食品技術士Y「ちょいワク食ノート」

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環境

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環境研究所見学記

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 武蔵野・多摩地区を中心に環境改善活動や情報交換を行っているのが、武蔵野・多摩環境カウンセラー協議会、略称メック(MECC)である。メンバーの多くが、環境省に認定・登録されている環境カウンセラーである。2月24日(2011年)、本会が中心になり、つくば市にあるいくつかの研究所を見学した。

 今回紹介するのは、環境問題に関する公的研究機関の国立環境研究所1)。(1)地球温暖化、(2)循環型社会、(3)環境リスク、(4)アジア自然共生、の4つのプログラムに重点を置いてとり組んでいる。環境に関心が高いメンバーだけに、これらを学んで今後の活動に生かしたいという思いがある。

 はじめに、地球環境研究センターの研究員から地球温暖化について講義を受けた。温暖化のメカニズムとその主な原因となっているCO2についての解説だ。産業革命後の人間活動により、CO2濃度は急激に増加している。研究所では、CO2の濃度測定を継続しているが、毎年確実に増加している。これらの情報は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)にも提供しているという。世界地図全体が真っ赤に染まるシミュレーターの結果は、何度見てもインパクトがある。

 温暖化に対する懐疑派の存在が少なくないことをどう考えるかという質問が出る。太陽の活動を考慮しても、近年の温暖化はCO2による影響としか考えられないという回答である。同時にアピールが十分でないことを認め、CO2削減の努力を続ける必要性を説いた。

 その後、2班に分かれて、循環・廃棄物実験設備と水環境実験施設(写真)の見学を行った。私は後者の班に加わった。研究者の説明によると、この施設では、(1)水環境と生態系の関係、(2)化学物質の水生生物への影響、を研究しているという。化学物質の影響を調べる生物は、藻類、ミジンコ、魚類の3群に大別できる。藻類が生産者、それを食べるミジンコが一次消費者、さらにそれを餌にする二次消費者の魚類と続く。これらの生物は、総て増殖させながら保管しているという。生きものの面倒を見るのは大変である。休日は交替で出勤しているに違いない。

 水生生物を用いて調査する化学物質には、いわゆる環境ホルモンも含まれている。膨大な研究費をつぎ込み、ほとんど何も出なかった騒動だったが、継続しているようだ。環境省と関係が深い研究所だけに、一矢報いたいという気持ちがあっても不思議ではない。

 研究所のパンフレットでは、環境試料タイムカプセルという活動を紹介している。環境試料を超低温で保管しているという。この中に母乳があるかもしれない。ダイオキシン騒動があった頃、過去に比べ汚染は低下していた。環境を汚染していたダイオキシンの多くが過去の農薬にあったからだ。保管されていた母乳はそのことを証明したのである。

 環境は多くの人に関心を持っていただきたい問題である。環境研究所では、一般公開や公開シンポジウムを開催している。機会を見て、参加したいと思っている。
1) http://www.nies.go.jp/index-j.html

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食品ロス削減活動元年

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 日本では、年間約9,000万トンの農林水産物を食品として消費している。これに伴い、約1,900万トンの廃棄物が発生。この内で、食べることができるいわゆる「食品ロス」は、500万〜900万トンにもおよぶと推定されている。中間値をとっても36%、すごい量ですねぇ。

 製造から消費に至るフード・チェーンの総てが食品ロス発生に関わっている。具体的には、食品メーカー、流通、小売店、外食産業、そして消費者などが挙げられる。食品ロスの削減推進は、これら総ての関係者が望むことである。

 昨年(2008年)8月、農林水産省で「食品ロスの削減に向けた検討会」がスタートした。年末までのわずか4カ月で、本検討会は具体的行動に向けた有意義な報告書をとりまとめた。この結果を基に、今年(2009年)の9月と10月、農林水産省と食品産業センターの共催により「食品ロス削減に向けた国民フォーラム」が全国4ヶ所で開催された。東京会場(ヤクルトホール)に参加したが、大きな会場がほぼ満員で熱い意見交換が行われた。

 一部を紹介しよう。「総ての関係者が望む」と書いたが、各論になると立場の違いも見えてくる。製造と流通の間には、欠品を避けるための過剰在庫や返品といった問題が存在する。これらは、食品ロスにつながっているが、削減の工夫が続けられている。また、規格外や賞味期限が近づいた食品をフードバンクに委ねる企業も増えている。

