【紀州犬】犬と歩けば棒にあたる!【一期一会】

『今そこにいる犬を観る』 しつけ方法を学ぶよりも、犬という生き物への理解が大切。

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さて、サブタイトルが「問題へのアプローチ」となっておりますが、この項目では前回の俗に言う「問題行動」
 
内容を元にして、対処の方向性を大雑把に述べてみます。(本当に大雑把ですが・・・汗)
 
 問題へのアプローチあれこれ                       
 
【鳴く】
 
要求(退屈、空腹)・・・ 要求に応える。 要求に応えない(行動を無視)。 
 
発情期の求愛・・・ 発情シーズン中は諦める。 去勢・避妊手術をする。
 
精神的不安(分離不安症)・・・ 要求に応える。 自立できるような環境改善、および対応。 
 
 
【唸る】
 
他人や他犬の接近に対する威嚇・・・ 社会化を行う。 訓練(指示)によって制止する。
 
接触行為(ブラッシング、耳掃除等)に対する威嚇・・・ 段階的に馴らす。 訓練(指示)によって制止する。
 
 
【吠える】
 
怖い相手、嫌な相手、不審者などに対する警告・・・ 社会化を行う。 家屋内(敷地内)においては環境改善。 
                                 訓練(指示)によって制止する。
 
