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タイトルの本を読んだ。ビッグバンに始まる宇宙の誕生から人類が生まれるまでの過程を解説している。その中で、12の出来事を捉えて、偶然による部分が大きいと説く。「人類がうまれる」というのはやや不正確なので、「現代のような高度な文明を築くに至った」と修正しておこう。
指摘される12の偶然を列挙しよう。
1.宇宙を決定する「自然定数」が、現在の値になったこと
2.太陽の大きさが大きすぎなかったこと
3.地球が太陽から適切な距離にあったこと
4.木星、土星という2つの巨大惑星があったこと
5.月という衛星が地球のそばをまわっていたこと
6.地球が適度な大きさであったこと
7.二酸化炭素を必要に応じて減らす仕組みがあったこと
8.地磁気が存在していたこと
9.オゾン層が誕生したこと
10.地球に豊富な液体の水が存在したこと
11.生物の大絶滅が起きたこと
12.定住と農業を始める時期に、温暖で安定した気候となったこと
監修者は宇宙と地球惑星科学を専門とする松井孝典氏。それ故、専門分野に重点を置きすぎている感が否めない。「生命誕生」という項目がないことは疑問である。進化に関係するのは唯一11だが、専門分野と強く関連する。3と7と10は、同じ意味または大きく重複しており、独立項目とすることに疑問がある。「太陽からの適切な距離」を「ハビタブルゾーン」といい、液体の水が存在するという意味になる。
本書は「宇宙と惑星地球からみた」という形容をタイトルにつけた方がよかっただろう。それでも、12の項目が重要なことは間違いない。特に4の事実は初めて知った。巨大惑星が1つだけならば、小惑星の地球への飛来が増え、大絶滅が5回だけでなく高頻度で起きたという。ただし、3つになると他の惑星の軌道が不安定になる。その結果、地球は太陽系外にはじかれてしまうか、太陽に落下してしまうというのだ。
初めに「ビッグバンに始まる宇宙誕生」と書いた。また、このように表現されることが一般的である。しかし、順番が違っていることを本書で知った。まず、宇宙の誕生があり、その後のインフレーションに伴う相転移の後に、ビッグバンが起きたのである。
本書は岩波ジュニア新書なので、読者の対象は中学生以上なのだろう。平易に書かれているが、内容が高度なため中学生では難しいかも知れない。大人であっても読みごたえある内容だった。「ヒトとは何者か」を考えるための良書であることは間違いない。
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