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PH(ポスト・ヒロシマ)67年☆♪☆冬の季語使わぬうちに立春来る

百昼一人

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ライアル・ワトソン氏の死を知る

最近知ったライアル・ワトソン氏の死



☆最近、書店の棚でライアル・ワトソンの新しい著書『エレファントム』を見つけた。この本の帯からワトソン氏が昨年2008年6月25日に逝去していたことを知った。すこし、ショックであった。かつてワトソン氏の著書『スーパーネイチュアー』や『生命潮流』に感銘し、以後ワトソン氏の著書を読んできたファンとしては氏の死は衝撃であった。1939年生まれであるから、享年69歳である。誠にワトソン氏の死は残念である。ワトソン氏のご冥福をお祈りいたします。合掌。


☆この書庫「百昼一人」内で過去にライアル・ワトソンの著作についていくつか記事を書きました。興味がある方はそちらを参考にしていただくとありがたいです。



☆自分の記事ですが、何を書いたのか多くは忘れかけているので、ワトソン氏の報をきっかけにして、自身の記事を読んでワトソン氏のことを偲びたいと思います。


☆ワトソン氏の死後に邦訳された著書『エレファントム』(木楽舎)は、象という知能の高い不思議な動物を通して、我々に重要なメッセージを残した著作です。まだ、読み始めたばかりなので読後感などはまだ書けません。この著書の冒頭にある、ワトソン氏がアフリカで少年時代を過ごした日々を語っている章をいま読んでいるところです。

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百昼一人the 18th day『品川嘉也・右脳俳句』

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右脳俳句



☆品川嘉也氏のプロフィール

1932年、愛媛県に生まれる。1957年京都大学医学部卒業。医学博士。京都大学医学部助教授、ニューヨーク州立大学客員教授を経て、日本医科大学生理学教室教授。1992年、10月逝去。
著書:『意識と脳』、『脳とコンピュータ』、『頭脳管理』、『医学・生物系の物理学』『右脳ビジネス』など多数。

☆品川嘉也氏は、かつて右脳ブームを巻き起こした学者である。わたしは、品川氏の著作からかなり影響を受けてきた。


☆わたしが、へぼ俳句を作り始めてもう20年くらいになるが、品川嘉也氏の著書『右脳俳句』から俳句とは何かについて多くの啓示を受けた。



☆俳句は、概念で作るな、つまり「左脳」で作るなと、この著作の中で強調している。


 俳句は、目線の「角度」が自由自在にならないと詠めない。目線の「角度」は日常性というベールを透視して、存在するものの本質を露にするだろう。これは右脳の役割である。
 また俳句は、言葉と言葉のニュー・コンビネーションによって、その本質を究極のところで表現するだろう。これは左脳の役割。
 俳句は、等質の時間の流れ、等質の空間に裂け目を生じさせる。その裂け目の中にあなた自身が顔を出すのである。立ち止まって自然を眺めているうちに140億年の宇宙の歴史の中にたたずんでいる自分が見えてしまうのである。そんな気分を味わって欲しい。
 俳句はスピードとテクノロジー全盛の現代からヒラリと身をかわして、じっくりモノや自分の本質と向き合う方法ではないか。


☆品川嘉也は、「右脳を鍛えるのに、俳句ほどうってつけのものはない。」と言う。


☆わたしのような素人が俳句を作ろうとすると、左脳による概念操作がはたらき、つい紋切り型の表現になってしまう。俳句を作るには、言葉の使い方の「常識」、「紋切り型」から「自由」になることが必要である。



 短歌が「流れ」の詩なのに対して、俳句は「堰き止め」の詩なのである。短歌が音楽的ならば俳句は絵画的である。俳句はあくまで目で見る芸術、まなざしの作品なのである。

☆わたしは、俳句とは「ビデオ映像」のようなものだと思っている。ビデオ感覚で作るものだと感じている。


☆俳句の達人、例えば加藤楸邨、中村草田男、高浜虚子らの俳句は、たった17文字で実に豊かな世界を表現している。17文字の中に宇宙を感じる。



☆わたしは、これからもヘボ俳句を作っていく。紋切り型の表現から少しでも自由になることを目標にヘボ俳句を作っていこうと思う。




     闘病の伯母は逝きたる十一月

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百昼一人the 17th day『画家・前田常作の死を悼む』

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前田常作のマンダラ絵画



☆今月13日、武蔵野美術大学長などをつとめた画家・前田常作さんがお亡くなりになった。享年、81歳。前田常作さんは、現代的なマンダラ画で知られる画家である。心からご冥福をお祈りいたします。

