【紀州犬】犬と歩けば棒にあたる!【一期一会】

『今そこにいる犬を観る』 しつけ方法を学ぶよりも、犬という生き物への理解が大切。

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さて、色々と伝えたい内容が多くて記事の順序に悩んでおりましたが、今回は「過干渉」についてのお話です。
 
これまた巷のしつけ本を開いても、どこにも載っていないお話でありますのでお楽しみ下さい♪
 
 
 過干渉                                     
 
犬と飼い主の関係が拗れたり、犬が自立できずにストレス問題を抱えるなどの原因の多くは、私は過干渉である
 
とみています。 では、過干渉とはどういうものか? これは大きく分けると2つあります。 1つは、犬が苛立つよ
 
うな行為を行うこと。 もう1つは、犬を過保護に扱うことです。
 
 
 犬が苛立つ行為                               
 
これはいわゆる「小さな親切、大きなお世話。」みたいなもので、飼い主が犬に取る行動の中で、押し付けがま
 
しい行為を意味します。 その典型的な例は、食事、おやつ、オモチャなどを犬の鼻先にしつこく差し出す行為で
 
す。 おそらく多くの人が食事、おやつ、オモチャなどを犬の鼻先に差し出すことがあると思いますが、お腹を空
 
かした犬であれば食事に釘付けになるでしょうし、おやつであればその匂いに釣られて釘付けになるでしょうし、
 
オモチャであれば好奇心から興味を示すなどの反応を犬が返すでしょう。 まぁ、このような好反応であれば何も
 
問題はありません。
 
ところが時として、犬が食事、おやつ、オモチャなどに無関心な場合があります。 通常ではいきなり犬の鼻先に
 
差し出すことはせず、鼻先20〜30cmに差し出して見せることが多いでしょうか。 この段階で犬が無関心だと、
 
次に飼い主が取る主な行動は、食事やオモチャを犬の鼻先に近づけるというもの。 このとき、「ほら、ご飯だよ
 
♪」とか、「ほら、ボールだよ!」などと犬に声を掛ける姿は誰しも容易に想像できるかと思います。 そして更に
 
セリフは続きます。 「あれ、どうしたの? 美味しいから食べてごらん。」とか、「さあ、ボールを咥えてごらん♪」
 
などと言いながら鼻先でボールをチョロチョロと動かしてみたり・・・ そしてしばらく鼻先で食事、おやつ、オモチャ
 
などをチラつかせるのである。 この時、犬は確実に苛立っていると思ったほうがよいです。 もちろん犬が無関
 
心な理由の中には体調不良なども考えられますが、犬が物事に無関心であることは基本的に何の理由もない
 
でしょう。 それは我々人間と同じで、犬も興味や魅力のあるもだけに関心を示すのが当然だからです。 
 
 
 苛立った犬はどうなるの?                         
 
鼻先に物を差し出し続けても苛立ちを表現しない犬もいますが、それでも「ちょっとうるさいなぁ」くらいは思われて
 
いるかも知れません。 一方の飼い主は、犬の為に良かれと思って美味しい食事を差し出したり、楽しいオモチャ
 
を差し出している訳ですから、犬が無関心であることに対して逆に苛立つ人もいたりします。 これこそが押し付
 
けがましい話であり、犬にとっては有り難迷惑なのです。 これはですね、自分に置き返るとよーく分かります。 
 
例えば飲み会の席で、飲みたくもないビールジョッキを「さぁさぁ飲んで♪ 飲んで♪」と言いながら顔の前に差し
 
出されたらイラッとするでしょ? 食べたくもない焼肉を「さぁ、どんどん食べて!」と言いながら、自分の取り皿に
 
ドンドン盛られたらイラッとするでしょ? またはイラッとしなくても迷惑に思うでしょ? まさに小さな親切、大きな
 
お世話。 押し付けがましいのも程ほどにと言うわけです。
 
これは遊びにも同じことが言えます。 自分が遊ぶ気もないのに顔の前にボールを突きつけられたらイラッとす
 
るでしょ? そして、それらの行為を日々の生活において特定の人物から受けたら、あなたはどうなりますか? 
 
