理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

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 前回記事の補足です。

エセ科学とレッテルを貼られていた常温核融合の再評価が加速との記事―STAP細胞の経過と酷似


 常温核融合に関しては、いろいろとドロドロの裏もあったようですね。特許が絡んでいて、競争相手がビアレビューでの査読者になる可能性を回避するため、査読付きの学術誌での発表を避け、記者会見で発表したとあります。
 昔から、「査読」には、様々問題があると認識されていたようですが、スキャンダル扱いした書籍の書評等では、ピアレビューでしっかりチェックを受けなかったから、こういうことになったのだ、と否定的見方で書かれていいます。
 常温核融合を科学的根拠に乏しい似非科学を断じた本は複数出ているようで、権威者だった者が、遂には病気、変人扱いされてしまって放逐されてしまった様子が、伝わってきます。
 
●書評 ガリー・トーブス「常温核融合スキャンダル 迷走科学の顛末」(西尾教授)
 

「日本ばかりか世界を揺るがせたSTAP細胞事件は,高校生の皆さんの記憶にも新しいでしょう.残念ながら,類似の事件は世界中で繰り返し起こっています.1989年に米国で生じた,簡単な電気分解で核融合反応が進行したという「常温核融合」("cold fusion") もその一つです.この本は,著者の精力的な取材を通して,その顛末を克明に記録したものです.

 (中略)研究は,決して大げさではなく,人類の未踏領域への挑戦です.独自の研究を進めるためには,他人には真似できない「妄想力」が必要です.しかし,妄想力と同様に重要な「的確な判断力」と「研究者の倫理」が欠如していると,その妄想に自らが支配されてしまう悲劇が待ち構えています.」
 
 
●常温核融合 【続続・科学者と良心】(山下教授)
 
「常温核融合において、ポンズ教授らはこの画期的な成果を米国エネルギー省のプロジェクトに申請し巨額の研究費を得ようとしました。その申請書は競争相手であるブリガムヤング大学のジョーンズ教授の目にふれ、論文が公式発表されるまえに両者の駆け引きが始まります。成果の先陣争いの過程で学術論文としてのピア・レビューを経ずに記者会見という形で公表が行われるなど、科学会のルールを無視することによって泥沼の世界へと進むことになります。

 折しも本ブログで西尾教授から「常温核融合スキャンダル迷走科学の顛末」という本が紹介されています。J. R. ホイジンガの「常温核融合の真実」も合わせてご紹介いたします。」

 
 
●常温核融合 伊勢田哲治
「実験してある程度肯定的な結果をえた二人は電気分解をするために1ワットの電力を投入したのにたいし4ワットの発熱が得られた、と記者会見で発表した。そのような発熱は通常の科学反応ではありえないため、彼らはこの結果を実際に核融合が起きた証拠とみなした。この記者会見では非常に概略的な説明しか行われず、しかも、記者会見の後に他の研究者が問い合わせを行っても、特許申請中を理由として詳しい実験内容についてはフライシュマンとポンズは公開しなかった。
こうした発表形態が選ばれるにあたっては、もしうまくいけば多額の特許収入の見込める技術であったことが大きく影響している。実は同じユタ州にあるブリガムヤング大学のジョーンズが同じようなアイデアを持っている上にフライシュマンとポンズの研究計画についても知っており、ユタ大学のチームは特許を盗まれるのをおそれたといわれている。
さて、ユタ大学での発表はマスコミで大きくとりあげられ、報道の仕方も、ついに夢のエネルギーが実現か、といった肯定的な論調であった。しかし、記者会見での発表内容については当初から深刻な疑問が核物理学者の側から提示されていた。たとえば、報告された発熱から理論的に計算される放射線の量は軽く実験室にいたフライシュマンとポンズを殺すに十分だったはずだった。これに対し、彼らが報告した中性子の量は理論値の何億分の1というもので、しかも彼らはその差を説明するどころか、実験結果を説明できない物理理論の方が悪い、という論調であった。
そうなると、そもそも発熱量の測定が本当に信用できるのかどうかが問題となってくる。常温核融合で発熱が生じたと主張するためにはただ実際に電極が発熱しているというだけでは駄目で、それまでに投入された電力以上の熱量が生まれていなくてはいけない。フライシュマンとポンズは電気分解される水の温度変化から発熱量を計算したが、そうした計算は、外に逃げる熱であるとか、容器中の温度勾配であるとかといったいろいろな概算の要素がからんできて、それだけ疑いを挟む余地も多くなる。
既成の理論をくつがえすような実験結果に対しては他の研究者によって再現実験が試みられるが、常温核融合についても記者会見でのあいまいな情報をベースに、足りないところは想像で補って世界中で追試が行われた。追試はおおむね失敗に終わったが、ジョーンズのチームをはじめとして、発熱や中性子の発生(これはなんらかの核反応が起きていることを示唆する)を報告するチームもあった。しかしそうした結果にも再現性がなく、1990 年までには常温核融合は何かの間違いだった、ということで学界の共通了解が形成された。」
 
