しみじみと朗読に聴き入りたい

素晴らしい朗読が聴けるサイトやCDを発掘してご紹介します.

合成音声

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♪「しみじみ朗読文庫」発刊のお知らせ♪


 以前から、合成音声の可能性について、このブログでもいろいろと取り上げてきました。また、合成音声を使った朗読作品も、試験的にいくつかアップもしてきたところです。
 そのようなトライアル期間を経て、このたび、アマゾンより

     「 しみじみ朗読文庫 
      
         ※ こちらにもまとめてあります。→しみじみ朗読文庫 

 のブランドにて、各種作品を発行開始いたしました(密林社よりの販売です)。
  合成音声といっても、男性アナウンサーの肉声をベースにしたものですので、従来の合成音声、人工音声とは印象が全く違う自然な読上げになっています(会話はやや苦手ですが・・・)。
  いずれも、草花の高精細写真をバックにしたWMV(Windows Media Video)方式のファイルで、DVD-ROMに収録しています。


● 文藝作品を中心としておりますが、次のようなものを主たる対象としながら、作品作りを進めております。

 ① 既存のオーディオブックや音声ブログ、Podcast等であまり取り上げられない
  けれども、それなりに知られた作品。

 ② 知られていない作品ではあるが、魅力があり、広く知っていただきたい作品。

 ③ 昔の作品ながら、今日的意義があると思われる作品。


● これまで、約15巻を発行していますが、記憶法等の類いを除けば、

 ①の類型のものとしては、
   ・夏目漱石「思い出すことなど」
   ・夏目漱石「私の個人主義」「現代日本の開化」
   ・坂口安吾「白痴」「いづこへ」「外套と青空」 「日本文化私観」
   ・森鴎外「ヰタ・セクスアリス」   等
   ・芥川龍之介の「俊寛」「袈裟と盛遠」「好色」等の王朝物
   ・芥川龍之介の「玄鶴山房」

 ②の類型のものとしては、
   ・芥川龍之介の「捨児」「手巾」「父」「松江印象記」 等の小品

 ③の類型のものとしては、
   ・菊池寛の「ある抗議書」「若杉裁判長」
     →大正時代の千葉の夫婦殺しをヒントにした作品で、犯人に魂の救済や
       更生の可能性を期待した裁判や世論があるが、被害者とその家族の
       無念と、ずっと続く苦しみのことを本当に考えたことがあるのか、と被害
       者の弟が悲痛の心中を縷々綴った司法大臣あての抗議書の形を取っ
       た作品。それと、いつもは更生を期待して厳罰は下さず、執行猶予を
       必ずつける裁判長が、実際に強盗に入られて妻子の精神状況にも
       深刻な傷を残したことで、犯罪の意味を改めて深く考え、自分はいつ
       も法廷で、目の前でうなだれておとなしくしている犯人の姿しか
       見ていなかったのではないか? と心境に変化をもたらす経過を描
       いた作品。 現代の凶悪犯罪やその犯人に対する見方、考え方をめぐ
       る熱い論議を想起させる、色褪せたところがない問題提起的な内容に
       なっています。

   ・寺田寅彦の「津浪と人間」「地震雑感」「天災雑考」等
     →大正12年(1923年)の関東大震災などの際の地震や津波を巡って書
      かれており、今回の東日本大震災のことを言っているのだろうか・・・と
      錯覚するほどで、大正時代に書かれたとは思えない内容になっています。
      最近、上記作品は、相次いで文庫本で発売・復刊しています。

   ・関東大震災をめぐる作家8人の記録
    →関東大震災を実際に体験した8人の作家が生々しくその経験を綴ったも
      のです。体験した場所は様々ながら、その眼に映じた震災の様子は、驚
      くほど共通しているものが少なくありません。その時、秋天の青空が広が
      っていたこと、下町方面から入道雲のような巨大な煙が高く立ち昇ったこ
      と、帝大病院を含めて薬品が置いてあるところが出火源となった例が多
      いこと、通信が途絶したことで不安が増幅されたこと、ここなら大丈夫と
      思ってもいつの間にか火に包まれてしまったこと、昨日までの文明が跡
      かたもなく消え失せて巨大な喪失感を覚えたこと、見知らぬ者同士が自
      然にお互いにいたわり助け合ったこと、西の夕空に藍色の富士山が浮
      かんでいたこと・・・等々。
       鈴木三重吉、岡本綺堂、芥川龍之介、宮本百合子、若山牧水、寺
      寅彦、田中貢太郎によるものです。


