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いいものはあまりマイナーチャンジもされずに生産し続けられます。
これは完成されたデザインといっても過言では無いのかもしれません。バイクではHONDAのスーパーカブやモンキー、ヤマハのSR400、カワサキのW650などがそうで、内部的な進化はしているものの、デザインはほとんど変更されていなく、たまに初期型のカラーが復刻されたモデルなどを見ると、新旧どちらなのかすぐには見分けられない場合もあります。
ハーレーのヘリテイジクラシックも同じようなもので、エンジンは進化して今や車並みの排気量になってますが、パット見た目は昔からあまり変わっていません。
ガラッとモデルチェンジするものありますが、何十年も極端に変わること無く続いているデザインには魅力を感じます。
極端に変わること無く、ずっと同じデザインが保たれているのはセイコー鉄道時計も同じです。
1929(昭和4)年、それまで外国製の鉄道時計を使っていた国鉄に、初めて日本国内で生産した鉄道時計が誕生しました。生産したのは、服部時計店から続く長い歴史を持ち、2013年で初めての腕時計生産からちょうど100周年を迎えたセイコーです。
日本の鉄道といえば、世界に誇れるほど時間に正確と言われており、その正確さを支えたアイテムとして精工舎が創りだした鉄道時計は、現在も人気が衰えること無く時計愛好家から初心者まで幅広く愛されています。
鉄道時計にはいくつか種類があったのですが、とりわけ19セイコーと呼ばれるモデルが現在でも人気が高いです。19型は、直径が50mmほどなので大きすぎず、ポケットに収納しても違和感のないサイズで、現行の鉄道時計と大差はありません。
見た目に関しては、開発当初と現行モデルを比べると若干のデザイン変更はありますが、アラビア数字文字盤に時、分、秒の3針という根本的なスタイルは変更ありません。
例えば1948(昭和23)年のモデルと比較してみると、リューズ周りと秒針程度しか違いは感じられません。
同じ書体のアラビア数字を文字盤に採用しており、先端がスペード型の短針とダイヤ型の分針もカラーが変更された程度で、デザインは同じものです。
しかし、中身は確実に進化してきました。
現在は手巻き式だったものからクォーツ式へとムーブメントが変わっています。クォーツが主流になったという時代的な背景もあると思いますが、スペックとしては格段に向上しています。
7Cというキャリバーが採用されているのですが、これは飽和潜水用の本格的なダイバーズウォッチにも使われているムーブメントで、他に針がむき出しになっていて、目の不自由な人が針と文字盤を触って時刻を確認する、盲人用の時計に使われているのです。
もちろんかなりの水圧や、人が手で針を触るという行為はムーブメントに相当な負荷がかかります。そして電池は10年電池が搭載されているので、スペックを見るとかなり向上しているのです。
もちろん鉄道も進化しており、鉄道ができた当初は考えもしなかったであろう、リニアモーターカーなど進化を続けています。
リニアは時速500kmというものすごいスピードが出るのですが、磁気を使って走行する仕組みとなっているため、客席にまで磁場ができると言われています。床などは磁気が相当あるようで、数十年ものの中古やアンティークの時計など、単に乗っているだけで磁気帯びしてしまう可能性があります。
現行のセイコー鉄道時計はリニアの床に発生する磁力にも耐えられる耐磁性を持っており、時計としてタフに仕上げられています。
見た目は半世紀以上ほとんど変化なく、しかし中身は現代の環境で使えるよう高くなっているほど進化しているセイコー鉄道時計は、日本を代表する時計の一本と言えるでしょう。
セイコー鉄道時計は、2013年10月に公益財団法人日本デザイン振興会が主催する、世界でも類を見ない歴史と規模を有する総合的なデザイン評価である、グッドデザイン賞を受賞しています。
単なる良いデザインというだけでは受賞できない、長い歴史も評価されているのです。



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