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2012年2月9日

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李登輝の原点(木庵の夢、台湾はとにかくモーセのように出発した、台湾という場で「純粋経験」を実践してきた)#3

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李登輝の原点(木庵の夢、台湾はとにかくモーセのように出発した、台湾という場で「純粋経験」を実践してきた)#3
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<ブログの記事はだいたい朝の3時頃に起きてから書きだす。それから、書いたり、寝たりを繰り返してながら、7時(日本の夜中の0時にあたる)に発信する。その間半分ぐらいが寝ている時間ということになる。

昨日も3時に起きて書き出し、一時間ほどで大体書き上げたので寝た。6時に起きて推敲し、7時に発信した。この寝ている間に夢を見た。夢で気づいたことがあった。それは、匂いと味をリアルに感じとったのである。今までに、カラーの映像の夢は見ていることは分かっていたのだが、この2感を感じ取っという記憶がない。

ある老人(夢をみているときは、木庵の知り合いであるという認識はあったが、目を覚ますと誰だか思い出せない)が言った。「木庵さん一度私の家にいらっしゃい」。そこで、木庵は老人の家を訪ねた。「待っていました。どうぞこちらに来てください」と、若い明るい女性の声が玄関の方からした。彼女は老人の秘書のようだ。老人の家は海辺の近くにあり、それも、崖が家というより、ビルディングのようになっている。道路の前方の海から津波のような影が押し寄せてくるが、波は止まっているようで、別に緊迫感はない。一階は老人の奥さんが経営している美容院のようである。老人が現れた。「私の家は12階あります。今津波がきているようですので、12階まで行ってください。いったん窓の外にでて、そこから上がるらしい。窓は上側が外に半開きになっている。「こんなところから上がれませんよ」と言うと、「それぐらいのことができないようでは、12階まではたどり着けないですね」と、皮肉を言われた。どのようにして窓から出たのかよくわからないが、なんとか外にでた。下をみると絶壁である。落ちれば死んでしまう。何とか4階あたりまでよじ登った。窓から中をみると、若い女工たちが食事をしていた。その時窓の中から、女性特有の匂いがしてきた。老人は女工を雇って何かビジネスをしているようだ。8階あたりの部屋の中にたどりつくと、木庵に食事がだされた。ご飯は美味しくない。炊飯器の中で一日中おいていたような味である。おかずも出されたが、どのようなものであったか覚えていない。ご飯がまずいので、「客にこのようなものをよく出しますな」と言おうかどうしようと、頭の中で空回りしている。そして、目が覚めた。

夢などというものは、たわいもないものであるが、フロイトではないが、心の潜在意識を表現しているだろうと思って書き留めておくことがある。今回も書いたまでである。木庵>


台湾はとにかくモーセのように出発した
李登輝が司馬と語ったテーマの一つに、旧約聖書の「出エジプト記」がある。

「イスラエルの民はエジプトに移民し、勢力を増していた。それを警戒したエジプトのファラオはイスラエルの民を重労働で虐待する。その中で生まれた預言者モーセ(モーゼともいう)に神の命が下った。モーセはイスラエル人をエジプトから連れ出し、約束の地カナンを求めてさまよう、という物語である。

これは数百年来、外来政権の支配下にあった台湾人にとって非常に共感できるテーマであり、
あえて『台湾人に生まれた悲哀』として持ち出したところに国家としての李登輝の使命感がうかがえる。

この対談で、編集部が『台湾は新しい時代に出発したのか』と尋ねたのに対して、李登輝はこう答えている。

『そう、出発しました。モーゼも人民もこれからが大変です。しかし、とにかく出発したんだ。そう、多くの台湾の人々が犠牲になった二.二八事件を考えるとき、『出エジプト記』はひとつの結論ですね』

『モーセのように出発した』とはつまり、建国に向けて動き出したということである。当然ながら、中国人にとってこれはタブーの話題であって、李登輝がこんなところで本音を明かすなどとうてい許せなかった。・・・

私(黄文雄)は李登輝本人に、『この時「出エジプト記」を取り上げたのは、西田哲学以来の「場の哲学」から「台湾」という場について熟考した上でのことなのか』と尋ねたところ、その通りだとのことだった。
事実、李登輝が『場の哲学』を学べ、と公言するようになったのは90年代からだ。しかも自ら『場の哲学』を翻訳して台湾で出版、哲学の啓蒙活動を進めていく。