● こういった類型の作品をこれからも、どんどん出していく予定です。近々、続巻
 も出る予定ですので、よろしければ聴いていただければ幸いです。

 なお、これらのシリーズは、申し訳ないのですが諸コストがかかるため、有償商品になっています。1200〜1800円くらいの価格帯になるかと思います。しかし、1商品に収録した作品数、時間数は、CDで換算すれば、数枚分に相当しますし、また、どの巻にも、青空文庫からソフトで作成した文庫本風の電子書籍版(PDFファイル)をつけていますので、コスト対効果は非常に高いものになっています。
 どうかご理解を賜れば幸いです。


  ※ 年号、英単語等の記憶法の類いも含めていますが、近々、少し挑戦して、
    インドの2ケタ九九をリズム乗せて読み上げるというものを発刊予定です。
    例えば、13×16=208 を「ひとみといちろう にーまるはち」というような
    短いリズムで覚えよう、という試みです♪ おそらく、小さいお子さんたちであ
    れば、短時間で覚えてしまうのではないかと期待しています。
     文藝作品をベースに、そんなものも含めながら、作品数を増やしていきた
    いと思っています。

● なお、この「しみじみ朗読文庫」シリーズは順次制作してはいきますが、これまでの「朗読アーカイブズ」や「名作文学朗読選」の充実のための作業については、いささかも変わりなく、これからも続けていくつもりです。
  双方を合わせると、いずれは、日本の文芸作品の朗読に関する一大アーカイブズになるものと信じています。
 引き続き、皆様のご協力をどうぞよろしくお願い致します。


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最高にロマンチック!な吉野ヶ里で見つかった日本最古の漢字

少し文学とは異なるのですが、以前、漢字の歴史について調べたことがあります。
そのときに、日本最古の漢字遺物である佐賀県の吉野ヶ里遺跡で見つかった銅鏡に刻まれた漢字が、

          素晴らしくロマンチック!

であることを知りました。ご存じの方もおられるかもしれません。
 とても2000年も前のものとは思えないほど、詩的な内容でした。
八文字と短いながら、心に沁みわたる呼びかけです。

 是非ご紹介したく、以前書き記した文章の一部を、画像と合成音声でまとめてみました。全体で15分弱のオーディオブックビデオですが、最初の2分程度が上記のロマンチックな漢字のご紹介になっています。
 もしよろしければ、ついでに、最後まで聴いていただけると嬉しいです♪ 

●以下が、オーディオブックと、そのテキストのURLです。

  ○オーディオブック

  ○テキスト

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芥川龍之介「手巾(ハンケチ)」の朗読抜粋〜顔で微笑み、全身で泣く・・・


 5月19日付の産経ニュースに

  言のついでに 「陰で震わす拳こそ」 (清湖口敏氏)


 という記事というか、エッセイが載っていました。
 大震災の中で、日本人の冷静さ、慎ましさ、感情の抑制などについての、海外メディアが報じていることに関連しての内容です。

 その後半のほうで、小泉八雲の『日本人の微笑』と、芥川龍之介の『手巾(ハンケチ)』の2つの作品について紹介がされています。芥川の作品は、子供の死を告げる母親が微笑さえ浮かべていたが、ふとしたはずみで、テーブルの下のその母親の膝の上で、両手が手巾を握りしめてぶるぶる震えていた・・・というものです。

 しばしば引用されるような気がしますので、朗読でどなたかしておられないか探してみたのですが、意外にもみつかりませんでした(読んでいる方がおられたら申し訳ありません)。
 それで、抜粋ですが、合成音声君に読んでみてもらいましたので、よろしければ聴いてみてください。

