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AE1099(前編) 島根県芸術文化センター「グラントワ」/内藤廣

ゴールデンウィークの後半ともいうべき3日からの4連休が始まりました。
みなさま方は・・・きっとよい休日をお過ごしのことでしょう。
 
先日ブログにも書かせていただいたように、部活の大会引率…だったはずなんですが
朝からの雨模様にて、大会は順延
 
結果、ぽっかりと1日が空いてしまった
 
気持ちを切り替えて、次なる作業にスムーズに取り掛かることが出来ればいいのに
なかなか思うようにならず、帰宅して気が付いたら午後3時くらいになっていた…どうやら眠ってしまっていたらしい。
確かに昨晩はひどく疲れていたから、幸いしたという見方も出来るだろうけど…
 
でもでも、順延は週明けの平日になってしまったので、色々と学校への手続きもあったりして、
気持ちを「えいやっ!!」と入れて、職場に赴き…ちょっとした作業を終えた後、今はブログを書いているというワケです。
 
イメージ 1
 
そんなこんなで…今日ゴショーカイさせていただくケンチクさんは「島根県芸術文化センター」
これは正式名称で通常は「グラントワ」の愛称で親しまれている、内藤廣氏設計で2005年に完成を迎えた、おそらく氏の代表作の1つとして数えられていくであろう、そんなケンチクさんになります(実際に氏の設計事務所のホームページでもトップにその画像が出てくる)。
 
このケンチクさんが所在する島根県益田市、巡り合わせもあって今は色々お手伝いをさせていただいている次第ですが、見築に訪ねたのは…2010(平成22)年9月のこと。
 
あぁ、思い出した。先日の夜に急に思い立って、朝6時頃の特急に飛び乗って、江津→浜田→益田とケンチク遍路に赴いた時のことだ
 
…あぁ、懐かしい。あの頃は一番やりがいを感じていて、楽しかった頃だ。
 
イメージ 2
 
36500㎡を越える…11,000坪を越える広大な敷地に建設されていますが
元の敷地は何だったんだろう?色々調べてみてもちょっと出てこない…工場跡地とかそんなんだろうか?
 
その広大な敷地に、これまたデッカイケンチクさんが立っていますが、その敷地境界には土塁がまわされ、その隙間から敷地内に立入るという感じで…その道すがらは控えめな色彩に、植栽も豊かなランドスケープが形づくられていて心地よい。
 
こういった公共建築の場合、ランドスケープ(一般には外構と呼ぶ)は別の設計業者による分離発注というのが一般的と聞きますが…施設概要を見る限りでは見受けられません。
設計者の内藤廣氏がランドスケープも一体的にデザインされているということなのでしょうか…気持ちよい導線構成(単なる動線とはちょっと違うニュアンスを込めているつもりです)となっているように感じられました。
 
まぁ、考えてみれば、街並と個々のケンチクさんは切っても切れぬ関係にあってしかるべきなので
ケンチクさんと街並をつなぐランドスケープを一体的にデザインするのは当然といえば当然のように思えなくもない(別々にデザインすることでその魅力がより高まるということももちろんあると思いますが)
 
実際、「グラントワ」のランドスケープを内藤氏がデザインされたかは確実なトコロはわかりかねますが
国内の公共建築でランドスケープまでを一体的にデザインした最初の事例は…「兵庫県立子どもの館」(1989年)ではないかと設計者である安藤忠雄氏自身が振りかえっています。
 
イメージ 3
 
そうしてランドスケープに導かれていくと…正面エントランスに至ります。
写真でいう左側がソレ…まぁ、実際にはよりじっくりケンチクさんをうかがうために敷地をグルグルとまわってからコチラに至っています…広大なだけに大変だった記憶があります(汗)
 
なので、先に御覧頂いた写真の通りにエントランスに赴けば…ちょうどこの写真の右手側からエントランスに近づくというカタチになります。
 
敷地も広大であれば、ケンチクさんそのものも巨大なヴォリュームで構築されているワケですが
そのエントランスは思いのほかヒッソリとしていて…「ズイブン控えめなお出迎えだなぁ」と思ったものです。
 
イメージ 4
 
この「グラントワ」において、当時の建築界を「アッ!!」と言わしめ、当時大学院博士後期課程の1年生だった25歳のまるふも「アッ!!」と思わせたのが、その外壁
そのつくりの詳細を拡大して御覧いただいていますが、背面側に、専用に開発された取り付け金具を用い、特色的な赤褐色の風合いをした「石州瓦」がそのまま壁面に用いられ…屋根から壁までを一体的に覆っています。
 
