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(続き)

 私が、前から気になっているのは、次の国会質問です。
学校教材について、著作権者の許諾を得ていないがために、教科書を引用した問題部分が書かれていな
いものを使わせるのはおかしい、という趣旨の質問です。


衆 - 文部科学委員会 - 11号

平成19年06月06日

○牧委員 ちょっと事実関係を十分に大臣が御認識をされていないので、それはされ
ていなくて当然だと思いますから結構なんですけれども、されていないので、ちょっ
とざっと簡単に説明させていただきますと、日本図書教材協会に加盟する教材出版社
があるわけですね。何社かあって、そこが、教科書会社の、検定を通って採択された
教科書をもとに、各現場で使われるこういったワークテストを作成するわけです。
 この日本図書教材協会という一つの団体と、それから教科書会社、教科書を出版す
る教学図書協会という任意団体ですけれども、そことの間のやりとりがあるんです
ね。

 これは毎年毎年二億円近く謝金というものを払ってきた。その謝金の中身について
はまたいろいろこれまでの経緯があって、かつては白表紙本を流用していた、それを
事前に横流ししていた、それに対する謝金であったということが問題化をして、これ
については文科省も厳しい態度をとって、そこはきちっと改められた。ただ、その謝
金の仕組み、システムそのものはいまだに残っているわけです。それは何の対価かと
いうことは、かつて裁判でももう決着がついたわけで、この謝金というのは、現在は
著作権、教科書の編集著作権です、それに対する二次使用の対価だという形でこの団
体間の決着はついているわけです。

 ただ、これから私が申し上げたいのは、今お配りした資料、この中に、今、五通り
の資料がございますけれども、実は、これは教科書会社との間の決着だけでは十分
じゃないんですね。教科書の中で使用されている原著作者の著作権は一体どうなって
いるんだ、それについての二次使用の許諾は得ていないじゃないかということがもう
既に指摘をされて、訴訟も起きています。この日本図書教材協会傘下の会社が抱える
訴訟だけでも、もう既に、既にというか現在かな、そこら辺の認識はあるのかどうか
はお聞きしようと思っていましたけれども、私が聞くところによると、もう現時点で
三十七名の原告がいる、被告が三十社、延べ三十社、これだけの係争案件を抱えてい
るというのが現状です。

 そういう中で、では、もうこの会社には使用許諾をしないということをはっきり著
作者の団体なりなんなりから言われているところの教材を、実は今皆様方のお手元に
お配りさせていただきました。ちょっとごらんになっていただきたいと思います。
 これは、同じ教科書についてのワークテストです。一つは、明治図書というのがお手元に
あろうかと思います。一番上にあるかな。この表紙をごらんいただきたいと思うんで
すけれども、表紙の「国語」と書いてある横、左横です、黄色い欄に、「明治図
書のテストには「教科書を開いて答える」問題はありません。」と、わざわざうたっ
ているんですよ。大臣、それです。これは、明治図
書のを見ると必ずこれが書いてあるんですね。こんな当たり前のことが書いてあるん
ですけれども、では、ほかの教材出版社のものを見ていただくと、あえて明治図
書がそういうことをうたい文句にする理由がよくわかると思うんです。

 同じような問題ですけれども、教科書の五十四ページ三行目から五十七ページ三行
目までを読みましょうと。教科書を開かせて、それで、それに対する設問があるわけ
ですね。これは、私がさっき御説明申し上げたような理由で許諾が得られないので、
教科書を開いてこの問題をやってくださいという形になっているんですよ。
 まず、私は、教育現場のありようとして、これは異様な光景だと思うんですよね。
こういうちゃんとしたのもある中で、別に私、ここから頼まれてこういう質問をして
いるんじゃないですよ、全く関係ありませんけれども、こういうのがある一方で、許
諾の得られないものはもう穴あき、穴あきワークテストですよ。こういうものを使わ
ざるを得ない学校現場というのも寂しいなと私は思うし、こんな穴だらけのものだっ
たら、学校の先生が問題をつくればいいじゃないか。教科書をコピーして自分で設問
をそこに、教科書を学校の先生がコピーしたっていいわけですから、いいわけでしょ
う。それをもとに、下に設問をつくって、それで学校で印刷をして生徒に配ればそれ
で済むわけですよ。それを、なぜこういうものをわざわざ購入してまで使わなきゃい
けないのか。

 その実態を私は大臣にも認識をしていただきたいと思いましたし、これまでの教育
再生の中でも、教員の指導力のお話もありました。こんなことをやっていて、本当に
教員の指導力が向上するのかなと思わざるを得ないと思うんですけれども、私の
ちょっと雑駁な説明でしたけれども、ちょっと、これまでのところの大臣の感想を簡
単にお聞かせいただきたいと思います。

○伊吹国務大臣 実態は、先生から今教えていただいたことで十分私は理解をいたし
ました。
 学校の先生がつくるというのが最もそれは望ましいことでございますから、そうい
う学校の先生が問題をおつくりになるような時間、余裕を持ってお考えいただけるよ
うにする、これが私の仕事だと思います。」


● 要するに、著作権の許諾を得られないがために、空白があったり、教科書の文章が載っておらず、
いちいち教科書をみなければならないのは、生徒や先生が気の毒だ、わざわざこんな教材使わせる必要
がないだろう、という趣旨ですね。

 かなりきわどい質問だと感じませんか? 

