|
☆先日、東京、新宿の紀伊国屋書店に行ったとき、ライアル・ワトソンの著作がどのくらい書棚にあるかしらべたところ、単行本は2冊しかなかった。すでに、ライアル・ワトソンは、流行の人ではなくなっていた。しかし、彼がわたしたちに教えてくれた”超自然”の世界と科学との接点は、わたしたちに重要な事を示唆してくれたと考えている。現在の科学の限界を教えてくれたことの意義は大きい。
☆さて、前回に続き、主著『生命潮流』の後半を僕流にまとめなければならない。
第3部、第4部は、意識と無意識について多くのページをさいている。
☆ワトソンは、何度も例をあげて、ダーウィンの自然淘汰説に反論を唱えている。自然淘汰説では、遺伝子の突然変異は全くの偶然に支配されている。しかし、どうしても進化の試行錯誤の結果でないような例が多くある。例えば、我々、人間の眼の透明な角膜は、どうみても突然変異の繰り返しの中から自然淘汰されて、その角膜が出来上がったとは考えられない。
次にワトソンは、DNAは必ずしも最終的な決定を下しているわけでないと述べている。我々の「心」が、遺伝子システムに影響をもたらすことがあることを例をあげて示している。
遺伝的奇形の一つであるブロック病(体中が、黒ずんだ角質の皮膚で覆われてしまう病気)の少年に対して、催眠術をかけて、暗示による治療を試みたところ、ブロック病の症状が消えてしまったという。この病は遺伝病だから、現在注目されている遺伝子治療でもしない限り治癒しないはずであるが、催眠による暗示で治癒してしまった。これは、「無意識」が遺伝子の指令にストップをかけた例といえる。
☆☆ワトソンは、生命は「機械論」ですべて説明することはできないとする立場をとる。彼は、「生気論」を一部支持している。分子生物学では生命を説明しつくせないことを、ワトソンは身をもって体験してきているからである。
☆次に「睡眠」について、考察している。動物はなぜ睡眠をとるのか。まだ、2005年の時点でも定説はないはずだ。ワトソンは、夢を見るという行為の本質と機能、そして我々の生活における「無意識」の役割の解明が、「なぜ睡眠が必要なのか」という謎に答える大きな手がかりであると述べている。
我々哺乳類が睡眠をとるようになった理由をワトソンは次のように説明する。
「恐竜が生存していた時代、昼間は恐竜が活動し危険だから、哺乳類の動物は事実上夜の活動しか出来ない。昼間に危険な時間帯は、哺乳類は隠れていなければならない。つまり、非活動的にじっとしていなければならない。このときに、哺乳類は睡眠を発明した。脳から規則正しい刺激を送って、体内のメカニズムをアイドリング状態に保つ自律神経系のコントロールのもとに置いたのである。このときの脳波の同一周期パターンに、特有の不活発反応が加わって、今日の睡眠として認識されるものになったのだと考えられる。」
☆☆ワトソンは、「集団的無意識」について多くのページをさいている。集団的無意識について、初めて言及したのは、分析心理学のユングである。ユングは、「UFO」現象を人間による「集団的無意識」と考えた。集団的無意識は、とてもおもしろいとらえ方である。現在でもそのメカニズムは明確になっていないのだろう。(僕は、心理学の専門家ではないので、断定はできない)科学者によっては、そんなものはないという、大槻義彦早大名誉教授のような「堅物」もいるから、立場によっては存在したりしなかったりする概念が「集団的無意識」であろう。
☆☆☆昨日の東京での震度5強の地震は、日本人に近い将来、東京に巨大地震が起るかも知れないという「集団的無意識」を植え付ける出来事になったと思う。しばらくは、集団的意識だろうが、やがて集団的無意識に変わっていく。そして、日本の経済や政治に見えない形で反映していくのではないだろうか。
☆☆☆☆まだまだ、ライアル・ワトソン続きます。今日はこの辺で、farewell.
|