私(黄)は二十代からずっと故・伊藤潔(元杏林大学教授)と共に活動してきた。李登輝は西田幾多郎の弟子・中村雄二郎夫妻を台湾に呼んだ際、書庫で西田と中村の著書について『私の理解としてはこうだがよろしいか』と疑問点をあれこれ尋ねたそうだ。謙虚に、そしてとことん哲学する知識欲に感心した、と伊藤は語っていた。

物理的な場と社会諸科学における場、そして歴史の場としての世界を見るには、複眼的な視野が必要である」


<西田の「場の哲学」についてよく分からないが、木庵の勝手な解釈では、地理的、歴史的に集約された場というものから逃れることができない。場とは、制限された空間と時間の一点を指すのだろう。制限された場とは、たとえば、台湾の場合、外来政権によってコントロールされた歴史を背負い、現在という地点において中国から逃れてきた国民党政権が台湾という土地を統制している。この制限された場は、ある種の奴隷状態である。その奴隷状態から解放するためには台湾人のための国家を建設することである。西田の「場の哲学」は、まず現実を見つめよという考えのようである。その現実から脱却し、台湾人にとって最良の国家を建設するために台湾人はまず場をしっかりと認識することから始まるのだと、西田の場の哲学は示唆しているのだろう。どうも、西田の場の思想はこれだけではなさそうである。次の黄氏の解説から学ぶことにする。木庵>

台湾という場で「純粋経験」を実践してきた
「哲学における場(トポス)の問題は、ソクラテスのイデア、プラトンのコーラ、アリストテレスのトポス、ヘーゲルの絶対精神、そして西田幾多郎の『場』の理論などで取り上げれれている。

そもそも『場』は不思議な特性を有している。プラトンは『有が有においてある時、場所は物であり』『限定さえた有の場所』と性格づけた。有の制約を離れた場所はまず『対立的無の場所』、最後は『絶対無の場所』に至る、西田哲学は『絶対無の場所』の理論である。

また空間は、聖なる領域と聖ならざる領域に分けられる。習俗の空間と権力の空間、可視的世界と不可視的世界もある。

ほかにも中心と周縁、中原と辺境、内と外、仏教でいう此岸と彼岸などがある。大中華や小中華は内と外を厳しく分けるが、日本もその例外ではない。

場の哲学は洋の東西を問わず、哲学の根本領域を構成する一大テーゼとされてきた。近代にはトピカ(トポス=場に関する学問)も興っている。

ハイデガーによれば、すべてが凝縮しているところが『場所』である。サルトルは存在と時間との関係を『実存の場』とし、存在と無について精力的に解き明かしている。さらに中村雄二郎は空間と場所の復権を目指して新たなトポス論を試みた。

『場所』について論じられるのは、主に次の三点においてである。

存在根拠としての場所

身体的なものとしての場所

象徴的な空間としての場所

・・・
トポス論とは古代ギリシャの自然学や自然哲学、さらにレトリックにおいて場所に現れる問題であり、ケノン、コーラ、トポスなどの領域に属するものだ。実践哲学や生活の世界でも課題の一つともなっている。

近代諸科学でも『場』は物理や哲学の問題として展開されてきた。近現代のトポス論としては、宇宙工学、量子物理学、数学における群論、位相幾何学、位相空間論、トポロジー(位相)心理学などがある。

物理学上の電磁場、生物学における発生学的な場などの分野でも、場(フィールド)が問題となる、目下最も注目を集めているのは、宇宙空間論より地球環境問題であろう。

西洋の伝統的形而上学では、大乗仏教のいう『空』やそのロゴス化である『絶対無』『場所』が中心になることはなかった。古代ギリシャ哲学以来、中心課題とされてきたのは相対有の世界である・・・・」


<まだ続くが字数の関係で、「場」の黄氏の解説を中座する。今までのところで重要なことは、西洋哲学で扱う「場」はどこまでも相対的な有の世界であるのに対して、西田の場の設定は絶対無というような大乗仏教が説く「空」の世界にまで及んでいる。数学の世界でゼロの発見をしたのはインド人であるが、空の観念こそ、東洋思想の深さを象徴している。木庵がアメリカの哲学者と接するなかで、彼らの思考は何処までも相対的有の世界に浮遊し、絶対的無などの世界など想像だにできていないと思うのだが。木庵>

写真:西田幾多郎(1943年2月撮影 )
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