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音の味わい、人の味わい
オーディオに癒しの音を求めて・・・ギターもちょっぴり

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LS3/5aの現状報告

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同一モデルでこれだけのバリエーションを持っているスピーカーは他にない。
トランスを積んだネットワークも破格だ。
 
Rogers製LS3/5aを鳴らし始めてから2週間になる。このあたりで現状報告をしておきたい。
 
●「LS3/5a」との関わり

このスピーカーを最初に聴いたのは、秋葉原が元気だったころのテレオンだった。ラジオ会館の1階にあった店で、車で行くと、ラジ館のひどく狭い地下(?)の駐車場に乗り入れるのがひと苦労だった。その店舗にアンプの購入を通じて親しくなった販売員さんがいて、ときどき店に顔を出しては、話題の新製品を聴かせてもらうというようなことをやっていた。
 
これが、あのBBCがライセンスを与えている「LS3/5a」かと、感慨もひとしおだった。Rogers製が最も標準的なモデルと認識され、販売台数も多かったと思う。他にKEF製のものも聴いたが、微妙にクールというか神経質な印象を受けたのを覚えている。そのころ実際に購入したのは、スペンドールBCⅡの方である。
その後、タンノイ・バークレー、マグネパンSMGc、マーティンローガンAerius“i”、そしてタンノイ・スターリングとスピーカー遍歴を続けながらも、常にこの「LS3/5a」が頭の片隅を離れることはなかった。
 
2007年、キット屋さんがオマージュ(創作物などにささげる敬意)という位置づけで、kit製品を発売した。このkitはゼロからの製品化ではなく、ベースになる台湾(本社は香港との説も)メーカーの製品があり、それにキット屋さんがオプションアレンジで注文を付けて製品化したものだと思う。このベース品は、各種のマイナーチェンジを施され、海外でも模擬「LS3/5a」として発売されていた。
 
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私は、価格の安さもさることながら、オマージュであるという面白さに興味を覚えて入手した。この製品の一連の試聴レポートが一部オーディオファンの検索にかかり、このブログの来訪者を増やしてくれた。LS3/5aというスピーカーは、常に注目されている製品だということである。

入手当時の記事に書いたことだが、私はこのkitを本物の「LS3/5a」の代用品と思ったことはない。形状こそ似せてあるが、ユニットもネットワークも違うので、当然ながら音も似ているとは思えなかった。
※当時の記事を読んでみたいという方は、トップページの■スピーカー関連の話題 1■ のリンクをクリックしていただければ、簡単にアクセスできる。
 
●「LS3/5a」試聴

例によって前置きが長くなったが、即物的な音の良し悪しだけを論じたのでは趣味としてのオーディオは成り立たない。製品への理解、こだわり、愛情、嫌悪など、人に対するのと同じように、多面的かつ立体的に製品をとらえてはじめて、オーディオが汲めども尽きぬ面白さをもたらすと、私は考えている。
 
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さて、オークションで“これは!”と感じ、一発落札した「LS3/5a」であるが、直前の使用実態は永らく書斎に沈黙したままで鎮座していたということだった。今回は、その空白を埋めるためのリハビリと並行してアンプの相性を探った。アンプは大きく分けて3種類。QUAD、オールド・マランツ、ミュージカル・フェディリティなどの外国勢、我が家の一大勢力を形成するラックスのアンプ群、そして新参(といっても中古の)アキュフェーズである。
 
この「LS3/5a」というスピーカー、出力音圧レベルは82.5dBと格別低く、アンプを選ぶ。ドライブ力が低いアンプでは、音量は確保できても音楽にならないのだ。50Wの中華デジアンでは、ひどく細身で硬質な音がする。廉価な欧州製のアンプでは、安定したバランスで音量も十分だが、音のキメが粗い。このように、アンプの弱点を遠慮なくさらけ出すのである。これはモニタースピーカーとしての際立った特質だと思う。CDプレーヤーの違いも拡大して示し、「メリディアン207Ⅱ」と「CEC TL-51X+SV-192S」とでは、別のCDであるかのような音を響かせる。
 
アンプに話を戻すと、ラックス(私の所有アンプは、1970年代〜2000年と古いものが多い)が中高域の肉付きを伴うのに対して、アキュフェーズは同じ帯域をスリムにしてヌケの良さと華麗な音の散乱を目指しているように感じられる。
 
どちらも「LS3/5a」の魅力を聴かせるが、今回はアキュフェーズを使ってわずかに明るめの方向づけをし、幅広い音楽に対応できるスピーカーとしての魅力を確認した。スピーカーの能力を見極める目的での試聴だからアキュを選んだが、鑑賞に徹するならQUADのペア(44+606)がベストマッチだと思われた。
 
