【紀州犬】犬と歩けば棒にあたる!【一期一会】

犬との生活の基本は行動観察。 しつけ方法を学ぶよりも、犬について学ぶことが大切です。

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2012年2月16日

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犬飼いの道しるべ 【23】 「怒る」と「叱る」は非なるもの

こちらのシリーズ記事、すっかり怠けてしまっていました。(−−;) 
 
それでは今回は、正月のお散歩会記事にて予告した内容でお届けいたします。
 
 犬を叱ることはいけない?                         
 
最近の子供の育成と犬の育成はどこか似ている気がします。 厳しさという言葉の意味を勘違いしてい
 
るというか、優しさと甘さの分別が付かな過ぎるというか、「叱らないしつけ」「褒めるしつけ」というものに
 
固執し過ぎるのは良くはないと思います。 犬を叱る。 すなわち、犬の行動に「ノー」と言えるかどうか
 
ですが、果たして「ノー」と言うのはいけない行為なのか? 大前提として、犬の取る行動を否定するべ
 
きではないとは思います。 しかし、育成における「教育」は絶対的に必要であります。 その教えが「褒
 
める」ことで伝わる内容や、それだけで理解できる個体であればそれに越したことはないのですが、世
 
の中そのような状況ばかりでもなければ、そのような犬ばかりではありません。 また「教え方」につい
 
ては方法は1つにあらず。 つまり正しい答えは1つではないということです。
 
 
 
 それは叱りですか?                               
 
「犬を叱っても言うことを聞いてくれない。」なんて声をよく聞きます。 でも、飼い主の叱り方を見聞きす
 
ると、その理由が一目瞭然だったりします。 それでは理由をいくつか挙げてみましょう。
 
1、犬との関係を築けていない段階で叱った為、犬が叱りを受け入れずに拒絶する。
2、悪しき行動の現場で叱っていない。
3、悪しき行動の現場ではあるが、その瞬間を叱っていない。(叱るタイミングが秒単位でズレている。)
4、叱るときの気持ちが中途半端な為、叱り声が「叱咤激励」となり、犬はより興奮する。
5、叱り方がダラダラとしていて、単なる説教になっている。(どの行動を叱られているのか理解不能。)
6、犬の行動を誘導して「褒める」が適切な場面で叱っている。
7、神経の細い個体(気弱な個体)に対して叱っている。
 
まぁ、大体こんな感じですかね。 しかし上記1〜7のいずれかを行ってしまう方々の問題は、タイミング
 
やメリハリ以前のことであり、根本的に叱りになっていないことが問題だったりします。 では、叱りでな
 
ければ一体何をしているのかというと、「怒り (いかり、おこり)」になっているのです。 そう、喜怒哀楽
 
「怒」。 そう、それは・・・
 
「それは叱っているのではなく、怒っているだけですよ。」 
 
 
 
 怒りと叱りの違い                               
 
一見するとどちらも厳しい当たり方のように思えますが、怒りは感情からなり、叱りは理性からなります。
 
犬の行動および感情をコントロールしようとする場合、人は絶対に感情的になってはいけないのです。
 
自らの感情をコントロールせずして、犬のコントロールは成しえません。 それは褒める時でも同様で、プ
 
ロが褒め上手なのは喜怒哀楽の「喜」「楽」で感情的に褒めているからではなく、その褒め方に理性
 
あるからなのです。
 
 
 
 犬は理性を重んずる                             
 
「動物に理性はない」などと言われたものですが、それはどうでしょう。 本能的に行動する部分だけを
 
見ればそのように思えてしまうかも知れませんが、動物はとても計算高いし、理性の塊でもあります。
 
動物に理性がないというのは、あくまでも人間社会の行動様式に当てはまらないという話に過ぎないの
 
です。 犬に関して言うならば、犬社会において多くの場面で理性が働いています。 理性があるからこ
 
そルールがあり、ルールがあるからこそ平和な暮らしが出来るのです。 例えば、接近状態にあるオス
 
犬同士のマーキング合戦。私はこれほど理性のある行動は他にはないのではないかと思うほど、オス
 
犬同士のマーキング合戦を面白がって眺めます。 特にオス犬同士のマーキングはそれぞれの主張で
 
あり、対立心の表れでもある訳です。 その対立するべき相手が目の前に居ながらも、決して襲い掛
 
かって喧嘩を起こすことなくマーキングでやり合うその姿は、極めて平和的だと言えます。 という具合
 
に、犬には理性がきちんと備わっているのです。(例え話がマニア好みで分かりにくいかな?汗)
 
