耳をふさいで…
心の状態『夏は単なる季節ではない、それは心の状態なんだ』 片岡義男の小説の中に書かれているフレーズ。 この小説と出会ってから、夏に対する価値感が変わった気がする。 夏に退屈な日常に追われているなんてとても考えられなかった。 物語の主人公に憧れ、彼のように生きたいと思った。 夏は常に開放感に溢れ 白いTシャツに青いジーンズでオートバイに跨り 遠くの空にはいつも入道雲があり 広さを求めて海を目指したりした。 が、気がつけば… 今はオートバイも手放し 変化の乏しい日常に追われ 恋愛も少し面倒に感じたりして なによりショックなのは 憧れた主人公よりだいぶ年上になってしまったこと。 うーむ。 ん、それはさておき。 心の状態。 心の状態によって 物事の捉え方がこうも違うのかと あらためて感じたことがあった。 今すんでいるマンションの側には川が流れている。 部屋の窓を開けてベランダに出ると 目の前に小さな歩道があり そのすぐ先に川が横たわっている。 当然、川の流れる音が部屋の中まで届く。 周りの木々が風に揺れる音や 野鳥のさえずりも聞こえてくる。 これらの音が 心の状態によって 全く違う音に感じる。 心の状態が良いとき 心に余裕があるときは 最高の癒しの音である。 朝目覚める時も 夜眠りに付く時も 最高のBGMになる。 心の状態が悪いとき 心に余裕がないときは 騒音にしか聞こえない。 この騒音で眠れない夜もある。 同じ音なのに。 音に限らず 誰かの言葉だったり 行動だったり 置かれた環境だったり。 自分の心の状態の違いで 全く違ったものになる。 誰かからの 『ありがとう』 という感謝の言葉も 嫌味に捉えてしまったり。 良い事も悪いことも 些細なことも大きなことも 正しく捉えるには 心の状態が良くないと 出来ないのだろう。 明日は心に余裕を持って過ごせるだろうか? とりあえず
今夜の川の音は心地よい。 |