映画「モテキ」を観てきた。テレビドラマのほうは全く見ておらず、あまり期待もせずに行ったのだが、驚いた。
これはここ数年で特筆すべき、邦画には珍しいテンポの良い「ミュージカル」であり、センスの良い「コメディ」であり、リアリティに溢れた「恋愛映画」である。
ドラマを観ていた人はいまさらだろうが、簡単にストーリーを紹介すると、恋愛に奥手で30歳を超えても「セカンド童貞」状態にある男が、ある日突然もて始める。
宣伝では画像の様に、4人の美女にモテたストーリーとみえるるが、実際は主に長澤まさみと麻生久美子2人との恋愛話が軸になっている。twitterで知り合った本命の長澤まさみは「年上の彼氏がいる」というが、なかなかその相手が誰なのかは明かさない。そのくせ主人公を部屋に招き入れ、一晩を明かした朝に一緒に寝ようなどと言う「魔女」タイプ。もう一人の麻生久美子が演じる女性は長澤の友人で、こちらは年上。一人カラオケに興ずる自分を「私って重くないか?」と気にしつつも、主人公に熱烈なアプローチをかけてくる。
このブログでは何度か現代の若者の、特に「草食系」とくくられる男の問題を取り上げてきたが、今回の主人公も典型的な「草食系君」である。我々の世代からすると長澤との一晩など、あんなかわいい子と一緒にいながら何やってるんだ!とイライラするのだが、鑑賞している若者たちはこれまで見たことがないほど爆笑に次ぐ爆笑で、この草食君の生態にこの上ない「共感」が向けられているのがよくわかる。「あ〜、これって、あるある!」って感じの笑いですね。
この映画の優れている点を挙げるときりがないが、まずなんといっても主役の森山未來の運動神経のよい演技を褒めるべきだろう。PERFUMEとのミュージカルシーンはこれまでの邦画で歴史に残るベストだ。長澤まさみの寝顔を写メールで撮っているときに彼女が目覚めてしまい、慌てて体を回転させる演技も彼でなくてはできないものだろう。
さらに役者陣でいうと女優が全員とびぬけて魅力的。僕はこれまで長澤まさみという女優にまったく興味がなかったが、今回でいっぺんにファンになってしまった。これまでどういう使い方をされていたんだよ、ということだがそれほどにこの映画での長澤は美しくかわいい。
また中盤以降の麻生久美子のリアリティにあふれる演技も素晴らしく、女優たちが乗りに乗って演じているのがよくわかるのである。
またリリーフランキーのエロ親父も同世代として妙なリアリティを感じる(笑)。
「カラオケの歌詞テロップ」の使い方も絶妙のタイミングで、劇場ではそのタイトルが出るたびに爆笑の渦。こういうのは「間」が重要で、ハズすとかなり陳腐なことになるのだが、そのあたりもこの監督は天性のリズム感を持っている。
なんだか誉めまくっているがこの映画は楽しくて、劇場で観る映画本来の幸せに満ちている。間違いなく今年度邦画のベスト1。
「嫌われ松子…」が登場した時のような鮮烈な才能を感じる。超お勧めです。
蛇足:長澤まさみのTシャツに「LOVE ME TENGA」と書いてあるのを見て、会場の男たちが笑っていたのが意味が分からなかったので帰ってから「TENGA」を調べて愕然とした(笑)。しらずにTシャツを買って帰るところでした。こういう情報に疎いのももう歳ですね(笑)
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