※ テキスト←YouTubeの文字画像が少々粗いので、こちらにPDFでアップしてあ
  りますので、ご覧ください。


※ 上記の産経ニュースのエッセイは、消えてしまってはもったいないので、無断ではありますが、転載させていただきます。

【言(こと)のついでに

論説委員・清湖口敏 陰で震わす拳こそ

2011.5.19 03:25 産経ニュース
 母の日にきまって思い出す万葉の歌がある。「時々の花は咲けども何すれぞ母とふ花の咲き出来(でこ)ずけむ」。四季折々の花は咲くのに、どうして「母」という花は咲き出たことがないのか−防人(さきもり)として任地に赴く東国の人が母を慕って詠んだ。
 今月8日の母の日、東日本大震災の被災地では白いカーネーションを求める人が多かったそうだ。とくに幼くして母をなくした子供は、どんな思いでこの花を手にしたのだろう。かなうならばその子らに、白いカーネーションに代えて「母」という花を持たせてあげたかった。
 引用歌の確認のためあらためて万葉集をひもといてみて、はっとさせられた。原文では「母」が、万葉仮名で「波波」と書かれてあるのだ。以前なら全く気にも留めなかったに違いないその表記に、しばらく動悸(どうき)が治まらず、被災していない私でさえこんな状態だから、津波に親をさらわれた子供らの胸奥の愁嘆はいかばかりかと思われた。
 報道では、被災地の子供は思いのほか明るく振る舞っているという。しかし一方で、夜になると突然泣き出す子も多いとか。闇を怖がるらしいのだが、闇の中で見せる姿こそ子供らの本心、心の深層なのではないだろうか。十分なケアがなされることを切に願っている。
 心というのは一面的、平面的ではなく多面的、立体的なものである。だから明るみの中に見えている部分だけでなく、陰になって見えにくい部分にも目を向けないことには、心全体を知ることはできない。
 今回の震災では海外の多くのメディアが、憂き目に遭いながらも日本人はみな冷静だった−などと「日本人の美質」を世界に伝えた。確かに、原発事故の影響で野菜の出荷ができなくなった農家の人らも「だめだな…」と力なくつぶやくだけで、怒りや悲しみの感情をあらわにするようなことは少なかった。
 小泉八雲は『日本人の微笑』(田代三千稔訳)と題する随筆で、「児(こ)をなくした母が、葬式のときにどれほど痛々しく泣いても、奉公していれば、微笑をうかべながら、児に先立たれたことを話すだろう」と書き、そこには「こんなつまらぬことで御心配なさらぬように」との礼儀正しさや、克己と自己抑制がもたらす幸福感があると考えた。
 日本人の慎(つつ)ましさは称(たた)えられてしかるべきだ。しかし為政者が、被災者の言葉を額面通りに受け止め澄ましていてよいはずがない。被災者を慰めるには、心の襞(ひだ)深くに沈潜した思い、源実朝の歌の詞書(ことばがき)を借りていうなら「心のこころ」にまで寄り添うことが必要だ。それには、光の中で咲く花にも闇で支える根があることに想像を及ぼせる「情」がなければならない。残念ながら今の日本の政治指導者には、被災者の心奥の声に耳を傾けられるだけの「情」が、まるで感じられない。
 芥川龍之介の『手巾(ハンケチ)』は、八雲の随筆に想を得たかのような小編である。子供の死を告げる母親が口角には微笑さえ浮かべているのを不思議に思っていた教授が、床に落とした団扇(うちわ)を拾おうとしてふと見ると、母親はテーブルの下の膝の上で、手巾を握りしめた両手をぶるぶると震わせていた…。「婦人は、顔でこそ笑っていたが、実はさっきから、全身で泣いていたのである」
復興の足取りもおぼつかない現状に被災者は真実、全身で泣いているのではあるまいか。

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漱石『思い出す事など』を合成音声で朗読始めました♪


● 先般、「合成音声朗読オーディオブック」 (http://teabreakt.studio-web.net/index2.htmのサイトをアップしましたが、今回、その合成音声で、中編作品を朗読させてみることにしました。 最初の試みが、

     夏目漱石 『思い出す事など』

 です。

● 胃潰瘍の大出血で生死の境を彷徨った「修善寺の大患」の前後の出来事や思索をのちに思い出し記したもので、全部で33章あります。
  まず、最初の4章分を作成し、アップしました。

 「夢十夜」や「永日小品」のような小品集は、多くの方が朗読しておられますが、「思い出す事など」は、内容が大患の病気のことであったり、表現や内容も難しいところも所々ありますし、漢詩もかなり出てくる(読み下し文なし!)ということで、朗読しずらいところがあるかと思います。

 ただ、「修善寺の大患」を境に、漱石の心境に変化が生じ、作風も変わったといわれていて、漱石の気持ちを知るうえでは、興味深い作品だろうと思います。

「修善寺の大患が漱石の思想と文学に大きな影響をもったことはたしかなことです。一度死んで生き返ったという経験は、人間の生存について改めて深い認識をもたらしました。「思い出すことなど」にこの時の経験を書いていますが、大きな自然の前に、いかに人間が小さな無力な存在であるか、あらゆる社会的な権威、自信や誇り、自然に背いてあくせくする生活がいかに空しいものであるかを、静かなしみじみした筆致で書き記しています。寝たきりで、身動きすることもままならなくなった漱石は、赤子のように、雀の子や烏の子のように、食事も口まで運んでもらい、すべてを周囲の人の力に頼って生きたのです。自分で生きているのではなくて、周りの人々に生かされていると思い、人々の好意に感謝する気持が湧然とわきおこったと漱石は書いています。
  この修善寺の大患で、漱石の思想と文学を前期と後期に区分し、この経験の決定的な意味を強調するのが、これまでの漱石研究の一般的なやり方です。」
          (「漱石雑談」http://tizu.cocolog-nifty.com/souseki/2005/12/__8df2.html