1926年に富山県生まれる。1953年武蔵野美術学校卒業。前衛的な画家として出発し、パリ留学を経て、記号化された人体を仏教の宇宙観を示す曼荼羅的な絵柄の中に構成する作風に転じ、一貫して現代的に解釈した仏教画に取り組んだ。代表作に「西国巡礼」「坂東巡礼」「須弥山宇宙界道図」など。1979年に日本芸術大賞、1989年に仏教伝道文化賞などを受けた。


☆前田常作さんのマンダラ絵画に出会わなければ、わたしは今描いているようなマンダラ絵画を描いていなかっただろう。

 わたしがマンダラに興味をいだくようになったのは20代の終わり頃だったと思う。

 あわせて密教に興味をいだき、その関連の書物を読み始めたのも同じ頃だった。

 そんなとき前田常作さんのアクリル絵画のテクニックを紹介した本『前田常作のアクリル画』に出会った。

 わたしが、アクリル画を描き始めるきっかけはこの本であった。


☆1990年6月に東京の目黒美術館で『前田常作展』が開催された。前田常作さんのほぼ全作品を展示したこの展覧会を訪れ、この目で前田常作さんの多くの「マンダラ」絵画を見ることができた。素晴らしい体験であった。掲載したリーフレットはこの時のものである。


☆『曼荼羅への旅立ち』という前田常作さんの著作から印象に残る言葉を引用しておきます。

 大宇宙に遍満する信仰の祈りの円輪を、私はインド、ネパール、イラン、イラクの地に見、その波動光を直下に直観した時、宗教的な波動粒子によるものをしきりに感じ始めた。私は点を一点、一点、筆によって描き始め、朦朧たる空間のうちから、密教の、宇宙的な生命が限りなく波動する世界が生まれるのを祈りながら、筆を進めているのかもしれない。点から点への限りない波動粒子の回帰のなかで、曼荼羅の無始から無終への円輪の世界を求めてやまないのだろうか。



       秋深しマンダラ絵画前田逝く

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百昼一人 the 16th day 『作家・片岡義男について考えてみた』(2)

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片岡義男の小説作法



☆小説を書く人が、最近、多いようだ。小説はあまり読まないが、小説家になりたい人は多いようだ。ぼくは、小説をひょんなことがきっかけで書くことになった。文芸同人誌『狼』に参加して、しばらくは詩と評論を書いていたのだが、ある時からSF小説も書くことになってしまった。しかし、いまでも小説作法はよく分らないところがある。そして、いちばん、自分に才能がないのが小説だと思っている。


☆片岡義男の小説は、軽い。しかし、ここちよいストーリーに時間を忘れる。小説には人生に悩んでいる人間は、ほとんど登場しない。
 ぼくは、けっこう長い間、片岡義男の小説を読んできた。そして、その文体が気になっていた。彼の小説作法は、徹底している。小説をどういう視点で書くのか、片岡義男氏の言葉に耳を傾けてみよう。


 
小説とはなにか。少なくとも僕の場合、小説とは、他のなにであるよりも先に、視点のとりかただ。常になんらかのストーリーを書くとして、それを誰のどうような視点でかくのか、それがいちばんの問題だ。「僕」という一人称、そして「彼」ないし「彼女」という三人称のどれかを、僕は使う。この三種類の人称に、基本的な差はなにもない。ストーリーの性格に応じて、たまたま「彼」であったり「彼女」であったりするだけだ。


☆片岡義男は、登場人物の内面を、例えば、「彼は、・・・・だと思った」とかいう内面の表現は使用しないということである。「視点」とは、映画撮影用のカメラのようになって小説を書き進めるということである。日本には私小説の伝統があるせいか、登場人物の内面を筆者が丹念に書き込むという小説作法をとる場合が多いと思う。ぼくも、この作法を不用意に使ってしまう。しかし、片岡義男は、そのような作法を一切用いないのだ。
 さらに、片岡義男の言葉を聞こう。

 彼らはただの人称にすぎないから、僕としては彼らに視点をあたえなければならない。そしてその視点で僕がすべてを見ながら、物語を書いていく。視点とは、その人物のありかただと言ってもいい。もののとらえかた、考えかた、どんな人なのか、なにに対してどう反応するのか。こういったことをすべて総合すると、それは視点となる。そしてこの視点が、ひとつひとつの小説を作り出していく。主人公となっている「彼」や「彼女」のありかた、考えかた、反応のしかた、ものの見えかたなど、極大から極小に至るまですべてに、「彼」あるいは「彼女」の視点が存在していなければならない。


☆片岡義男が、小説に「彼」、「彼女」を多用するのには、片岡氏の英語の教養が影響していると思われる。たぶん、彼は、バイリンガルに近い英語力をもっている。英語の書物もほとんど日本語と同じスピードで読めるはずである。つまり、彼の小説の中の「彼」は、「he」、「彼女」は、「she」として彼の脳裏には響いているのだと思う。

