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「ちょっと、今回はバッチリだよ。チャンスじゃん」
珍しく妻が僕に、次の旅行で結構な出費が必要なスポットを猛烈プッシュしてきた。
それは「鳴門の渦潮」
9月に淡路島に出かける用事があった。
四国から淡路島にわたるには、「渦潮」で有名な「鳴門海峡」「大鳴門橋」で渡ることになる。
その大鳴門橋を渡る日の渡る時間が、大潮の干潮になるのをネットの観潮表で確認できたのだ。

鳴門の渦潮はいつでも見れるわけではない。
渦潮が見れるのは干潮と満潮の前後1〜2時間のみ、しかも毎日時間が違う。
満潮と干潮は6時間ごとに起きるので、昼間なら渦潮が見れるチャンスは1回もしくは2回しかない。
しかも訪れる時間帯は、潮流が最も速くなる大潮の干潮にあたる。
これ以上ない大迫力の渦潮を眺められる、絶好のチャンスに巡りえそうだ。
当日の天気も真夏を思わせるような快晴。
すでに大迫力の流れが発生している鳴門海峡を渡ったら、淡路島の福良港に迷わず車を走らせた。

イメージ 1
これが今回乗船した観潮船の「咸臨丸」
幕末に活躍した有名な「咸臨丸」を模した船。
定員500名を誇る大きな船で、この船で鳴門海峡の激しい流れに挑むことになる。
今回利用したのは「うずしおクルーズ」
福良港に大きな観光船乗り場があり、そこから船に乗船する。
駐車場完備、コンビニや土産屋もあり、車で訪れるにもとても便利だ。

イメージ 2
たくさんの乗客を乗せて、船は出港した。
見上げたマストが、気持ちいい船旅を演出してくれる。
本物の咸臨丸に乗った勝海舟は太平洋の大波に挑んだが、レプリカの咸臨丸に乗ったKUMA.は瀬戸内海の大渦に挑むのだ。

イメージ 3
うずしおクルーズのもう一隻の船「日本丸」と途中すれ違う。
日本を代表する帆船のレプリカ船だ。
こちらは定員700人で、乗船している「咸臨丸」より少し大きい。
主に休日の臨時便として使われているので、この船の方が乗船する客の密度は格段に薄かった。
ちょっとうらやましい。

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マストのワイヤーが集中する船首の先に、目指す鳴門海峡が見えてきた。
すでに「大鳴門橋」の下の海が川のように流れているのが、遠くからでもしっかりと確認できる。
渦潮の出現に大きな期待。
ゆっくりと巨大鳴門大橋の姿が近づいてくるにつれて、海鳴りの音も恐ろしいほどに大きくなってくる。

イメージ 5
ついに鳴門海峡に到着。
ここは川か?
そう思うくらい、海は南へ、瀬戸内海から太平洋へと激しく流れている。
普段は波もほとんど立たない穏やかな瀬戸内海。
しかし、月の引力の導きにより、信じられないような凶暴な姿を見せる。
鳴門以外にも、明石や来島などの数多くの瀬戸内海の海峡ではこのような海の流れを見れる。
が、やはりここ鳴門の流れはケタはずれに速くて大きい。

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船のエンジン音が海峡に大きく響き渡る。
鳴門海峡の南側から進入した咸臨丸は、流れの上流へと向って、「海を遡り」はじめた。
鳴門の潮流は最速で10.6ノット(時速20km)
咸臨丸の航行速力は10.8ノット。ここからは船と海のガチンコ勝負。
非力な船ならば、流れの激しい時間はこの海を遡れなくなる。
逆に、足の重たい船も時間を選べば、上流から下流にすごい速度で進めるようになる。

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ついに激しい流れの中に突入。
大きなエンジンと潮の流れの音が、乗せる乗客の絶叫や感嘆の声も織り込んで海峡にけたたましく響く。
激しい潮の流れは船体を容赦なく打ちつけ、鈍い金属音を立てる。
そして、エンジンを停めると、500人を乗せる巨大な船体もゆっくりと横向きに押し流されていく。
ありえないその海の恐ろしいまでの表情に、迫力と同時に恐怖すら感じる。
しかし、この渦潮に挑むために用意されたこの咸臨丸はとても頑丈で、激しい潮にもまれても全くびくともしなかった。

イメージ 8
目を疑う光景。ここは海。海のはず。
でも、川のように海は流れている。
海の中に段差が現れ、激流の川のように、一つ間違えれば小さな滝のように海が流れ落ちている。。