● そこで、合成音声で少しずつ朗読させてみようと考えた次第です。
 アップの仕方は、先日の「日本の名作名文ハイライト」と同じように、文章の画面が朗読の進行とともに切り替わるというものです。テキストも別にダウンロードできるようにしてあります。
 1章分が概ね6分前後ですので、聴いていただければ幸いです。


● そうだ・・・4章目の真中あたりに、漱石の漢詩が載っていて、それも読ませているんです♪
 漱石の漢詩は、とても優れているといわれ、その解説本が、中国文学の泰斗、吉川幸次郎先生のものも含めていくつか出ているくらいです。
 ただ、「思い出す事など」の原文では、読み下し文がなくて、ホントに漢字だけの(それも難解な漢字・・・)漢詩です。
 どうしたものか・・・と思っていくつか探したのですが、いいのがありました。


 読み下し文や解説もついていて便利です。合成樹脂製の「紙」ですが、感触は悪くありません。
 ただ、この読み下し文どおりに、合成音声に読ませるというのがまた難儀でして(苦笑)、なるべく自然に聞こえるように最終的に用意した読上げ原稿は、およそ意味不明のカタカナ、漢字、ひらがな、空白などが入り混じった奇怪な文章です♪
 わずか4行ですが、そういう四苦八苦した読み下し文の朗読ですので、是非一度聞いてやってくださいませ。


 ※ 今後、並行して他の中編作品についても、アップしていきたいと思っています。
   (例えば、和辻哲郎『古寺巡礼』など・・・・etc etc)


● なお、今回見つけたのですが、「Libura(ライブラ)」というサイトが、青空文庫の4〜5千件の作品を、ページ送りできる電子書籍の形で公開しているんですね♪
こちらには、青空文庫通りに振り仮名も付いています。ご参考まで。

   「思い出す事など」  http://libura.com/viewer/1j04qktksz3l/

 
 



   

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新サイト「合成音声 朗読オーディオブック」を開設しました。


 4月には入りましたが、まだ東北関東大震災の復興もほど遠く、被災地の皆様が
大変な思いを未だされておられることには、胸が痛みます。
 平凡な日常がどれだけ貴重なものかを思い知らされた3週間でした。

  朗読関係の皆様は大丈夫だったでしょうか・・・・?
 私も大丈夫ではありましたが、東京であってもかなりの揺れだったため、少し危ない局面もありました。地震の日は職場で一夜を明かし、家とは回線制限で電話が不通で、翌日の土曜昼に帰宅したところ、片付いてはいましたが、直後は危なかったようです。
 息子の部屋の、倒れるとは想像できない本棚がバタンと倒れ(下のテレビは支えが折れ)、私の部屋も上のほうにおいてあった本棚や、パソコン机上に置いてあるコピーなどの複合機が吹っ飛び、本はぐしゃぐしゃに散乱していた・・・のだそうです。
 今も平積みになったままですが、どの辺に何があったかという勘がすっかり狂ってしまい、すぐには思ったように取り出せない状況です。
 とはいえ、被災地の文字通りの惨状と比べれば、何もなかったに等しい程度のもので、できるかぎり早期に、被災地が日常を取り戻せるように祈っております。

● さて、季節は4月に入りました。
 このブログも通常ベース戻そうと思いますが、まず、先日来アップしてきた合成音声の作品が溜まってきましたので、新サイトを作ってそこにまとめました。


   「合成音声 朗読オーディオブック」 
      http://teabreakt.studio-web.net/index.htm


 先日ご紹介した作品以外にも、だいぶ蓄積ができて、合計で30作品アップしています。
 いくつか、これに関連してご紹介させていただきます。

① まず、今回のサイト開設によって、ワンクリックで、画像音声ファイ
 ルが開けるようになりました。従来サイトにも並行してアップはしていく
 ようにします。
  併せてリンクしてある青空文庫をご覧になりながらお聴きください。

② また、音質もだいぶ改善し、パチパチという音もなくなりました
 (ファイル変換ソフトの問題だったようです)。
  ファイル形式は、WMV形式(音声はWMA形式)ですので、パソコン
 に標準装備されているWindows MediaPlayer 等で再生ができます。
 ただ、i-podなどでは、m4vというMPEG4形式のものに変換が必要
 だそうですので、サイトでもご紹介してある変換ソフトと使って変換して
 いただければと思います(いずれ、当方でも変換するようにしたいと思い
 ます)。