人間・犬への接触(挨拶・遊び)の要求・・・ 受け入れて応える(反応を返す)。 要求に応えない(行動を無視)。
 
 
【噛む】
 
若い犬の遊び・・・ 一緒に遊びながら噛み加減を教える。
 
不快行為に対する警告・・・ 不快行為の一切を止める。 段階的に馴らす。 訓練(指示)によって制止する。
 
 
【咬む】
 
防御的攻撃(正当防衛)・・・ 社会化を行う。
 
好戦的な攻撃(喧嘩好き、凶暴犬)・・・ 社会化を行う。 訓練によって自制心を養う。
 
 
【破壊行為】
 
単なる遊び、退屈しのぎ、ある種のストレス・・・ 環境を改善して、ストレスを溜めない。
 
 
【トイレ失敗】
 
犬にトイレの場所をきちんと教えていない・・・ トレーニングによって場所を覚えさせる。
 
犬の排泄ニーズに環境がマッチしていない・・・ 環境改善。 外トイレに変更。
 
 
以上。 かなり大雑把なアプローチの内容ではありますが、実際の具体的対処という意味では個体別の現状に
 
応じた分析が必要になるので、この場は細かい話は抜きにしてシンプルに考えて下さい。
 
 
 アプローチの選択                              
 
問題行動以前に、生活の中で犬に対してどのようなアプローチを選択するかによって、ドッグライフは道を大きく
 
分けると思います。 犬は我々の生活に密着しすぎているせいか、人と犬の共生のはずが「犬だけ強制生活」に
 
なっているケースも少なくはありません。 さて、上記に挙げた大雑把なアプローチの中にある「訓練(指示)」と
 
いう言葉に注目してみましょう。 先の記事、犬飼いの道しるべ 【2】でも述べましたが、育成の優先順位は以下
 
の通りです。
 
1、環境整備
2、社会化
3、しつけ
4、訓練
 
そして俗に言う問題行動へのアプローチも、優先順位としては同様に考える訳ですが、ここで基本を飛ばして訓
 
練だけに依存してしまう飼い主やドッグトレーナーがいます。 例えば犬が他人や他犬に唸ったり吠えたりした際
 
に、犬を飼い主に注目させて場を乗り切ってみたり、リードを引っ張る犬を脚側歩行でピタッと付かせたり、犬が
 
破壊行為を行っているとき、その行動を「止め」の指示で制止させた後、「ハウス」と命じてクレートで待機させて
 
みたり。 確かにこれらの訓練(しつけ)によって目の前の問題は解消されていると言えますが、これはあくまでも
 
人側の問題が一方的に解決しただけに過ぎません。
 
 
 犬側の理由を考えよう  〜犬が犬らしくある為に〜          
 
犬でも人でも何か行動を起こす時には、何かしらの理由があります。 例えそれが無意識な反射行動であったと
 
しても、反射を引き起こす理由が必ずそこにある訳です。 例えば犬が唸ったとき、その対象となる相手は犬に
 
対して脅威的な態度を示しているのか? 示していないのか? 相手から脅威を受けているとすれば一方的にを
 
抑制するのは理不尽な話でもある。 または相手から脅威を受けていないときに犬が唸っているのであれば、そ
 
の唸りは理不尽な行動とも言えます。 しかし社会化不足によって他犬を怖がって唸っているのであれば、指示
 
やオヤツなどで飼い主に注目させて状況を乗り切るような訓練をする前に、その犬を犬社会に触れさせてあげる
 
試みが必要だと思います。 人側の正論を言えば、犬は飼い主との関わりが重要であり、同族との関わりがなく
 
とも幸せな暮らしをしている個体もいるので良いではないか!という見方もあります。 個人的にこの考え方は嫌
 
いではないのですが、それは同族社会に触れる機会のない環境に暮らす犬や、様々な理由と併せてその犬が
 
犬社会との関わりが困難である場合はそれで良いかと思います。 しかし、犬は犬として生まれてきた訳であり、
 
生涯単独で生きる生態ではなく同族との関わりを求める社会性を持ち合わせた生き物であります。 
 
 
例えば唸りはともかく、吠えに関して言うならば、他犬を求めての呼び声である事もあります。 そうした犬の気
 
持ちを知らず知らずのうちに断ち切る飼い主も少なくないのですが、犬が犬らしく(犬が動物らしく)ある為にも、
 
同族との繋がりを可能な限り持たせてあげるべきだと私は考えています。 但し、それが犬(他犬含む)にとって
 
押し付けであってはなりません。 犬同士が仲良くなる為の社交性が大事なのではなく、他犬がいる状況におい
 
て当たり障りのない生活を送れる社会性を身に付ける程度の社会化で良いと思います。
 
 
問題項目に挙げ忘れましたが、散歩の際にリードを引っ張る犬が問題視されることも少なくありません。
 
犬がリードを引っ張るのは犬が人を支配しようとしているから?(笑) いやいや、そんなことはございません。 
 
理由は極めて単純で、単に目的地へ早く行きたかったり、何か気になるモノや場所を見つけて匂いを嗅いでみた
 
かったり、そんな時に犬がリードを引っ張る状況になります。 そもそも一般リードは自由に動ける範囲が1.2〜
 
1.5m足らずなので犬が自由に動ける範囲が狭いです。 ですから簡単にリードが張ってしまい、飼い主は犬に
 
引っ張られる状況になるのです。 それに犬の歩く早さと人の歩く早さでは明らかに速度が違いますので、そこ
 
は犬に合わせて飼い主も早足で歩く努力を怠ってはならんのです。(笑)
 
