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音の味わい、人の味わい
オーディオに癒しの音を求めて・・・ギターもちょっぴり

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良い音が出たと喜んでいたら、少々気になる記事に遭遇しました。スターリングの新旧モデルを聴き比べるという興味深い内容で、SS誌92年秋号に掲載されています。(上の写真の大きさは新旧明確化のためであり、実サイズの変更はない)

レビュアーは、音楽評論家・草野次郎氏とオーディオ評論家・菅野沖彦氏。草野氏は同誌別冊のセレクトコンポシリーズ1・7のスピーカー編で、スターリング(TW)を、いずれの号でも絶賛している名うてのタンノイファンです。

100機種を超えるこれらの評を通じて、草野氏の感覚は「お友達になってもいいな」という、共通部分が多いです。菅野氏は、好きではありませんが敬意は払うといった存在。総合すれば、記事内容は信頼できると言ってよいでしょう。

92年は、タンノイのプレステージと称されたこのシリーズ製品がHWからTW(テクノウェーブガイド)に変わった年です。HWの原意はわかりませんが、オリジナルからの変更箇所は、ネットワ-クに基盤を使っていない点。TWでは、デジタル時代への対応をふまえてユニット自体が変更されています。

この経緯をみると、真空管とのマッチングやいわゆるタンノイの持ち味はHWが上だと思われます。

記事は、GRFメモリー、エジンバラ、スターリングの3機種について、入念に新旧比較試聴をしています。記事のポイントをかいつまんで列挙すると以下の様です。

 。硲廛轡蝓璽困凌Ш未楼鼎ぁ
◆。硲廛轡蝓璽困寮宿覆蓮低域のエネルギーが団子になって分解能が劣る。
 シリーズ中で、スターリングは出来がよく品格がある。
ぁ。圍廚砲覆辰栃明宿覆箸い┐襪曚媛擦良くなった。とくにスターリングは
  高域の滑らかさ、スケール感の向上が他の2機種以上に顕著である。

といった具合で、TWは革命的な改善だと持ち上げています。

次のTWW、さらにはトールボーイに形状が変化したHEでも同様の絶賛があったのでしょうか。この調子で新製品が良くなってきたとすれば、20年前の製品など聞くに堪えないということになる道理ですが、そうはなっていません。それどころか、「今日の製品には求めにくい味わい」などという新製品のコピーさえ散見されます。

それはさておき、前述のように、HWは完成度の低い製品だったと烙印を押されてしまっているのでした。

しかし、と思ってみます。これは、あくまでもSS誌試聴室で鳴った音の評価です。部屋も組み合わせる機種も異なれば、評価が逆転することもあり得ます。オーディオとはそういうものだということは、少し経験のある人ならみんな知っています。

これが、所有しているHWモデルの絶賛記事だったら、そんな音の出ない我が環境、我が手腕にふがいなさを感じたかもしれませんが、「良くない」と書かれると、もっと良い音で鳴らしてみせるとファイトも湧きます。その意味では良い記事に出会ったというべきでしょう。

スターリングはコルクバッフルで、ツィーター部分は、御簾内に鎮座する平安の姫のごとく、慎ましくネットで覆われていなければなりません。この条件にマッチするスターリングは、このHWまでです。

美しい人に理屈抜きで惹かれるように、スピーカーのたたずまいに惹かれる・・・。スターリングは私にとってそういうスピーカーです。

(妹のグリニッチにも未練はありますが。(^^; )

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