③ そして、文末などの「間」を少しとるようにし、せわしい感じを除き
 ました。少しの差ですが、だいぶ印象が違って聞こえるかと思います。
  ただ、それでも速度は、やや早めに設定していますので、その調整
 は、サイトに紹介してある速度調整ができるプレーヤーで、お好みの速
 度にしていただければと思います。

④ 作品内容も、いろいろなものを取り混ぜてアップしています。短編から
 中編の文学作品以外にも、時代小説や学習教材、資料的なものもいくつか
 渉猟して制作・アップしています。
  いろいろな素材を、合成音声の実験台?にさせていただいています。
  なるべく、一般の朗読愛好家が朗読をされていない作品、出版社から
 出ているけれども高価な作品、隠れた名作・・・等々を中心に作っていき
 たいと思っています。


● 合成音声の技術進歩につれて、その活用も広がってきています。
いくつかご紹介しておきますと、

① 角川書店系の企業が、角川新書を合成音声で読ませたオーディオブッ
 クを、昨年12月から販売開始しています。
  itunes-storeの検索欄で、「朗読」で検索し、「オーディオブック」の
 欄の「全部見る」とクリックしてみてください。後半のほうにずらずら
 っと並んでいます。
  何パターンかの女性、男性の合成音声で読ませていますが、ユニーク
 なのは、「中村浩太郎バージョン」というもので、ユニークな声で朗読
 させています。一般的なアナウンサー声とは違い、注目されます。
    ↓
  http://itunes.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewAudiobook?id=424335073&s=143462

② 日本電子出版協会という出版社や印刷会社等から成る社団法人の中に、
 TTS(テキスト・ツー・スピーチ)推進協議会というものができたのだそ
 うです。 そのセミナーの様子をネットでみることができます。
 <記事>


 <セミナーの様子>
  

● ただ、これらに記事やセミナーでの紹介をみると、気になる点が2つあります。
 第一点は、上記の記事で「作家の中には、合成音声で読ませることに難色を示す人もおり・・・」とあり、セミナーでも、「ロボットに読ませるなんて・・・」という人もいるとのこと。
 しかし、前々回に書いたように、電子書籍端末によって、合成音声が読上げができるようにいずれなることは確実であり、現にキンドルは流暢な英語で読みあげているわけです。そうすると、一定の部分はそれで代替出来てしまう可能性もあります。それで収益が得られるかというと、今後の協議次第でしょうが、多くは期待できないような気がします。それならば、これだけ肉声に近い合成音声の技術が出来ているわけですので、肉声、合成音声を問わず、広く作品のオーディオブック化を狙ったほうが、よほど読まれる機会が増えるのではないかという気がします。
 角川新書の合成音声版で1冊売れれば、新書一冊販売したに等しいわけですから、活字と音声の二本立てで著書を販売することを指向するほうが、作家、読者・リスナーの双方にとってメリットが大きいように思います。

 第二点は、上記の日本電子出版協会は、出版社や印刷会社等が中心のようです。検討会には、文藝家協会副会長の三田誠広さんも参加しているようですが、ただ、検討内容が、物理的に如何に読みあげられるようにするか、というテクニカルな点が中心のような印象です。
 画像データでは読めないとか、外字をどう発音させるか、JISの第▲水準がどう、というような話題が紹介されています。


 しかし、それはそれとして、肝心の出版契約上の問題は、どう話し合いが行われているのでしょう・・・?
 あの書籍出版協会によるモデル契約書のままに、出版社が、電子出版の権利を独占する、そのオーディオブック化(を含む二次利用)の権利も独占する。そのオーディオブック化の方式が、電子端末による合成音声のみ・・・ということにならないのか、懸念が残ります・・・。
 キンドルのような電子書籍端末で読上げソフトがビルトインされた場合、その利益配分で、作家と出版社、端末メーカーとの間で合意がなされたとした場合、それ以外の一般の朗読家は、申請さえもできないということになってしまうと、本当に不幸な事態になると思います。

 出版契約では、電子書籍化、二次利用の権利を出版社に与える場合でも、
排他的な独占実施権ではなく、通常実施権にしたり、自動更新条項は削除するなどの措置を講じることが、作家の利益を守り、一般読者、リスナーへの作品普及、利活用促進の点でプラスになると思います。
 日本文藝家協会の役割に期待したいと思います。

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開設日: 2007/3/10(土)


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