理研STAP細胞論文調査委員会報告、改革委提言等への根本的疑問

小保方論文の「改竄」「捏造」認定の不合理さ、バッシングの理不尽さ

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 ES細胞のボックスが、小保方氏の研究室から見つかったことに関連して、NHKスペシャルが、小保方氏が留学生のES細胞を盗んだかのように報じていることについて、BPO決定の関連部分を見てみます。
 多数意見は、この点は、留学生の話だけに依拠しているだけで、疑惑を裏付ける材料は提示されていないとして、真実性、相当性はないとしています。よく読むと、「留学生の話だけでは足りない」ということではなく、「留学生の話は、あくまで疑惑の提示であって、それを裏付けるための材料が何ら示されていない」というのが判断内容です。
 
 まず、放送場面についての記述です。
 
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不正疑惑の発覚後、申立人の研究室で使われる冷凍庫から見つかった細胞に関する部分
の場面のあと、若山氏や申立人の研究室のあった理研CDB(発生・再生科学 総合研究センター)の建物の映像を背景に、「取材を進めるとES細胞をめぐって、ある事実が浮かびあがってきた」というナレーションが入る。そののち、冷凍庫か ら細胞チューブの入った容器が見つかったという話題に移る。その内容物であるES細胞は若山研究室にいた元留学生が作製したものであり、申立人は、実験用のES細胞を若山研究室から譲与されて保存していると説明してきたと放送される。ところが、この細胞は、「去年」すなわち2013年に若山研究室が山梨大学に移転する際に持っていくことになっていたものであり、申立人の元にあるのは不可解であるという指摘があるとの紹介がされる。そして、このES細胞を作製したという元留学生が、電話インタビューで、これがSTAPと関係あるところに見つかったことに驚いたこと、それを申立人に直接渡したことはないことを述べる音声が放送される。これを受けて「なぜこのES細胞が、小保方氏の研究室が使う冷凍庫から見つかったのか。私たちは、小保方氏にこうした疑問に答えて欲しいと考えている」 というナレーションが流れる。」
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 この場面については、NHKは、「理研の調査が消極的であることを指摘するのが目的だった」と述べているそうです。だったら、なぜ「小保方さんに答えてほしい」とナレーションを入れているのか意味不明ですが、その点を、BPOの多数意見は指摘しています。
 
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NHKは、の場面を独立のものとして放送したのは、理研が当時、申立人の研究室に残存していた試料等についての調査に消極的であったことを指摘するためであると主張している。しかし、では、NHKの主張する上記のような趣旨についての明示的な説明はおろか、理研という言葉すら出てきておらず、逆に、最後のナレーションは、先ほども指摘したように「なぜこのES細胞が、小保方氏の研究室が使う冷凍庫から見つかったのか。私たちは、小保方氏にこうした疑問に答えて欲しいと考えている」(傍点(注:アンダーライン部分)は委員会による)というもので、問いかけの対象は申立人である。こうした点からすると、この部分が理研を批判する趣旨のものであると受け止めることはできないだろう。さらに、はあくまで「STAP細胞は存在するのか」について扱うパートの一部なのであり、その後が挟まれたうえ、「エリート 科学者 問われる責任」という理研の対応を批判するパートに移るという構成になっているのである。 以上からすると、の場面を独立のものとして一般視聴者は見るはずであるというNHKの主張には説得力がなく、一般視聴者はまでの場面ととを連続したものと理解するものと考えられる。」
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 そして、NHK側は、小保方氏が不正入手したとの疑惑について、裏付ける材料を示していないと判断している部分が、以下の記述です。
 