その行為に対する苛立ち以上に、その行為を示す特定の人物に明らかな嫌悪感を抱くのではないでしょうか。 
 
これは犬にも同じく言えることであり、飼い主の過干渉は犬との関係を容易に拗れさせるだけの理由が成り立つ
 
のです。 以前も話しましたが、飼い主は犬を取り巻く環境要素の筆頭であり、日々の生活において飼い主の取
 
る一挙手一投足の全てが、犬に対して良くも悪くも影響を与えていくのです。 これらの苛立ちの積み重ねによっ
 
て犬のストレスが増大し、いつしか堪忍袋の緒が切れれば、犬の怒りも「噛み付き」という形で爆発することもあ
 
ります。 特に日頃から澄ました顔をしている和犬は、飼い主の行為がしつこくても我関せずを決め込んでいる
 
訳ではなく、寡黙に我慢をしているだけのことがあるので十分に配慮してあげましょう。
 
 
 犬に対するマナー                              
 
これは至って簡単なことで、まずは自分の気持ちを犬に押し付けないことです。 「エサを食べて欲しい。」 「お
 
やつを食べて欲しい。」 「水を飲んで欲しい。」 「オモチャで遊んで欲しい。」 などの思いは犬のニーズを満た
 
したいという人側の提案であり願望な訳ですが、差し出したときに犬側がニーズを抱いていないのであれば、こち
 
らの提案を取り下げるべきでなのです。 そして、自分の気持ちを押し付けないというのが動物に対するマナーで
 
もあります。
 
 
 犬にどう対応したらよいか?                        
 
犬にモノを差し出すときは、基本的に20〜30cm手前に留めて差し出します。 関心のある犬はこの時点で鼻
 
先を伸ばして匂いを嗅ごうとしたり、身を乗り出してみたり、歩み寄ってきたりと、何かしらの反応を示します。 
 
逆にこの時点で関心を示さない犬は、この場面においては興味がないと言っているのです。 もしも確認の意味
 
でもう一歩だけ踏み込んで差し出すのであれば、犬の目障りになる鼻先ではなく、せめて10cm程手前に留め
 
ましょう。 そこに出した瞬間に興味を示さなければ、その鼻先10cm手前から速やかに引き下げます。 犬が物
 
体を興味の対象とするかどうかは嗅覚で判断することが多いので、実は20〜30cm手前の時点で十分に答え
 
は出ていると言えます。 そのような訳で鼻先に近づけてまでチョロチョロとさせるのは、まるで無駄な行為とも言
 
えます。
 
ちなみにお散歩会では、私が皆さんの犬に水入れを差し出すことがあります。 そこで差し出した水を犬が飲ま
 
ない時、私が早々に水入れ容器を引っ込めるのは今回の記事で述べている理由からであります。
 
 
以下は過去記事のリンクですが、私の対犬極意となる必読記事です。
 
犬の信用を得る方法 【その3】 〜フラット&ニュートラル〜
 
 
 
 過保護による過干渉                             
 
これは小型犬の飼い主に多く見られますが、抱っこによる介入がその典型です。 小型犬の散歩をしている時に
 
中・大型犬を連れた人と道で擦れ違う際、互いに十分なスペースがあるにも関わらず心配そうに犬を抱き上げて
 
みたり、犬が吠え出したときに理由が何であるかも見極めようとせずに抱き上げてしまったりなど。 これが過保
 
護による過干渉です。 これらの干渉の何が問題かというと、犬の行動を阻害してしまっていることです。 抱き
 
上げられた犬はその時点で行動の自由選択が出来ませんから、その先の自己対応を学ぶ機会を奪われること
 
になり、結果として自立できない犬が完成します。 特に対犬社会化という観点では、他犬との距離の取り方も知
 
らなければ、他犬の出方も自分の出方も未知の領域となり、物事の自己解決力も得られなくなるのです。 
 
過保護による過干渉は、人間の世界も犬の世界もよくありません。 それは犬にとって単なる経験不足を招く行
 
為であります。
 
という訳で、以下の紹介記事も併せて必読願います♪ へちまこさんのブログliddell the dogより
 
かわいい子には旅をさせろは本当なのね。
 
 
 
【続く】 次回、過干渉が助長する守りの問題行動
 
 

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閉じる コメント(11)