イメージ 9
咸臨丸はゆっくりと大鳴門橋をくぐっていく。
大鳴門橋は、一番上が高速道路になっていて、その下には新幹線も走れるようにスペースを設けて設計されている。
現在は淡路島には線路が引かれていないので、その空いているスペースは橋の保守や観光施設に利用されている。
ロの字型に窓がある空間は「潮の道」という観光施設の展望台。
徳島県の鳴門側から約450m、橋の上を空中散歩でき、展望室の足元には45m下の激しく流れる海面を見下ろすガラス床がある。
良く見ると、展望室からこちらの船にお客さんが手を振っている。
幕末の帆船を模したデザインのこの船は、確かに遠目から見ればとても目立つ。
以前に鳴門側から乗った観潮船から見たこの船はとても絵になった。
今日は潮の道にいる観光客も、大迫力の渦潮には大満足だろう。

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激しい潮の流れをものともせず突っ込んでいくのは「アクアエディ」
鳴門側から出港している観潮船のひとつだ。
なんと、水中展望室から海の中の渦潮を観察することができる。
どうりで、デッキにお客さんが誰も乗っていない訳だ。

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渦潮が発生するのを今や遅しと待っていると・・・来た〜っ。
乗客の大歓声とともに目の前に渦潮が出現した。
海が渦を巻き、こちらに迫ってくるのは大迫力。
最大で直径30mにも到達するという鳴門の渦潮は世界一の大きさ。
大きなこの咸臨丸をも飲み込まんばかりの激しさに船上にいてもたじろいでしまう。

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ひるんでなんていられない。
よっしゃ〜、撮るぞ〜・・・と思った瞬間、渦潮はすぅっと消えてなくなった。
渦潮は洗たく機のように、ぐるぐるとそこで回っているのではない。
流れる潮流が複雑な海の中の地形にかき混ぜられ、時々渦を発生させるのだ。
だから、渦は発生してもゆっくりと流れてすぐに消える。
それに、大潮の激しい流れの時でも、風がいい角度で吹かないと、きれいな渦にならないそうだ。
まさに自然の気まぐれが作り出したアート。
絵葉書やポスターのような傑作はいつでも生み出される訳ではないということだ。

イメージ 13
この日は風がどうも悪いようだ。
潮の流れは今まで訪れた中では文句なしに一番激しい。
しかし、できる渦は迫力があるとはいえ、直径30mに到達する最大級の大渦とはどうも言えない。
それでも目の前で次々と生まれては消えていく、文字通り泡沫の大渦に、誰もが魅了されていた。

イメージ 14
大鳴門橋の下をまるで川のように流れる潮流。
ゴゴゴゴー!と大きな海の流れる音が、頭上45mにそびえる巨大な大鳴門橋の下でエコーのように響き渡る。
渦潮もすごいが、渦潮を生み出すこの海の流れ自体、人智を超えたスケール。
まるで天と地がひっくりかえらないまでも、斜めを向いてしまったかと思えるくらい、信じられないくらいの自然現象が目の前で展開される。

イメージ 15
瀬戸内海から太平洋へと「流れ落ちて」いく海水。
ここは川ではなく、海。確かに海が流れている。

イメージ 16
激流の海。
橋脚の下を激しく大量の水が流れる風景は、大迫力。
もし、これがどこかの川だとしても、すごい水量と激しさで名を馳せるだろう。
潮流の落差は最大で2mになることもあるらしい。
有りえない激しい海の流れには、目を釘づけにされる。

イメージ 17
激しい海の流れ、そして時折できる渦潮を30分近くは船上から楽しむ時間がある。
しかし、その地球の神秘を感じる時間は、激しい潮流に流されるかの如く、あっという間に過ぎ去った。
今度は潮流の流れに乗った咸臨丸は、あっという間にこの激しく白波を荒立てる海域を離脱した。
ゆっくりと船は福良港へと戻る。
先ほどまでの荒々しい海は嘘のように穏やいでいる。
1時間ちょっとの船旅だったが、とても素晴らしいクルーズだった。

イメージ 18  イメージ 19
【おまけ】
◆左
咸臨丸の船内(アンダーデッキ)には資料室もある。
渦潮を見た後、帰港する間にちょっと立ち寄ってみたい。
船内は冷暖房完備で快適な空間だった。
◆右
「うずの湯」という無料の足湯が乗船ターミナルのすぐ横にある。
その名の通り、渦潮をイメージし、お湯が渦を巻いている円形の足湯が特徴。
近くの潮崎温泉の湯を引いており、神経痛・関節痛・筋肉痛などに効果があるそうだ。
タオルも有料で用意されているので、気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
また、船乗り場の付近には地元特産品を取り扱うお店や飲食店も何軒かあり、楽しめる。