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「摘示事実d)――申立人は元留学生作製の細胞を何らかの不正行為により入手し、 混入してSTAP細胞を作製した疑惑がある――について 次に述べる通り、真実性・相当性は認められない。
まず、摘示事実c)の真実性・相当性の検討の際に示した通り、元留学生のES細胞がSTAP細胞であった可能性に真実性・相当性が認められない以上、元留学生のES細胞を混入してSTAP細胞を作製したとの疑惑は、真実性・相当性のいずれも認められない。次に、申立人が元留学生作製の細胞を何らかの不正行為により入手したとの点についても、その真実性・相当性を基礎づける資料は示されていない。もっとも、ここで問題としているのは、何らかの不正行為による入手や混入その ものの真実性・相当性ではなく、これらの点について疑惑をかけるだけの相当の理 由があったかどうかということである。この点を考えてみると、まず、元留学生の ES細胞を何らかの不正行為によって入手したという疑惑については、確かに、この細胞が申立人の研究室の冷凍庫に保管されるに至った経緯については申立人とNHKとの間で主張に食い違いがあり、不透明なところがある。しかし、疑惑を提示するについての相当の理由があることがNHKによって証明される必要があるところ、何らかの不正行為による入手疑惑については具体的な根拠が示されていないし、そもそもSTAP細胞が元留学生のES細胞であるとの可能性についても真実性・ 相当性が認められないから、結局、この点を前提とする摘示事実d)についても疑惑をかけるだけの相当な根拠はないと言わざるをえない。
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 ということで、多数意見は、留学生の話は、盗み疑惑の提示であり、それを裏付ける具体的根拠がないから、真実性・相当性なしというまっとうな判断になっています。
 私は、最初、この疑惑に関して、多数意見でも、「確かに、この細胞が申立人の研究室の冷凍庫に保管されるに至った経緯については申立人とNHKとの間で主張に食い違いがあり、不透明なところがある。」と書かれており、少数意見の市川氏の意見の中でも、「小保方研究室の冷凍庫にES細胞が保管されるに至った経緯について、申立人は明確な説明をしていなかった。」とあるので、小保方氏に挙証責任を負わせているのだろうか?と思って、不審を感じました。
 しかし、小保方氏ができる説明は、「若山研移転の際に譲り受けた(残されていた)」という以上のことはないわけで、疑惑をかけるなら、移転時点で管理当事者だった若山氏なり若山研の者による直接証言や、放映時点での管理者だったはずの理研の管財担当の証言として、小保方氏の話と矛盾する材料を持ってきて、そこで初めて、「小保方氏に答えてもらいたい」としなければならなかったはずです。
 ところが、NHKスペシャルは、「この細胞は、「年(2013年)に若山研究室が山梨大学に移転する際に持っていくことになっていたものであり、申立人の元にあるのは不可解であるという指摘がある」としながら、もう日本を去っていてその時点では当事者ではなくなっている留学生の話だけを紹介しただけで、若山研、理研ともに取材した形跡もありません。MTAを入手して突合している様子もありません。
 そこを取材してしまっては、若山研に持っていかなかった事情がわかり、盗み疑惑などないことがあっさり判明してしまうでしょうから、それではまずいということだったのだろうということは、容易に想像がつきます。


 だいたい、あの放送場面を見て、おかしいと思わない方がおかしいでしょう。前にも書きましたが、なぜ、NHKの取材陣は、留学生の所在と電話番号を知っているのでしょうか? 知っているのは、若山研か理研しかあり得ません。事前に取材が行く旨の了解を誰かが取っているはずです。普通に考えれば、それは留学生が所属していて、そしてその作成したES細胞の管理を委ねていた若山研でしょう。
若山氏には、ああやってカメラを入れてインタビューしているのですから、その時に留学生のことやボックスのことを聞いて、番組で流せばよかったでしょうに、なぜかしていません。石川氏は、若山研に取材して、盗まれたという証拠を集めて告発したと明確に述べていましたが、このNHKスペシャルの場面においては、若山研は関わっていないのでしょうか?上記の取材画面を巡る状況から考えれば、若山研が留学生への取材に関わっていると考えても不思議ではありません。
「この細胞は、「年(2013年)に若山研究室が山梨大学に移転する際に持っていくことになっていたものであり、申立人の元にあるのは不可解であるという指摘がある」という、その「指摘」をしたのは誰なのでしょうか?留学生が指摘したということではなく、どこの誰が言っているのかを曖昧にした「指摘」の紹介をして、その裏付けとして表に出しても差し支えない留学生に語らせているという印象を受けます。
 
少し話がずれてしまいましたが、私が言おうとしていたことは、BPO決定の多数意見は、小保方氏に「若山研移転時に譲り受けた(残されていた)」との説明以上に、疑惑を晴らすための挙証責任を負わせているわけではないということです。
「確かに、この細胞が申立人の研究室の冷凍庫に保管されるに至った経緯については申立人とNHKとの間で主張に食い違いがあり、不透明なところがある。」と書かれているので、小保方氏の説明が足りないと言っているのか?と当初は不審に感じたのですが、よく読めば、そういうことではなく、「疑惑をかけるNHK側に挙証責任があるが、具体的根拠を一切示していない」というのが決定趣旨でしたので、納得しました。
 