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うーーん、私も過干渉してますね。。。
ごろーはなかなか食事をしてくれないので、
ついつい、鼻先まで勧めてしまって、
それでも食べないと、手に取って手からあげてみたり。。。(汗)
それで、大抵の場合、食べ始めてくれるから。
でも「しかたないなあー」のストレスだったのかも知れませんね、
食べなくても、ほっとくべきですね。
お腹が減ってれば、ほっといても食べるわけだし。
反省です。

2011/8/27(土) 午後 0:31 [ ごろーの飼い主 ] 返信する

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うっヤバイ。
やってる、やってる。

散歩中にみかんが見上げた時「水か?」と思って、
鼻先に水容器を差し出したりしてる。

遊びたそうな顔してると思って、こっち見ているみかんに向って
オモチャのボール鼻先ぎりぎりに転がしたりしてる。

ことごとく目線を反らされて、無視されてます。


鼻先20〜30センチ手前ね φ(..)メモメモ 削除

2011/8/27(土) 午後 4:43 [ くまごろー ] 返信する

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へちまこです。
こちらのトラバもありがとうございます。

主さんの犬飼いの視点、核心をつくものもたくさんあって、どんなしつけ本よりもためになること満載だと思っていますよ。

続きが、楽しみの上をいってますから、今後もわくわく。 削除

2011/8/28(日) 午前 10:49 [ へちまこ ] 返信する

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gorogorota56さん♪ これらの事は、gorogorota56さんが経験を積みながら数年先にはそのことに気付いて、ごろーに対する過干渉な行為を省くようになるとは思うのですが、現状ではごろーと関係が拗れないだけの良好な関係が出来上がっているので、特別に問題ではないと思います。
でも、今のうちから過干渉な行為を適時省くことで「ごろーとの良好な関係」の質が更に向上すること間違いありません♪(^^)

ちなみに適時省くというのがミソで、適時干渉も必要だと考えています。 良好な関係にあるカワイイ愛犬ですからね、やっぱり構いたくなるものですし、それを受け入れてくれるのが愛犬なんです。

>それで、大抵の場合、食べ始めてくれるから。
>でも「しかたないなあー」のストレスだったのかも知れませんね、

にゃはは。 ごろーはエサをしかたなく食べるような性格には思えないのですが・・・(爆)
飼い主の存在によって得られる安心感から食が進むと思われる個体もいるんですよ。(^^)
さて、ごろーの真意は如何に!? それを考えるのもドッグライフの楽しみですね♪

2011/8/29(月) 午前 8:05 taronusi 返信する

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くまごろー♪ やってる、やってる?(笑)

>鼻先に水容器を差し出したりしてる。

>オモチャのボール鼻先ぎりぎりに転がしたりしてる。

これらの行為は、しつこくしない限り問題ではありませんよ。って、もしかして・・・ しつこくやってるからこその「うっヤバイ。」だったでしょうか?(^^)

でもね、さすがくまごろーだよ! 過干渉かどうかは置いといて、その干渉に至る経緯が大事なんだな。

>散歩中にみかんが見上げた時「水か?」と思って、

>遊びたそうな顔してると思って、こっち見ているみかんに向って

つまりね、いずれの場合もみかんの動向を観て反応をしているということ。 結果として自分の行為が空振りに終わることもあるけれど、そのような犬の気持ちを確認する行為はすごく大切なのです。 そして確認行為に対して犬が無反応な場合は速やかに引けば良いのです。
過干渉はよくないけど、適時干渉は必要であり、何より無関心はよくありません。 このとこについては、実は次々回の【11】にて記事の予定をしておりました。ちょっとネタバレになってしまいましたが、お楽しみに〜♪

2011/8/29(月) 午前 8:25 taronusi 返信する

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へちまこさん♪ こちらにもコメントありがとうございます。

>どんなしつけ本よりもためになること満載

うわっ、それは褒めすぎですって。(汗)
でも、巷のしつけ本の隙間や裏を行くのが僕の持ち味であることは確かです。 だって、巷のしつけ本と同じことを書いていたら、犬たちを観て経験してきたことの値打ちがなくなっちゃうもんね。(^^)

>続きが、楽しみの上をいってますから、今後もわくわく。

うわ〜 とても励みになります♪
連載ネタははまだまだ後に控えておりますので、今後もご期待下さい。〈^●(エ)●^〉

2011/8/29(月) 午前 9:05 taronusi 返信する

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タローの主さん コンニチワン!
そろそろ秋の気配♪朝晩はぐっと涼しくなってきましたね〜
このお題も為になること満載。いつも楽しく拝読しております。

