先日NYに出張に行ったばかりですが、そのあと間をおかず北京にも出張となった。
NYのレビューもほとんどしないうちに中国のリポートというのもなんだかだが、いろいろ考えさせられる出張ではあった。
僕はこれまで計3回、北京を訪れている。
十数回も訪れているヨーロッパなどに比べれば少ない。上海には2年ほど前に仕事で行ったが、最近では北京に仕事で行ったのは実に久しぶりのことだ。
最初に訪問したのは1979年。
まだ街は人民服と自転車の洪水だったから隔世の感があるのは言うまでもない。
前回の上海訪問と比べるととりわけ印象的だったのは、ネット規制が驚くほど厳しくなっていたことである。
「規制」というより「禁止」と言ったほうが近いかもしれない。
twitter、facebookは完全にダメ。googleもキーワードによってほぼ9割がた遮断される。
ジャスミン革命以降当局の警戒心が強まったことによるのはわかるが、こんなことで今後「世界の大国」としてやっていけるのか、いつまでこんなことを続けるのだ、という感は強い。VPN業者を使えばつなげる裏技があるので、富裕層は使っているようだし(70万人という説がある)、しょせんネット規制をするなど、ネットが張り巡らされた現代のグローバル世界では無理なのである。
もう一点、感じたのは、これは上海との比較だから一概に中国全般に言えるかどうかわからないが、ホテルなどのサービス業のホスピタリティがかなり上がったことだ。
北京の場合、オリンピック以前から当局の徹底した「浄化政策」と「サービス教育」が行われたと聞いているので、そのためもあると思うのだが、宿泊したホテルの女性スタッフの対応に強くそれを感じた。
フロントのスタッフは英語もほとんど話せない子たちが多いのだが、こちらが何かリクエストした時のちょっと戸惑ったような、それでいて一生懸命対応しようとする様子が可憐であった。
タクシーが来ないので、つかまえてくれないかと頼んだとき(ポーターではない。フロントの女性である)、大通りの反対側まで出て必死につかまえようと走り回る様子は、かつてのサービスを知る者にはなんとも感慨深いものである。なかなか表には出てこない特性だが、親しくなると実は中国の女性にはもともとこういうところがある。
それがホテルのスタッフに出てきたところに中国の変化を感じたという話である。
中間層を中心に、今、中国で確実に何かが変わろうととしているような気がする。
そこからくる自由への希求を、当局が抑えつけようとしても抑えられるものではないのではないだろうか。
そのことに指導者たちはそろそろ気づくべきである。(地方のコントロールが難しいのはわかるが)
そして我々日本人も、中国人への偏狭な批判ばかりでなく、時に彼の地で起きている「ポジティブな変化」を応援する心の余裕がほしい。
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