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ニンジアンエ  古処 誠二

ニンジアンエ
 著:古処 誠二(こどころ せいじ・集英社・2011年11月・296頁)
 
 インパール作戦前年のビルマ。
  新聞記者の美濃部は日本軍の英印軍討伐に同行する。捜索が順調に進むほどに美濃部の胸中にいくつもの疑問が生じていく。捕虜になったイギリス人は、なぜ不遜な態度を崩さないのか?ビルマ人の人質はどこに消えたのか?すべての謎が解けた時、美濃部は「戦地の真実」を突きつけられる。
                                                                   −帯より−
 
 
  報道する者から見る軍隊・そして戦争でした。
  当時の記者たちの役割…それを考えると哀しくなります。この物語のその後、日本は悲惨な道のりへと向かって行ったんですね。
 
 イギリス軍・コーンウェル中尉の言葉を読みながら身震いしていました。彼はこの戦争の行く末を知っているようでした。当時は、日本(軍)のことをほかの国々は、そう見ていたんだと思います。今だから思えることですが。
 
 コーンウェル中尉の言葉は、どれも心に響くものがありましたが、その中でも特にこの言葉がとても印象に残りました。
 
  「君の仕事は戦争の遂行に必要不可欠であると同時に、戦争の処理にも必要 不 可欠だ。君はそれを実行する義務がある。職業人とはそういうものだ。……」
 
 戦争小説を読むと「繰り返すことのないように…」としか考えきれなくなるのに、読まずにはいられないです。
 
 
 
                         
 
 
                           

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いさぎよい、と言いきかす・・リタイヤ

 今年はリタイヤをしないようにと、気を付けて本を選んでいるつもりです。
 
   …が、ダメなものはダメさ。
 
 
  
  道化師の蝶・・・円城 塔
     頑張って読みましたが、諦めて途中放棄。。。。ゴメンナサイ_(_^_)_
 
 
 
  あくまでも読書は娯楽。
  どんな小さなことでも、楽しさを見つけられなきゃぁ苦行でしかない。
  修行じゃないんだからさ・・・
 
  途中放棄を≪潔し≫としようじゃないか――と自分に言い聞かせて…(^^;
 
 
 
                     
 
 
            
 

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どこ いったん  ジョン・クラッセン、長谷川 義史(クレヨンハウス)

どこ いったん (クレヨンハウス)
                    作:ジョン・クラッセン
                    訳:長谷川 義史
 
 ぼうしをなくしたくまが、いろんな仲間に きいてまわる。
 
 
 簡単にいえば、そういうお話ですが、ストーリーも絵もその色合いも、とてもシンプルでステキです。
 「赤色」の効果は凄いと思いました。その上、関西弁での訳がこれまた絶妙です。
 
「ちょっとドキッとするお話を ほんわかと……訳してん」
 
 帯に載っていた長谷川さんのこの言葉は、この絵本をうまく表現しているなぁと思いました(さすがです☆)。
 全体にほんわかとした雰囲気がただよっている中、文字の無いページの緊張感は半端ないです。
 ちょっと、意味合いが違うかもしれないけど「蛙は口から呑まるる」という故事を思い出しました。
 
 読み終わっても、その後を考えるとドキドキします(^∇^;)
 余韻の残る絵本は、いいですね。
 
 
             
 
 
 
             
 
 

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その日まで  吉永 南央

その日まで  −紅雲町珈琲屋こよみ−
 著:吉永 南央(よしなが なお・文藝春秋・2011年5月)
 
コーヒー豆と和食器の店を舞台に、
老女が街で起きる 
もめ事を解決するコージー・ミステリー
 
もつれた<>が引き起こす小さな<事件>
それを解き明かすのは、小粋なおばあちゃん。
                                      −帯より−
 
    【第一話 如月の人形】
    【第二話 卯月に飛んで】
    【第三話 水無月、揺れる緑の】
    【第四話 葉月の雪の下】
    【第五話 神無月の声】
    【第六話 師走、その日まで】
 