【うずしおクルーズ観潮船『咸臨丸』】
住所: 兵庫県南あわじ市福良港うずしおドームなないろ館 
電話: 0799-52-0054 
休み: 無休 
営業時間: 9:30〜16:10(1日6便定期便)、8:50〜15:30(1日6便臨時便、予約制) 
交通: JR神戸線舞子駅から淡路交通バス福良行きで1時間14分、終点下車すぐ 
   神戸鳴門自動車道・淡路島南ICより車で約10分
料金: 大人2000円・子供1000円
駐車場: 約100台・無料

【投稿時最終訪問 2008年9月】 






閉じるコメント(35)

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    渦潮見てみたい!
    会社の社内旅行の候補に挙がってたんだけど・・・没に・・・(T_T) 。
    1票入れたんだけれども・・・。

    子連れ登山

    2008/10/9(木) 午前 0:12

  • 潮の道のガラス張りから見た事があります。
    それでも充分迫力ありましたが・・・船で間近に見ると流石にものすごいですね。
    瀬戸内の穏やかな海からは想像できない、荒々しさですね。

    aru*usu*o*ou*ei

    2008/10/11(土) 午後 3:26

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    ゆうさん、一瞬だけ現れ消える渦潮。泡沫の時ですが、その迫力はすごかったです。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:19

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    tenhimeさん、やはり間近に見るとその迫力はすごかったです。
    船は結構安定しているので、写真は取りやすかったですよ。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:22

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    やまびこさん、僕もいつも渦の道からでした。
    が、やはり近づきたくて、ついつい乗ってしまいました。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:23

  • 顔アイコン

    そらさん、そういえば故郷なんですね。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:24

  • 顔アイコン

    リュウシュさん、とにかく迫力がすごかったです。
    やはり船から見るのが一番すごいです。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:25

  • 顔アイコン

    たまっちさん、ありがとうございます。
    地球の力を感じました。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:26

  • 顔アイコン

    おけいさん、渦潮を見るのはちょっと立ち寄ってというわけにはなかなか行きません。
    ちょっと立ち寄るなら、徳島の渦の道の方が安いのでお勧めです。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:27

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    ごんちゃんさん、観潮船は大きくて、かなり安定してました。
    写真も楽に撮れましたよ〜♪
    ありがとうございます。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:28

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    boutaiさん、僕も潮の道は何度も行きました。
    ついつい見下ろすだけでは飽き足らず、乗ってしまいました。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:28

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    いずしさん、船からだと高さの迫力はないですが、身近に迫る海流はすごい迫力です。
    タイミングが合えば、少し出費がかさみますが乗ってみる価値ありです。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:29

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    NAKAMURAさん、ありがとうございます。
    ここは世界一のうずしおが見れるすごい場所でした。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:30

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    ひぃちゃん、みんな潮の道には行きますね。
    安いし、とりあえず見るにはいい場所です。
    船は大きいので全く揺れず、船酔いも皆無でした。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:31

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    コテツさんありがとうございます。
    ネットで時期を調べて最高の時にぜひ訪れて頂きたいです。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:32

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    緑野さん、ありがとうございます。
    この船は大きく、瀬戸内海は波が穏やかなので酔うことはほとんどありません。
    いい機会を調べてぜひ乗ってみて頂きたいです。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:32

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    hiroさん、ありがとうございます。
    大きな渦が現れた時は感動でした。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:33

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    子連れ登山さん、せっかく投票したのに残念でしたね。
    機会があればお子さんと一緒に訪れてみてくださいね。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:34

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    ようせいさん、あの高さから見下ろすうずしおも大迫力ですが、やはり近くから見るとさらにすごいです。
    穏やかな瀬戸内海が見せる、もう一つの表情ですね。

    KUMA.

    2008/10/18(土) 午後 8:34

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    初めまして、素晴らしい写真ですね。17日に鳴門側から出る観潮船に乗った私達は、日本丸の観潮船の存在を全く知らずに行き、海の上で本物!!と 吃驚しながら大勢の友人達とシャッターを。私もラッキーとばかり100枚以上・・・でした。 今度は淡路側から是非と思います。渦は圧巻ですね!

    yaku

    2008/10/23(木) 午後 5:51

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