|
雨の日になると思いだす、
ボブ・ディランの「Rainy day women # 12 & 35」という
曲について。
この曲は、1966年発表のアルバム「Blonde on Blonde」に
おさめられた一曲ですが、ディラン他のヒット曲などに比べると
少し異彩を放っている曲です。
ディランはとにかく「言葉」が重要なのですが、
この曲の歌詞も幾通りもの解釈ができます。
歌詞の一節、オリジナルはこの通り、
***
Well, they'll stone ya when you're trying to be so good,
They'll stone ya just a-like they said they would.
They'll stone ya when you're tryin' to go home.
Then they'll stone ya when you're there all alone.
But I would not feel so all alone,
Everybody must get stoned.
***
歌詞に「stone」という言葉が出てきますが、
「stone」は名詞では「石」、動詞としては「石を投げつける」、
転じて「非難する」という意味になります。
歌詞を訳すと
***
君がよくなろうとするとき
みんなは君を非難するだろう
君が家に帰ろうとすると
みんなは君を非難するだろう
君が一人ぼっちでいる時でも
みんなは君を非難するだろう
でも 僕は一人ぼっちだとは思わない
みんな非難されるべきだと思うから
***
また、「パンを求めるものに石を与える」という
ことわざから転じて「stone」は、
「愚弄する」「バカにする」という意味にもとれます。
それでこの歌詞を訳してみると
***
君がよくなろうとするとき
みんなは君をバカにするだろう
君が家に帰ろうとすると
みんなは君をバカにするだろう
君がひとりぼっちでいる時でも
みんなは君をバカにするだろう
でも 僕は一人ぼっちだとは思わない
みんなでバカになればいいと思うから
***
こうなります。
他にも「stone」というのはいろいろに
解釈できますが、最後の一節「get stoned」というのが
「ドラッグでハイになった状態」ともとれるため
この曲は放送禁止の扱いも受けました。
その意味も含めているのかも知れませんが、
この曲で言いたいことというのは、
なにか権威主義的な考え方で
個人の意見や考え方、生き方を責めたてたり
追い込んだりすることに、
皮肉を込めて書いた詞のように思います。
人が、ものごとに対して
どんなふうに感じ、
どんなふうに考えるかは
自由だと思います。
人が何を考えるかについて、チカラで
抑えつけられる理由はありません。
子供だろうが、知識が浅かろうが、
ものを思うことは自由ですし、
人として尊重し、ちゃんとその声を
聞いてあげるべきだと思います。
一見不可解な言葉でも態度でも、
それなりに、その人なりの理由があるのです。
何が正しくて
何が悪いかということも
人それぞれの立ち位置によっても
違うでしょう。
自分に都合のよい「正しさ」を振りかざし
人が本来持つべき自由を奪うことこそ愚かなことだと
ボブ・ディランは
唄っているのかも知れませんね。
|