その枚数、総数28万枚…驚くべき数字である。
 
自分も見築した時には圧倒されるものがあった…スゴイ存在感である。
でも、これには多少なりとも皮肉も込めている「スゴイ存在感」
 
ひとつは、これだけのものをこうして完成に導くには並み大抵の労力ではないこと、並み大抵の建設費(税金)ではないことが目に見えて想像できたことで…それらが容易く目に浮かんだことからの「スゴイ存在感」
 
元々は屋根葺材である瓦を壁に使ってしまう…藤森照信氏の自邸「タンポポハウス」が信州で屋根葺材として用いられていた鉄平石を壁材に応用していて同様の事例に数えられると思いますが
屋根から壁まで同じ材料というのは…「タンポポハウス」の場合はまだ小ぶりですが(それでも住宅街の中では異様で、お子さん(お孫さん?)も何がしか言われた経緯があるとか)、「グラントワ」に至っては巨大なヴォリュームゆえに正直「ギョッ!!」とした…その意味での「スゴイ存在感」
 
なんというか異様であり、偉容であり、威容である…「いよう」という言葉のニュアンス全てが当てはまりそうな、そんなたたずまい
屋根と壁の素材感の差がなく一体的というのは、このように見えるものなのか…でも、それは釉薬が架けられ独特にヌルテカした光沢感の強い石州瓦が用いられていることも大きいのかもしれない。
島根県内の古民家や、この素材を外壁タイルに応用した「米子市公会堂」(村野藤吾設計、1958年 http://blogs.yahoo.co.jp/t_marufuzy/49545419.html )の場合は、釉薬以上に素地の赤褐色の風合いが強く、落ちついたたたずまいを魅せる。
(おそらく、今の製作工程では、このヌルテカのキレイな瓦しかつくれないのであって…「三菱1号館」の復原事例の場合は、国産レンガはキレイ過ぎるので独特の風合いを表出するために中国産の手づくりで「生産」されたレンガ用いているそうです。さびれた風合いを出すためにも努力が必要であるということを伝えているかなと思います。)
 
この「グラントワ」に「ギョッ!!」と感じたある種の違和感は、瓦そのままを壁面に用いたことによるものなのか、ヌルテカの光沢感のあるキレイすぎる壁面に思うことなのか…自身の中でもどちらに重きが置かれているのか正確に判断しかねるけれど
もし、この屋根、壁面が古来からの石州瓦の風合いでつくり込まれていたら…そんな淡い期待感も持ってしまう。
 
ちなみに壁面に石州瓦を活用したことは、内藤氏曰く「メンテナンスフリー」が主な目的だそうです。
確かに乾式工法によって壁面瓦が取り付けられているので、容易に交換が可能という意味も含んでのメンテナンスフリーなのかもしれませんが…
 
ワタクシはこんな感じでブログにも綴っているように、ケンチクさんをつくる側の人間ではないので、あまり実感が伴いませんが、知り合いの建築家のセンセイに聞くと、よく要望のあることなんだとか。
 
「メンテナンスフリー」…キラーフレーズである。
 
一般的に確立されている工法でもなく、しかも屋根とその葺材なんて建築物で最も改変されやすい箇所なのに果たして本当に「メンテナンスフリー」足り得るのかは少々疑問を感じなくもないのですが…う〜ん、穿った見方で実にイヤな人間じゃありませんか(汗)
 
加えて言えば、石州瓦を大胆に活用してメッセージ性を強調するなんていう手法も安易といえば安易
学生の卒業設計なんかでもありそうで…ないネタである(概ね大学生で素材感を取り込む設計というのは目が及ばないことが多いので)。
 
でも、安易といえば安易なんだけど、それを労苦を乗り越えて実現せしめたことに…「ヤラレタッ!!」と感じた人も少なからずいたのではないかと想像してしまう。
 
大胆でかつ痛快…こういうわかりやすさも重要だろう。
戦略・知略の香りを感じ取ってしまう自分は…やっぱりイヤな人間である。
 
そんなワケで今日もまさかの前後編です。
ちょっと頑張りすぎだよな、自分と思いますね…これだけ力を投じていると他の業務とのバランスが悪くなる…ほどほどにしないと(汗)
 
なので、ひとまず明日の更新分を兼ねたいと思いますので後編は明日を迎えてからにしたいと思います。
続きはしばしお待ち下さいませ…

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