☆僕は、片岡義男の情景描写・風景描写は秀逸であるといつも思っている。たぶん、文芸評論家のだれもこんなことを書いていないだろうが、情景描写、風景描写は見事なのである。今後、情景描写の表現法を片岡義男の小説をテキストとして勉強していこうと思っている。


☆最近は、評論の書き手として、ぼくは、片岡義男を高く評価している。次回は、片岡義男の評論についてコメントしたいと思っている。


☆湿度の高いこの時期は、湿度の低い、片岡義男の小説で気分をリフレッシュするのもいいかもしれない。

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百昼一人the 15th day 『作家・片岡義男について考えてみた』(1)

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☆今回の百昼一人は、作家の片岡義男さんについて書いてみようと思います。


☆片岡義男の小説やエッセイや評論を、ぼくはいつから読んでいるのだろう。
たぶん、1975年か76年頃からだろう。もう長いお付合いである。
最近は、熱心に彼の小説を読むことはなくなってしまったが、
評論やエッセイは本が出るとほとんど欠かさずに読んでいる。
彼の著作は、正確に数えたことはないけれど、40冊くらいは所有しているだろう。


☆☆まず、片岡義男さんのプロフィールから書いてみよう。

1940年3月東京、信濃町の慶応病院で生まれる。
5歳から瀬戸内に移り、子供の頃をそこで過ごす。
早稲田大学法学部卒業後、フリーランスのライターになる。
そして、翻訳をしたり評論を書いたりする。。
『ワンダーランド』、『宝島』の編集の仕事を経て、
小説『ロンサム・カウボーイ』という小説で作家デビュー。
その後、『スローなブギにしてくれ』が雑誌・野性時代の新人賞を受賞した。
以来、多くの小説、評論、エッセイなどを発表してきている。

 ♪これ以外に、ぼくが片岡義男について知っていることで、みなさんも一応、知っていると良いと思うことは、片岡義男は、「バイリンガル」であるということである。
英語と日本語のバイリンガルなのである。

 ♪なぜそうなのかというと、彼の肉親の方でハワイ日系2世か3世の方がおられて、その方と生活したか、または、その方の指導により英語をネイティヴ・スピーカーと同じように理解する能力を身につけられたようなのです。(一部、ぼくの推測が入っています。)

 ♪ということで、片岡義男さんは、英語の曲が流れているとリアル・タイムで歌詞を理解できるようです。ああ、羨ましい!これで彼には、英語についての著作が多いのも理解できますね。


☆さて、今日は、彼の初期の評論の傑作である『ぼくはプレスリーが大好き』について少し書いてみます。いま一部を再読し、この本がいかにすぐれた評論であったかを確認しているところです。
ぼくは、この評論を30年前の1976年に読んで、非常に感動しています。

 まず、この本にはおよそ次のようなことが書かれている。
 
 アメリカで生まれた音楽、つまりブルース、ジャズ、カントリー・ウェスタン、リズム・アンド・ブルース、ロックン・ロールが生まれたアメリカの歴史的背景を語りながら、彼独特の語り口で音楽とそれを支え、作ってきた人々(特に若者)のことを書いている本なのです。膨大な資料を読み、ほぼ2ヶ月で書き上げたようです。書き上げたのは、1970年です。単なる音楽論ではなく、「音楽をとおして見えてくる社会文化史」と言った方がよいでしょう。
 **この本は、今は絶版かもしれません。

さて、いくつか彼の名言を引用してみます。

すぐれたロックンロールをレコードで耳にした瞬間の衝撃は、確実にオリジナルだった。オリジナルとしての複製を無数にばらまいていくアメリカ文明のひとつの顔がここにあり、45回転レコードというオリジナルはラジオをとおして人の耳にとどく場合も多く、レコードは「物」であるという考え方はできなくなり、音波としてのロックンロールは、心で知覚したとたんに、肉体と精神の両方にまたがる全体験となり、ときとしてそれは宗教的な天啓にまで高められた。
 実によくロックンロールを表現しています。すごい!
 音楽が音楽だけで心に入るということは、当時のロックンロールに関しては、まずなかった。自分が身を置いている世界の、ほとんどあらゆることが、ロックンロールと練りあわされて聞き手の心にぶつけられた。

 片岡義男の評論は、こんな感じで進んでいく。ぼくは、この評論にとても影響されたと思う。
その後、ぼくも同人誌という媒体であったが、評論を10編以上書き、彼のような社会文化史的な視点で書くこともあったからである。


♪長くなるので、百昼一人・片岡義男さんの第一回はこの辺にしようと思います。『ぼくはプレスリーが大好き』については、まだまだ次回も書くことにします。




 

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