 全話を通して温かみを感じるストーリーで、前半、話はおだやかに進んで行きます。その中に、ちらちらと商売敵の悪いうわさやつながりが伏線として話に入り込んできました。
 
 後半になると、人の裏の部分や予想外なつながりが次々と表面化していき、ストーリーの展開もスピードアップ。引っ張られているような気分になりました。
 
 そして主人公・お草さんの歩んできた人生やその人柄には、好奇心をそそられましたが、その小粋なおばあちゃん・お草さん像が浮かびませんでした。
 
 ストーリーの中には絵本に関するくだりがあって、それが大好きな絵本だったのが嬉しくて、途中からその絵本を引っ張り出して脱線してしまったこと、登場人物がイメージできないこと、もっとミステリー色のあるものを期待していたことが重なって、読みやすいのにもかかわらず読了するのに時間がかかってしまいました。
 
 この作品には前作があり、そちらの方はミステリー要素がもっと強いみたいです。一作目から読まないと楽しめないかと思うと、とても残念です。
 
 
 
              

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隠し剣 秋風抄  藤沢 周平  (時代)

隠し剣 秋風抄
 著:藤沢 周平(ふじさわ しゅうへい・文藝春秋 文春文庫・2004年6月)
 
  隠し剣 孤影抄の姉妹編です。
  いずれも秘剣を持つ、武士の物語9編が収録されていました。
 
 
【酒乱剣石割り】
 酒乱と言われながら、普段はなかなか酒にありつけずに悶々としている冴えない男ですが剣の腕は見事でした。無事ご家老のお申し付けは果たしたものの、その先が思いやられる結末でした。しかし読後は爽快です。
 
【汚名剣双燕】
 汚名を着ても言い訳もせず、何事にも控え目な男。その彼の心を逆手に取ろうとする女。やはり女はしたたかだと思わせますが、それらの事態を招いたのは何だったのかと考えていました。
 
【女難剣雷切り】
 醜男であるゆえの女難とそれについて回る噂。コミカルさも感じた編でしたが、達人らしいと噂された彼の剣は本物でした。でも彼の気持ちを考えると切ないです。
 
【陽狂剣かげろう】
 許嫁が城主へ仕えることになり、想いを断ち切らせるためにとった芝居。それは城仕えの侍なら、仕方のないことだったのでしょうか。謀られたのではないかとも思いましたが、元許嫁の死後、芝居が本物へ変わったと感じた時、哀れと思いながらも恐ろしくなりました。
 
【偏屈剣蟇ノ舌】
 偏屈という性質は、それを利用しようとする人間達に、こんなに簡単に操られるものかと思いました。しかし、彼がそこに気付いたとき、まさかわが身に降りかかってくるとは、利用した人は予想しなかったでしょう。自業自得だと思う反面、残される人のことを考えてしまいました。
 
【好色剣流水】
 好色と噂されることに、憤りを感じている主人公です。そんな彼のまるで少年のような恋の様子は微笑ましいです。最後の言葉には男らしく潔さを感じましたが、やはりやり切れなさが残る編でした。
 
【暗黒剣千鳥】
 ミステリー色漂う編でした。
剣の遣い手だった同志の相次ぐ死、その真相と暗黒の剣筋を見極めようとする主人公。彼の追いつめられていく様子をドキドキしながら読んでいました。
 
【孤立剣残月】
 昔、上意を果たした主人公は近々仇打ちを告げられることを知ります。その事態を回避するため奔走していくのですが、そんな自分を情けないと感じている姿に、歳をとることの侘しさを感じました。妻からの言葉に焦燥感を募らせる様子もあまりにも心細い。それだけに最後のシーンがとても印象に残りました。
 
【盲目剣谺返し】
 盲目となり感性が強くなっていく主人公は、妻を疑う気持ちと失っては生きていけないという思いに揺れ動いています。それは読んでいるととても切なくなります。しかし、侍として夫としての一分を守るために命をかける姿はとても美しく、最後のシーンでは心打たれました。読後はとても気分爽快です。
 
どの編でも主人公達の一途さが眩しく感じました。
それぞれが弱さをひた隠し、恐れ、もがきながら生きています。そんな彼らが自分なりの筋を通す姿はとても美しかったです。
 
 孤影抄とは違って全編とも少しくだけた雰囲気が漂い、より読みやすく感じました。特に陽狂剣かげろう、孤立剣残月、好色剣流水、そして映画にもなった盲目剣谺返しの四編が心に残っています。
 
 
 
 
                 

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