小型犬チームは過保護の傾向がきっと強いでしょうね〜
え?ハナ?
彼女がせがんだ時しか抱っこはしませんし
他所に比べればさっぱりと育ててるとは思ってますが。
そう言えば2人の息子が散歩で抱っこをせがんでひっくり返っても、しませんでしたね〜
お陰で頼らず自分で歩く子に育ちました(笑)

そうそうその息子たちが、先日5日間ボランティアに行ってきました。
仙台のdogwoodさんです。レポート載せてるので見に来てくださいね〜
朝から晩まで犬まみれの生活を送ってきたようですよ〜
主さん、行きたくなるかも(*^m^*)

2011/8/29(月) 午前 11:31 [ han*o*ma ] 返信する

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ハナオンマさん♪ コンニチワワ〜! いつも読んで頂きありがとうございます。

>彼女がせがんだ時しか抱っこはしませんし
>他所に比べればさっぱりと育ててるとは思ってますが。

そうなんですよ〜 犬が助けを求めている訳でもないのに、事あるごとにすぐに抱っこをしてしまうケースが問題なんです。 犬を落ち着かせる意味での抱っこをする方もいますが、それは抱っこしなくても出来るのです。 だって連れている犬が中型だったら抱っこしないでしょ?(笑)

ちなみに犬の自立のポイントは、犬の足が地に着いていること。 抑制のポイントは犬の心と体の一部を制御すること。 抱っこは体の全てを制御していることになるので、自立の要素を奪うことになるのです。 「自分で立つ」読んで字のごとく、「自立」とはそういうものである。というのが僕の持論です。(笑)

以前、小田原でお会いしたとき、ハナは落ち着いていましたね。 その姿からは犬としての健全さが伺えました。(^^)

2011/8/30(火) 午前 10:36 taronusi 返信する

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ハナオンマさん♪【続き】
5日間の被災地ボランティアですか? 早速記事を拝見いたしましたが、息子さんたち、貴重で有意義な体験をされましたね。 対犬スキルも一気に向上したのではないでしょうか。(^^)
そして仙台まで手助けに行って務めをしっかり果してきた2人の行動は立派だと思います。

2011/8/30(火) 午前 10:45 taronusi 返信する

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再びコンニチワン!
主さん、そうなんですよ。普通自分ちの犬位しか世話しないでしょう?
今回数十頭を世話して、きっと私より多くの犬と知り合えたと思います。
私のように理屈じゃなくて、まさに体で学んだ感じ。

先ごろ発売されたヴィベケさんの本を手にとって読んだり(今までは関心を見せなかった)、犬について話すことが増えたでしょうか。
どの子も愛おしくいい子だったと思い出しています。

お手伝いをしてきたと言うよりも、こちらが色んな物を沢山貰ってきた感じです。なので親としては感謝のボランティア活動でした。
なかなか若い人は自分で踏み出せない、勇気?が要るので
大人が背中をぽんと押してあげるのが必要かな?と思いました。

2011/8/30(火) 午後 3:22 [ han*o*ma ] 返信する

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ハナオンマさん♪ 再びコンニチワワ〜! シェルターの犬たちは生い立ちが様々であり、正規スタッフが扱うような難易度が高い犬も多い一方、人の心の温もりをよく知った犬たちも多いです。 何しろ、良く知る愛犬ハナを相手するのとは勝手が異なるので、犬の世話という意味では本当に良い経験だったと思います。
ちなみに多頭の世話をする為に必要なのは、まずは体力。 そして犬たちの名前を覚えることなのですが、犬たちの名前を覚えて来た頃に現地を去るのはきっと心残りだったのではないでしょうか。(^^)

先日発売の本、ドッグ・トレーナーに必要な「深読み・先読み」テクニックに興味を抱くとは良いじゃなですか! この本はですね、ただ読んでも身に付くものではなく、実際の犬たちを観ながらそれに照らし合わせることが有効なので、息子さんたちの呑み込みはきっと早いかも知れませんね〜♪

息子さんたちの背中を押してあげたハナオンマさん、さすがです!

2011/8/30(火) 午後 5:15 taronusi 返信する

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