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さて、このスピーカーから出てくる音だが、実在感が際立っている。サイズからくる制約は当然あるが、その点を忘れさせる音像を描き出す。けして輪郭を強調するわけではないのだが、音のカタチが整って、高密度である。したがって、聴きごたえがあるというか、音楽を聴いた満足感が大きい。また、音を丸めた聴きやすさに流れることなく、常にある種の厳格さを伴っているのは、タンノイに共通する英国の良識だと受け止めている。
 
こう書くと、少々窮屈な音をイメージするかもしれないが、音の良い音源では、甘美な女性ヴォーカルや織り重なる弦楽のハーモニーを存分に楽しませてくれる。図太いサキソフォンの吹き出し感にも不足はない。やはり、たいしたスピーカーだなぁと思わせられる。
 
少しだけkitLSに触れておくと、やはりオリジナルに比べて音が軽い。さすがに、同じキット屋さんの製品である真空管DAC「SV-192S」でハイレゾ化された高域を、透明感を持って拡散して聴かせてくれるものの、えぐりだしてくる本質が浅い印象はぬぐえない。
 
たまたま、ブロ友“こばちゃん”の訪問記事にkitLSが取り上げられ、訪問先のユーザーさんは、オルトフォンの純銀コートケーブルで納得の行く音を得たという意味の記述があった。実は、私もSPK-3900Q SILVERというオルトフォンのケーブルを使っているのだが、その好カップリングをもってしても、“我が家に限って言えば”オリジナルに迫りきることはできない。ただし、我が家のRogers製は、最初期の15Ωのタイプである。その後、11Ωのものが3種類ほど発売されているが、指摘した軽やかさはこちらのタイプにより近いのかもしれない。
もちろん、こんな比較をせず、単独でkitLS3/5aを聴けば、倍くらいの価格と競える優秀なスピーカーであることは間違いないのだが。
 
Rogers「LS3/5a」を手に入れたことで私の小型スピーカーへの興味は収束し、オークションを眺める楽しみがなくなってしまった。これは果たして良いことなのか。(笑)
 
むしろ、同じ「LS3/5a」に興味が湧き、より明るく繊細に切れ込むと言われるスペンドールやハーバスのものも聴いてみたい。日本ではほとんど出回っていないグッドマンやチャートウェルのLS3はどんな音だろうか。イベントで聴いた最新のスターリング・ブロードキャスト製は、大入力でも底打ち(ボトミング)しない、今様の特性をまとったタフなLS3だった。

BBCの一定の規範の中でまとめられているはずだが、やはりメーカーの色は隠し切れないところに、オーディオの面白さが垣間見える。

この記事に

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    たっちんさん、こんばんは。

    >BBCの一定の規範の中でまとめられて

    表現は、奇妙かもしれませんが、ある一定の規格(スペック)で
    競いあうのは、どこかレーシングカーを思い出しますし、身近な
    存在では軽自動車を思い出します。
    660ccの排気量と決められた車体寸法で各社色々なバリエ−ション
    と味わいを展開する…。
    比較対象が違いますね(笑)
    私もRogers LS3/5Aは、現役機種を秋葉原で聴いたのを思い出しました…。 削除

    [ Nally ]

    2012/3/24(土) 午後 10:27

    返信する
  • たっちんさん 今晩は〜。

    杉さんと一緒に、scoreさんのお宅へオートグラフを聴きにいきましたが、小生的には、kitLS3/5の音が余りにも闊達な出音であった為、強い印象が残りました。

    scoreさんのSPセッティングありきでしょうが、実はアンプ(WE86タイプ=WE300Bプッシュプル)の力が相当寄与しているように感じました。(当たっているかな?)

    WE86型アンプのSPドライブ力は、表面的な出力などの数値で判断すると間違ってしまう典型です。
    以上、真空管アンプの宣伝でした(笑)。

    こば

    2012/3/24(土) 午後 10:55

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  • 「LS3/5a」って・・・・
    こんなに沢山あるとは・・・・・驚きました!
    ・・・と言っても、私も たもちゃんと同じで、アルファベットと数字しか知らなかったのですが(自爆)

    このような記事を読むと
    何も知らずに「音」だけでハーベス7を買ったことが・・・
    ナンか恥ずかしくなってしまいます!