 外食や結婚式場で発生する食品ロスは、全体の3%程度。絶対量は多くはないが、「小盛り」など盛り方を選べるようにすることで廃棄を減らせるだろう。また、料理を持ち帰るドギーバッグ等の工夫も効果がある。もちろん、管理が悪くて腹痛を起こした場合の責任は、持ち帰った消費者にある。

 家庭でも努力することができる。買いすぎない、作り過ぎないことであり、厚くむくなどの過剰除去を避けることもロス削減になる。冷蔵庫の残りものを、お好み焼きにより使ってしまうといったアイデアが紹介された。寒い時期は、鍋でもやれそうである。また、期限表示の意味を理解いただくことも大切である。「消費期限」を過ぎた食品は食べないようにすべきだが、「賞味期限」なら期限後もしばらくの間は問題なく食べられるのである。

 農林水産省や関係者の努力を応援したい。今年が「食品ロス削減活動元年」となり、今後さらに活動が進み実効が上がることを願っている。

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肉を食いたきゃ鶏を食え(食糧危機8)

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 肉はタンパク質が豊富である。リジンやスレオニンといった必須アミノ酸をバランスよく含むので、植物由来に比べタンパク質としての価値「タンパク価(プロテイン・スコア)」が高い。吸収しやすい鉄分の供給源としても、大切な栄養源である。

 だから、肉はおいしいのである。肉類にはさまざまな料理があり、ハム・ソーセージといった加工品もある。基本的にはどれもごちそうで、食品として高価である。日本では高度成長を遂げ所得が伸びてから、ようやく度々食卓を飾るようになったのである。

 同じ状況にあるのが、経済発展著しい中国等の途上国。増えた所得は、肉類の消費に向かう。富裕層の畜肉需要に応じるため、飼料としての穀物輸入が急増している。バイオ燃料需要の増大等と重なり、国際的な穀物在庫を減らし、価格を高騰させる要因となっている。

 肉といえば、牛、豚、鶏の消費が多い。これらを育てる(肥育)には、効率のよい濃厚飼料が一般的に使われている。その中身は、大豆やトウモロコシ等の穀類が主体である。供給した飼料に対して生産される肉のことを飼料効率という。牛は0.10、豚が0.25〜0.33、鶏(ブロイラー)が0.46になる。

 飼料効率の逆数、牛肉では10kg、豚で3〜4kg、鶏で2.2kgが肉1kg生産に消費する穀物になる。肥育に必要な平均的な期間も同様で、牛で18ケ月、豚で6ケ月、鶏で2ケ月と大差がある。牛>豚>鶏の順で価格が対応しているのは、当然の結果といってよい。

 そうであれば、肉を食べたいと欲しても、牛でなく豚、さらに鶏を食べるのが好ましい。栄養的には大差なく、安価に済むのである。食糧不足が明確になってきた場合、牛肉消費を減らすことにより、その10倍の穀物を食べることができる道理である。環境負荷も少ないといってよい。特に牛の発するゲップは大量のメタンを含んでいるが、CO2に比べて21倍の温暖化への影響力がある。ゲップを少なくする研究がまじめに行われているほどである。

 穀物消費を減らす別の切り口からのアプローチもある。牛は草食動物のため、草で育てることができる。日本の森林の多くは放置され荒れているが、間伐を行いここに牛を放し飼いにするのである。下草は餌になり、排出物は肥料となる。これが、山地・森林酪農で注目されている。肉ではさし(霜降り)が入りにくく、牛乳で脂肪分が低くなるなどの欠点があるようだ。それでも総合的によい結果が出て広がることを期待したい。

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家庭から減らす食品廃棄

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 9月18日(2009年)、東京国際科学フェスティバルの一環として、三鷹市市民協働センターでサイエンスカフェを開催した。前半は「食糧危機と緩和策」、後半に「家庭から減らす食品廃棄」をとり上げた。なお、気楽に話し合える雰囲気作りのためワインを提供した。