「病的科学としての「ボンズとフライシュマンの常温核融合」
 
「左巻健男がその文庫本の巻末解説を書いたサム・キーン(松居信彦訳)『スプーンと元素周期表 「最も簡潔な人類史」への手引き』早川書房 の「狂気と元素」の章に、「病的科学」が扱われています。
 周期表絡みの狂気の科学者(マッドサイエンティスト)の例の1つとして、ボンズとフライシュマンをあげています。
 
 以下はその一部です。
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ボンズとフライシュマン。フライシュマンとボンズ。二人はワトソンとクリック、あるいは遡ってマリーとピエールのキュリー夫妻以来の偉大なる科学デュオになるはずだった。
だが、彼らの名声は地に堕ちて腐臭を放っている。今ではB・スタンリー・ボンズとマーティン・フライシュマンという名前からは、いかに不当であろうとも、ぺてん、騙り、詐欺師といった言葉しか思い浮かばない。
 二人の名を上げ、そして貶めた実験は、なんというが、嘘のようにシンプルだ。
世界に役立つクリーンで安いエネルギーの実現を信じたいという欲求は強く、支持者は琴線の震えをそうすぐには抑えられなかった。この時点で、常温核融合は病的なものへと変質した。
支持者は二人を (もちろん自分たちをも)偉大な反逆者“唯一結果を出した者”として擁護した。一九八九年以降しばらく、一部の批判者が自分の実験結果を基に反論したが、支持者はどれほどのっぴきならない結果に対しても必ず言い逃れをした。ときには元の科学研究よりも巧みに。そのため、批判者はやがて諦めた。
こうした状況を、カリフォルニア工科大学の物理学者デイヴィツド・グッドスタインが、常温核融合にかんする優れたエッセイで次のようにまとめている。
「常温核融合の信奉者は自分たちが包囲されたコミュニティであることを自覚しているので、内部批判はほとんど出てこない。実験や説は額面どおり受け取られがちで、それは、外部の批判者がわざわざ聞き耳を立てていた場合に、さらなる攻撃材料を与えてしまうのを恐れてのことだ。このような状況下では変人がはびこり、ここで真剣な科学が行われていると信じる者にとって事態を悪化させる」。
病的科学の説明として、これほど簡潔にして優れたものは望めまい。」
 
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 さて、こういった常温核融合バッシングののち、復権の兆しもかなり見えてきた20144月の時点で、武田徹さんという学者の方が、STAP細胞と関係させて産経新聞に投稿されています。下記の最後のフレーズで指摘されていることが、科学というものだろうと、部外者としては思えるのですが・・・。
 
●常温核融合とSTAP細胞

by 武田 徹 • 2014/05/21


「この「常温核融合」とSTAP細胞には多くの共通点がある。STAP細胞も複雑な遺伝子操作を必要としないシンプルな方法で万能細胞が生成されてしまう点で常識を覆し、大いに話題となった。当時の核融合研究は今の万能細胞研究と同じく世界中が注目する領域であり、巨額の助成金や特許が絡む事情もあって、一刻も早い研究発表をと焦る雰囲気があったことも似ている。
こうして酷似している両者なので、STAP細胞の「その後」を考えるうえで「常温核融合」が辿った経緯は参考になるだろう。スキャンダル扱いされた後、研究界の主流からは外れたが、「常温核融合」研究の火は消えなかった。条件を変えて実験が繰り返され、高温下で実現する核融合反応ではなく、水素元素の陽子、中性子が与えられることで相手の元素が変換される核変換現象だったのではないかと仮説が修正された。

フライシュマン、ポンズの最初の実験報告の問題点は徹底的に洗い出されたが、その間違えを踏まえてまた別の仮説を作り、検証しようとする科学者が現れる。予算額や施設設備といった研究環境面の事情さえ許せば、科学は、むしろ間違えを糧にして生き延びてゆく、不死の寿命を持つ生き物のようだ。」


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