もっとも理性よりも時の感情の支配が勝ってしまう個体は、簡単に襲い掛かってしまいますが・・・
 
 
 
 犬と人では叱り方も怒り方も違う                      
 
ちなみに犬同士の叱りとはどのようなものか? それはやはり理性が働いており、吠え、唸り、噛みの
 
全てが抑制されて相手を窘めるといった具合。 これは個体間の精神的な力関係に歴然たる差がある
 
ことによる心のゆとりかもしれません。 かといって個体格差のない犬が怒り気味になってみても理性が
 
保たれている場合もある訳ですが、強いて理性のあるなしの線引きをするならば、相手を追い込むよう
 
な攻めを行わないかどうかです。 これは精神的にも肉体的にも言えます。
 
さて、理性ある人の叱りは別として、人が犬を下手に怒る場合どうでしょう? 肉体的には追い込んでい
 
なくても、精神的に追い込もうとしている場合があります。 つまり歯切れが悪いというか、いつの間にか
 
過干渉になってしまうというもの。
 
 
 
 犬に対する適切な叱りとは?                       
 
叱りが適切であるかどうかは、個体の性格や状況に大きく左右されるので何とも言えませんが、ここで
 
はあくまでも私の考える叱りについてだけ述べます。
 
叱りとは・・・ 犬が望ましくない行動を取ったときに制止させる手段として、理性を持って強い意志を言
 
葉に込める。 ここでは強い意志を伝えることが大事なので、声を荒げたり声を張り上げる必要もない
 
し、凄んで見せる必要もなければ、厳しく当たることも行わない。 使う言葉は手短に、「ヤメ」「ダメ」「コ
 
ラッ」「アッ」「イケナイ」「ノー」などなど。 場面の例を挙げると、むやみに飛び付こうとしているときや、む
 
やみに凄んで吠えているとき、または拾い食いをしようとしているとき、何かイタズラで咥えたり噛もうと
 
しているときなど。 いわゆる穏やかに言うだけでは聞きやしない、粗挽きな性格の犬に叱りは有効で
 
あることが多いです。 但し、叱って終わっては人間として芸がありません。 犬には犬同士にしかでき
 
ない叱り方がありますが、人間には人間にしか出来ない叱り方と教育の仕方があります。
 
 
 叱りの後はフィードバックも肝心                      
 
さて叱り方の大事なポイントです。 イケナイことはイケナイ! ダメなものはダメ! 犬に対して絶対に
 
「ノー」と言わないのは決して優しさでありませんし、「ノー」と言うべき場面で「ノー」と言うことは決して
 
犬を追い込む厳しさでもありません。 そして叱った直後に犬が行動を慎んだのであれば、すぐに犬を褒
 
めてあげましょう。 何故ならば、上手な叱り方の正体は、簡潔なコマンド(命令語)だからです。 指示
 
に従ったら褒める。 つまり犬が取った行動が正解であれば、それが正解であることを反応として返して
 
あげる訳です。 それを繰り返すことで叱りの意味をより理解しやすくなります。
 
という具合に叱りについて述べてきましたが、私は叱りを推奨している訳ではありませんし、基本的に犬
 
を叱る必要はないとは思います。 ただ、そんなキレイごとだけで育つ犬ばかりではないということです。
 
特に和犬みたいに我の強い犬種や個体に関しては、しっかりこちらの意志を伝えなくては付き合いきれ
 
ないところもあります。
 
 
 

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