    でも、生粋のJBL党員としては・・・仕方のない事なのです(笑)
    あの時、「ハーベス」の名前でさえも・・・・・知っていたような知らなかったような・・・・(自爆)

    Zジジイ

    2012/3/25(日) 午前 0:03

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    杉ちゃん

    >卑怯を憎む融通の利かない「もののふ」のような奴なんですね^^
    当たっていないこともありませんが、これではエラクこわもてですねぇ。実際は、英国流の洗練を身につけていますし、ご指摘にある国産機には求めにくい柔らかさも確かにあるんです。「柔らかいけどしっかりしている」んですよね。(*^-^*)

    たっちん

    2012/3/25(日) 午前 0:15

    返信する
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    east_bred さん

    >アンプと置き方でまるっきり違う物になってしまい驚かされますネ。
    我が家では、kitLSが、まさにこうした特性を示します。オリジナルの方はアンプの特徴を明らかにしつつ、自己の確立も確かで、「すごいチビだな〜」と思うと同時に、根強い人気の理由を再確認した重いです。(*^-^*)

    たっちん

    2012/3/25(日) 午前 0:19

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    にっぱー さん コメントありがとうございます。

    >自分はスペンドールのLS3/5Aを持っていますが
    おお、素敵なのをお持ちですね。ロジャースより明るいと評されていますから、
    >女性ボーカルは絶品だと思います。
    これは、その通りでしょうね〜。

    >自分もこれからQUAD405に繋いでみまーす(笑)
    QUADは、LS3/5aをとてもよく鳴らしますからねえ。我が家でも、鑑賞用のベストマッチはQUADです。(*^-^*)

    たっちん

    2012/3/25(日) 午前 0:24

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    x103okayamaさん

    >グッドマン、チャートウェル、ぜひ入手されて試聴をおねがいしますね ( ̄皿 ̄)
    これは、入手そのものが難しいでしょうね。

    ご助言とこのLS3のおかげで、このところHLコンパクトへのこだわりが薄れております。いずれ復活するとは思いますが。(*^-^*)

    たっちん

    2012/3/25(日) 午前 0:27

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    たもちゃん

    >「音のカタチが整って、高密度」ココ、ココにワタクシ惹かれましたヨン
    良い目のつけどころですね〜。ジャズも濃い目ででエエです。ただ、たもちゃんとこの陣容では、改めての小型スピーカーは、必要性がないですね。(*^-^*)

    たっちん

    2012/3/25(日) 午前 0:31

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    Nally さん

    >どこかレーシングカーを思い出しますし〜
    そういう一面はあるかもしれませんね。自社の技術なら、同じ規格内で、頭ひとつ出たものを作れるという。

    >私もRogers LS3/5Aは、現役機種を秋葉原で聴いたのを思い出しました…。
    当時は、首都圏でのお仕事だったのでしょうか。オーディオは自分史と重なるところがありますね。(*^-^*)

    たっちん

    2012/3/25(日) 午前 0:35

    返信する
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    こばちゃん

    >kitLS3/5の音が余りにも闊達な出音であった為、強い印象が残りました。
    感動的な記事でしたよ〜。

    >実はアンプ(WE86タイプ=WE300Bプッシュプル)の力が相当寄与しているように感じました。
    拙宅では、EL34のPPと300Bシングルで鳴らしましたが、滑らかなれど細部の切れ込み不足で、マッチングの良い半導体アンプの方が好結果でした。真空管アンプのグレードが上がると、また違う鳴り方を示すのでしょうね。(*^-^*)

    たっちん

    2012/3/25(日) 午前 0:39

    返信する
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    Zジジイさん

    >何も知らずに「音」だけでハーベス7を買ったことが・・・
    これは、謙遜ではなく耳自慢ですね〜。(笑)
    世評など知らずとも良いものが選べるという・・・。

    >でも、生粋のJBL党員としては・・・仕方のない事なのです(笑)
    いまや、メインと離れを行ったり来たりの、転びJBL党員ですが、趣味人としての間口と奥行きは、確実にグレードアップだと思います。(爆)

    たっちん

    2012/3/25(日) 午前 0:44

    返信する
  • 「耳自慢」とは・・・
    ・・・・どうしてもっと素直になれんのですかぁ〜!?
    「お子ちゃまのような私」の言葉はトテモ素直なのに(爆)
    それに、私の耳は壊れていると言ったでしょ!

