstar11 ]
倉敷で食べた「ままかり」、酒の肴にグッドでしたねエ(笑)思いだしちまった・・・。
2011/12/23(金) 午前 7:41
自宅近所の超オススメの居酒屋があるにも、
関わらず年間行く回数が3回以内のHANAKOです。
食レポって難しいですよね。
しかも、こんな静かなテンションなのに
読んでるひとに、「うぅっ」って衝撃与えられるの素晴らしい。
2011/12/25(日) 午後 11:50
garnetstarさん〉お酒好きだけどそんなに強くは
ないんですけどね〜。飲める酒も限られてるし、
食べながらじゃないとすぐ酔っちまいますし。
西日本なんだけどみごとに東海地方は外れてたので
残念ですわ〜
2011/12/26(月) 午後 9:14
トリックスターさん〉この本の中では倉敷が一番行きたい
店が多かったですよ!
岡山は出身地なんですが全然詳しくないんで
この本片手に飲み歩いてみたいっす〜
2011/12/26(月) 午後 9:15
HANAKOちん〉あの鉄板焼きのお店?HANAKOちんのまわりは
いっぱいお店ありそうだもんな〜。
そうそう、この人テンション高くなくてしみじみと飲んで
食べてるのに読んでるこっちのボルテージはどんどん
上がっていくの。上手だなーと思ったよ。
2011/12/26(月) 午後 9:17