 前半の概要は次のとおり。
 現在の文明の発展は、1万年前に始まる温暖な気候に基づく農業と豊富なエネルギーを基盤としている。しかし、‘72年の「成長の限界」に示される内容が身近に迫りつつある。なかでも、食糧問題が表面化してきた。この危機の緩和には、遺伝子組換え作物、農薬や食品添加物(保存料)等への市民の理解を深めることが必要である。その一助として、化学物質の量と作用について解説した。続いて、基準値を越えても安全性には問題がないことも解説した。また、こういうコミュニケーションを続けることの大切さについても触れた。

 市民の参加者から、「農薬や添加物は避けるべきものと考えてきた。手作りを心がけているが、添加物を含む加工食品を使わないわけには行かない。また、農薬等の不安はあっても、価格差が大きいものについては、中国産を選択することもある」との発言があった。人工の化学物質に対する市民の拒否感は強い。その半面、天然・自然に対する安心感が存在するが、根拠はない。

 後半の概要は次のとおり。
 日本では、製造から家庭や料理店など末端の消費に至るまで、各箇所で食品廃棄物が発生している。その内、可食部分「食品ロス」は500から900万トンで4割程度は家庭由来である。未開封のまま捨てられる食品も少なくない。一方、世界では貧しい地域で栄養不足人口が増続けていて、食料の偏りがある。家庭では、環境負荷のことも考え、食品ロスを減らすために「3R」の考え方を知恵と工夫で生かしていきたい。

「たべものを粗末にすると目がつぶれる」等、たべものを大切にするしつけをかつてはどの家庭でも行っていた。しかし、最近は給食で「いただきます」をいわせることへの抗議があるという。戦争でひもじい経験をした者は、残さずに食べる習慣が身についているが、食べ残し問題は健康問題(体重増加)との関係もある。日付が新しい商品を選んで買うことはやむをえないが、消費期限が迫った値引き商品があれば、積極的に購入したいものである。最近の価格高騰で、規格外の野菜が店頭に並ぶことになった。正常に戻ったとしても、継続させたいシステムである。といった意見があった。

 いずれにしても一朝一夕に理解が進むものではない。機会を見ながら根気強く続けていく必要があるだろう。

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せまるショッカー

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 8月29日(2009年)、JR吉祥寺駅に近い井の頭恩賜公園にいった。週末の土曜日とあって、家族連れ等で大賑わいである。池の水面もボートが溢れていて、カップルもけっこう見受けられる。

 この池の「ボートにカップルで乗ると破局する」という有名な都市伝説がある。池のほとりにある弁天様の嫉妬によるという。こんな噂を承知で乗っているとすれば、「二人の愛は何者にも妨げられない」と自信があるのだろう。あるいは、一方が別れたいと思い始めているのかも知れない。

 カップルを観察するために公園に行ったのではない。目的は、水の上ではなく池の中にある。オオクチバス(ブラックバス)やブルーギル(写真)の駆除を見たかったのだ。井の頭池もこれらの外来魚により在来のモッゴ(クチボソ)やフナ等が大きな影響を受けている。

 オオクチバスの放流は、食用・釣り対象魚として戦前から行われていた。日本中に範囲が拡大していったのは、70年代以降のようだ。いくつかの説があるが、人為的な放流が主因となったことは間違いない。身近な池で釣りを楽しむためである。バス類は、手ごたえがあり大勢の釣りファンが存在する。

 そうであれば、釣具や宿等の少なくない経済効果があり業界も存在する。外来生物法の特定外来生物への指定には議論があったようである。しかし、法律の趣旨からいえば、環境を乱す悪者としての指定は避けられない。しかし、指定されたとて、排除は容易でない。不可能といってもよい。

 この日、井の頭池で行っていたのは、電気ショッカーによる方法だった。高圧の電流を瞬間的に流すのである。ショックで動けなくなった魚が浮かんで来るので、目的の魚を選んで網ですくい上げる。この作業は手早く行う必要がある。1分もすると、回復して泳ぎだしてしまうからである。外来魚にとって、「地獄の軍団」「鬼こ来たなと」思っていたかは定かではない。

 捕獲した魚は、料理して食べてやるのが一番の供養になると考える。皮をはがせば、白身でおいしいという。しかし、そうもいかないので、肥料にされる。焼却に比べれば、感情的に受け入れやすい処分方法だろう。一部は解剖され胃の中身の調査を行っていた。環境への悪影響の具体的なデータになる。別の場所では、大きなミドリガメ(かな)を捕獲していた。それにしても、魚やカメに罪はない。身勝手な人間がいけないのである。

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