 少数意見の市川委員は、次のように書き、小保方氏が説明していないかのように捉えています(奥委員も表現は違いますが、同趣旨かと思います)。しかし、挙証責任は疑惑をかける側にあり、移転時点での直接の管理責任者として当事者だった若山研の証言を取るとか、移転時に交わせるはずのMTAを入手して突き合わせるとかいった取材をきちんとすべきだったのであり、もう日本を以前に去っておらず、管理当事者でもない留学生の話だけで、信じたことに相当性ありとするなどと判断するのは、全く適当とは言えません。小保方氏側が「明確な説明をしていない」などというのは、事実誤認でしょう。
 
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●市川委員の少数意見抜粋
「(2)⑤「申立人はこの元留学生のES細胞を何らかの不正な行為で入手した疑惑がある。」に関しては、以下の事情があった。申立人は、STAP細胞は、ES細胞とのコンタミが生じる可能性がない環境で作製されたと記者会見で述べていたが、その一方で、STAP細胞の正体はES細胞ではないかとの疑惑が生じており、申立人の周囲にES細胞が存在していた可能性が生じた。また、元留学生が、自ら作製したES細胞が何故小保方研究室にあったのかわからないと述べている状況の中で、小保方研究室の冷凍庫にES細胞が保管されるに至った経緯について、申立人は明確な説明をしていなかった。
このような中で、本件放送が示した程度において、疑惑があるとNHKが信じたとしても、相当性はあると考える。」(p32
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■ しかしそれにしても、こうやって、少数意見も含めて、決定文を読めば読むほど、一体、NHKは何を理由に、「人権侵害ではない」と反論しているのか、さっぱりわかりません。
 人権侵害認定に関する論点は2つだけで、一つは、留学生の作製したES細胞をSTAP細胞に混入したという疑惑ですが、これはさすがに、NHKも抗弁できないでしょう。
 少数意見の市川委員は、

「NHKの取材が、小保方研究室の冷凍庫に残されていた複数のES細胞にまで迫って、それらの中のいずれかのES細胞がSTAP細胞の由来となった疑いがあると推論したことに不合理な点はないと考える。」

 としてはいますが、他方で、次のように指摘し、多数意見に同調しています。

「以上の事情は存在するものの、元留学生の作製したES細胞が混入してSTAP細胞ができたのではないかという疑惑を裏付ける積極的な事情は示されていない。
とすれば、元留学生の作製したES細胞とSTAP細胞を結びつける疑惑については、真実と信じたことの相当性があるとはいえない。」

 そうすると、残るは、前掲の「盗み疑惑」だけですが、少数意見の市川委員や奥委員の見解に依拠しようとしているのでしょうか? 
 しかし、初動対応であるべき基本的な裏取り取材もまったくせず(あるいは取材結果も放映せずに)、開き直っている構図になってしまいます。しかも、あの場面の目的は、理研の調査が不十分であることを示すことが目的だったとしながら、実際には「小保方さんに答えてもらいたい」とナレーションを入れるなど、NHKの説明は意味不明のものになっています。

 BPOの決定・勧告を拒否するということは、編集権の次元の問題ではもはやなくて、定められたルールを無視するという外形的に明らかなコンプライアンス的次元の問題になってきますから、国会や政府当局から、批判されても抗弁できない状況に陥ってしまいます。逆に、不名誉ではありますが、勧告を受け入れて、「今後は、趣旨の誤解を与えないように編集の上で十分留意する」と述べれば、あっさり決着する話でした。
 それは、冷静に考えればすぐにわかる話ですが、そういう理性的、現実的判断ができないということは、2013年3月以来、一貫して情報提供を受けてきた者との関係で、まずいことになるという判断でもあるのでしょうか?
 情報リークしてきた関係者からすると、NHKと毎日新聞とは、世論誘導の大事な駒だったわけですので、その一角が崩れたということに、危機感を覚えた・・・ということはあるのかもしれません。あるいは、今後我が身に累が及ぶのでは・・・と考えているとか??
 そうであれば、面白くなってきた・・・と言っては不謹慎でしょうか・・・。

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