    そう、たっちんさんに煽られてソノ気になったあの時(爆)
    4344Mk兇箸論吉紳个硫擦覆蕁ΑΑ
    迷わずタンノイ!
    それなら知っておりました!!!
    されど、「大型タンノイ」を知っているからタンノイは嫌!
    意地でも(爆)
    経済的にも(涙)
    でも、本当はタンノイが・・・

    で、それ以外のSPって・・・
    他の外国製って・・・・・何も知らなかったのです(ホント)

    ハーベスのことは・・・
    買うと決めてから、大急ぎで勉強したんですヨ!!!
    で、かなり有名なSPでした(笑)
    信じてくださいよぉ〜

    世の中にはJBL以外のSPのことは何も知らずに生きてきたヤツもいるんですヨ
    ここに!!!

    そうそう、
    大型の「B&W」も知っていたけど
    つい最近までイギリス製だとは知らんかったですヨ(自爆)
    たっちんさんの記事にB&Wが登場しないから(笑)

    ん?
    私、素直なんだけど・

    Zジジイ

    2012/3/25(日) 午前 1:30

    返信する
  • ん?
    私、素直なんだけど・・・
    カナリの意地っぱりだと思います(大自爆)

    肝心なところが、消えていたので追加しました(爆)

    Zジジイ

    2012/3/25(日) 午前 1:34

    返信する
  • こんばんは♪

    >ラジオ会館の1階にあった店
    テレオンですかねぇ〜昔はラジオ会館各フロアに複数オデオショップがありましたね!
    今では、フィギュアだらけですが・・・・と、木村無線のオヤジが愚痴ってましたね(笑)

    LS3/5aへの愛着を感じる記事ですね。また、使い手に、それだけの愛情を感じさせるということは、単にモノとして感じる以上の秘める魅力がLS3/5aにはあるという証なのでしょう。

    オデオを長年やっていても、なかなか、“スピーカーに惚れる”という経験は少ないものです。
    たっちんさんは、LS3/5aにゾッコン惚れちゃってるんですねぇ〜(≧▽≦)人(≧▽≦)ノ

    なめちゃん仙人

    2012/3/25(日) 午前 1:56

    返信する
  • 一緒に写っているギターが気になります

    タブーなようせい

    2012/3/25(日) 午前 8:42

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    Zジジイさん

    フォローコメ、恐れ入ります。「耳自慢」というのは、Zさんの意図ではもちろんなくて、客観的にそういうことが言えますねという<賞賛>ですよ〜。

    >世の中にはJBL以外のSPのことは何も知らずに〜
    あれぇ?、ヤマハ1000Mでも相当頑張ったと理解しておりますよ〜。その前には、お父上の薫陶も。

    >たっちんさんの記事にB&Wが登場しないから(笑)
    これは痛いところを・・(笑)
    リーズナブルが前提なので、なかなかB&Wは。
    上位機は、今や世界のモニターですから、すんばらしいメーカーさんだとは思ってます。(*^-^*)

    たっちん

    2012/3/25(日) 午後 2:48

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    なめちゃん仙人さま

    >今では、フィギュアだらけですが・・・・と、木村無線のオヤジが愚痴ってましたね(笑)
    あの辺りにもめったに行かなくなりましたが、そんなになっちゃったんですかぁ。(笑)
    なんか、全面改築に着手みたいなニュースを耳にしたことはありますが。

    >単にモノとして感じる以上の秘める魅力がLS3/5aにはあるという証なのでしょう。
    世界中にコアなファンがいるのは伊達じゃないなぁと、思わせられます。
    仙人さまも、「夜中のしばじゅん」用に、おひとついかがですかぁ。(*^-^*)

    たっちん

    2012/3/25(日) 午後 2:54

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    タブーさん

    そちらは、鉄絃アコギでしたか。写真のは、ホセ・ラミレスというスペインの工房のもので、クラシック用のナイロン弦です。たしかアントニオ古賀氏もこれを使っていたかと。(笑)
    日本製では出ない、甘い音が出せます。このあたり、日欧のスピーカーの違いに似ていますね。(*^-^*)

    たっちん

    2012/3/25(日) 午後 3:00

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    たくさん装置をお持ちですと、個々の個性や他の機器との相性がわかっていいですね。まるでオーディオショップのようです。

    [ - ]

    2012/3/25(日) 午後 5:35

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    雨天使 さん

    コメントありがとうございます。

    >たくさん装置をお持ちですと〜まるでオーディオショップのようです。
    実は、それがねらいで、沢山集めてしまいました。(笑)
    ですので、あまりお高いのはないのです。

    ショップだと、自宅とはまったく響きが違うので、試聴が試聴にならないことに気づいて、自宅で実聴して良いものだけを残すようになりました。オークションで譲渡先を簡単に見つけられるようになった今だからこそできることですね。(*^-^*)

    たっちん

    2012/3/25(日) 午後 10:51

    返信する

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