個別の教材会社名まであげて、そのライバル会社の教材は使わせるな、というのは相当の利益誘導的な内容です。


● この議員は、実は他でも同様のパターンの質問をしています。昨年刑事事件に発展した「障害者団体向けの割引郵便制度を悪用した郵便法違反事件」で、逮捕された者から頼まれて、ライバル会社の問題を国会質問で取りあげ、結局、そのライバル企業は廃業したとのこと。

 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090501/crm0905011321014-n1.htm

 そして、その逮捕された者からは、政治献金を受け取っていたとの報道もあります(後に返した、とのこと)。


● 質問したこの議員は、明治図書から頼まれたわけではない、と注釈を加えていますが、ビジュアル
著作権協会との関係はないのでしょうか?

 そもそも、「もうこの会社には使用許諾をしないということをはっきり著作者の団体なりなんなりか
ら言われているところの教材を、実は今皆様方のお手元にお配りさせていただきました。」などと
いう以上は、当の団体、すなわちビ協会から聞かなければわからないことでしょう。

 教材会社に理不尽な使用料を吹っかけて、相手が応じずに、教科書引用部分を空白にする(教科書の○ページを読んで答えなさい、という形)ことで対抗した場合に、国会議員に依頼して、その教材会社の「問題」を指摘して、圧力をかけて使用を控えさせる、ということだったとすれば、そのパターンは、郵便法違反事件の場合の国会質問のそれとほとんど相似形といえましょう。


● こういう個別案件に絡んでついての国会質問は、往々にして、受託収賄罪の対象となることがあります。何人かの国会議員がこれで逮捕され、あるいは逮捕されかけました。
 受託収賄罪というのは、


  公務員として一定の行為をすることを依頼されて賄賂を要求、約束しまたは受け取った時に成立するもので、その一定の行為が違法か合法かは一切問われません。違反は、7年以下の懲役です。
 国会議員による国会質問はその行為の中に当然含まれます。

 そして、仮に金銭の授受が、政治献金の形をとっていたとしても、この要件に合えば、賄賂となります。この点は、司法関係者の間では確立している由。


 郵便不正事件のときは、政治献金を受けていて、事件が起きたあと、返却したとありますが、ビジュ
アル著作権協会から献金を受けたことはないのでしょうか?

 もう一人、マルチ商法擁護の質問をして、疑惑を追及され、辞職し衆院選には立候補せず、ということで決着した議員もいますが、彼は、知財を考える議員連盟の事務局長をやっていて、ビ協会の協会誌にも登場したり(スキャンダルが発覚してから、その号はHPで閲覧できなくなっていますが・・)、その会合の場にビ協会が呼ばれたりと(グーグル批判の場など)、はたから見ると密接な関係があるようにみえました。

 仮に政治献金その他の資金を一切受け取っていなかったとしても、私人間の紛争にかかわる話に首を突っ込んで一方の肩を持ち、国会議員が文科省に対して圧力ととれる質問をすることは、非常識な行動でしょう。国会議員としての姿勢を問われる話です。


● ビ協会が立件されれば、政治献金をビ協会はしているのか否か?、誰にしているのか?、そのタイミングはいつか?・・・ その辺の調べもなされるような気がします。
 一般社団法人であればもちろんですが、株式会社のほうも著作権管理機関なのですから、情報公開と
して、役員、財務についての基本情報は、公開されてしかるべきと思います。
 そうすると、協会の活動状況をかなり詳細に知ることができます。

 今の時点でやっとわかったのは、「一任型」の著作権管理機関として、著作権管理事業法で届出をしているがために(まだ運営に必要な基本的な規程類の提出さえしていません。半年以上も放置されていて、事業開始に至っていません。なお、協会はもともとは、「非一任型=許諾の可否はそのたびに著作権者に判断を求める」の管理機関です)、株式会社のほうの役員や株主等の情報は、文科省のHPでみることができます。

  http://www.bunka.go.jp/ejigyou/script/ipzenframe.asp  ※下から2番目です。


 しかし、侵害訴訟を乱発している一般社団法人としてのビ協会のほうは、その役員、財務等は一切わかりません。政治家や文科省OBはいるのかいないのか? 何を収入とし、どういう事業、相手に支出をしているのか? その収入の中に、侵害訴訟での賠償金の分け前?は入っているのはどうか?
こうなってくると、是非知りたいところです。
 毎日の記事によれば、「事務経費」はもらっている、と認めていますから、きっと収支報告書に記載されていることでしょう。
 いったい何の「事務」なのでしょうか?  


● 上記のようなあからさまな協会擁護の動きは別ですが、別の形で協会の箔付けに寄与していたと思われる国会議員は、海部元総理でしょう。協会の名誉顧問とのこと。
 HPの協会概要をみると、真っ先に目にはいります。

  http://www.jvca.gr.jp/gyomu/index.html

 もうそろそろ、辞めた方がいいと思います。協会が立件されたら、さすがに辞めることでしょうが・・。

                                     (続く)

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teabreak様。またもやと言いますか、いつもなんですが、大変勉強になりました。読み応えがありました。
HPを確認すると牧義夫議員はビジュアル協会のパーティーにも出席されてますね。親密かどうかはともかく関係はあるんでしょうね。
しかし、公益法人とは名ばかりですね。 削除

2010/2/19(金) 午後 7:15 [ 憂人 ] 返信する

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李下に冠を正さず。瓜田に沓を入れず。誤解なのか正解なのかわかりませんが、ともかく疑念を招かないようにしてほしいものです。

2010/2/19(金) 午後 9:00 [ teabreak ] 返信する

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