混み合った場所なら分かりますが、終始脚側歩行で犬の散歩をすることに何の意味があるのだろうか? 終始
 
自分のペースで散歩したいなら、犬とは時間を分けて1人で散歩をするべきであると思う。 第一に犬にとって散
 
歩の時間は「自由」という至福のひと時です。 行動範囲(テリトリー)の匂いを確認をしたり、気になる物を見つけ
 
ては好奇心で近付いてみたり・・・ 散歩は犬にとって良い刺激であり、生活ストレスの解消に必要不可欠なもの
 
である。 もちろん飼い主との散歩を嬉々として楽しむ犬もいますが、そんな中でも犬主導の時間を設けてあげ
 
ることで、犬が犬らしく(犬が動物らしく)いられるように思います。 
 
 
次に、破壊行動にしても同様です。 まるでストレスを発散させるかのような行動ですが、散歩や遊びが足りてい
 
ないのではないか? 何か生活ストレスが溜まっているのではないか? などなど、まずは犬側の理由を考えて
 
みます。 噛まれて破壊されては困るものがあるならば、犬の居る空間に置かないのが基本となりますが、同時
 
に「噛んでも良いもの」を与えてあげることも犬が犬らしく(犬が動物らしく)ある為には必要である。 何故なら
 
ば、特に若い犬はモノを噛んで遊ぶことが大好きだからです。 
 
こんな感じで、訓練重視のアプローチを行う前に犬側の視点で考えてみることが必要だと私は思います。
 
 
 優先順位とバランスと                            
 
環境整備やら社会化の話を優先すると、訓練は全く必要ないとの誤解を受ける方もいるかも知れません。
 
しかし私は訓練を重視しないだけであり、訓練が全く不必要だとは思っていません。 環境整備、社会化を優先
 
するのは、適切な環境と機会を犬に与えることで、犬自ら局面打開をできる自立心と能力を身に付けることが出
 
来ると思うからです。 但し、それらの環境と機会を与えても、恐れ知らずでアグレッシブな性格の個体や、特定
 
の問題を抱えた個体などは、個体レベルに応じた訓練を通じて自制心を養うことも必要になります。 また、社会
 
化の成された犬であれば周囲に過剰反応することもなく、訓練の位置付けも「指示で場をやり過ごす」というもの
 
から、純粋に飼い主とのコミュニケーションへと昇華させることが出来ます。 それは、より良いドッグライフ(人と
 
犬との共生)の行動圏や生活シーンの可能性を広げるものであると思います。
 
 
 落としどころも重要                              
 
ここでは犬側の立場を考えようということで述べてきましたが、巷で溢れる犬の問題については、本気の咬みつ
 
きが伴うような本当に深刻なものもあります。 その場合、一方的に犬側の立場ばかりを飼い主に押し付けるべ
 
きではありません。 何故ならば、飼い主も真剣に悩んでいるからです。 
 
ちなみに私が犬の行動に関する相談を受ける場合、飼い主に犬側の権利を押し付けるのではなく、飼い主を犬
 
側の世界に導きつつ、今そこにいる犬との付き合い方の提案を試みます。 提案内容は飼い主の理解とスキル
 
を見ながらの判断になりますが、いずれにせよ押し付けにならないことを心掛けています。 
 
飼い主の存在は犬にとって環境要素の筆頭ですから、その飼い主(環境)をないがしろには出来ないのです。 
 
犬の相談を受ける者は、自分が出来るかどうかではなく、その飼い主が出来るかどうかを第一に考え、それと同
 
時に飼い主の犬に対する理解、知識、スキルの底上げを図るべく、丁寧に指導する必要があります。 ただ、ア
 
ドバイスを行う際に難しいのが、どんなに犬側の現実を踏まえた適切なアドバイスであっても、保守的な飼い主
 
の場合はアドバイスを「ダメ出し」との曲解をする場合があるということ。 現実を指摘するのは時として厳しいも
 
のもありますが、飼い主の顔色を伺いながら現実を黙認するのは優しさとは言い難いです。
 
指摘か? 黙認か?  この辺のバランスの保ち方や、言葉の使い方、伝え方は、アドバイスを行う者の永遠の
 
課題といったところでしょうか。 
 
 
 共生を考える                                 
 
さてさて、私が心から共感を受けたある言葉・・・ 
 
 
  「犬側に立ちながら、飼い主と犬の双方を救う。」
 
 
これは私が尊敬する犬馬鹿の1人、へちまこさんの言葉です。 
 
飼い主と犬は運命共同体ですからね、犬だけ救ってもダメですし、飼い主だけ救ってもダメであると、私も長年
 
思い続けてきました。  だって人と犬は共生している訳ですから。
 
 
 
 
 【関連記事】                                     
 
へちまこさんのブログ記事を紹介致します。 訓練の在り方と、飼い主と犬の双方を救う為の落としどころについ
 
て、とても参考になる事例です。 問題に対する決まった方法などなく、答えは1つにあらず! 
 
今そこにいる犬を観ながら柔軟に考えることが大切であるというお手本の1つです。
 
 
確実性という服従。
 
咬み犬トイプーTくんの続き。
 
なぜ、咬み犬Tくんには確実なオスワリが必要だったのか?
 
 
【続く】

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続編、待っていましたよん。
難しく考えればどんどん複雑になっていく犬のこと。
ここまでシンプルに大胆に(笑)まとめたのはさすが主さん。
とってもわかりやすいです。 削除

2011/7/28(木) 午前 10:46 [ ルークママ ] 返信する

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ルークママさん♪ 僕の大雑把という表現も、大胆という言葉に変えて頂いたことで聞こえが良くなりました。(爆) ありがとう♪

考えの土台として、訓練で犬をイジリ倒そうとすると難しいと思うのです。 環境整備と社会化に関しては、犬に何かをさせるのではなく、人が動いて用意すればよいだけなので楽チンなんです。 それでも足りない部分がある訳ですが、そこを訓練で補えば良いという考えです。

一応、ここまでの記事で土台作りの話は一区切りです。 次から本題へと入っていきますが、ここから先こそ僕の伝達能力が問われる領域なので、頑張って書きます。(^^)

2011/7/29(金) 午前 10:08 taronusi 返信する

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